0059
案内されて建屋の中へ。
真新しい建物の中は実に近代的な造りであり、機能的に見える。
いや、近未来っうか、何となくSFチックな内装とも言えるか?
あの会社の建屋とは、雲泥の差やね。
何人かのグループに別れて移動を。
総ガラス張りのエレベーターにて、36階のフロワへと。
いやぁ、総ガラス張りのエレベーターなんざぁ、初めて乗ったぜ。
床までガラス張りでな。
下が透けて見えるから、落ち着かないのなんのって。
エレベーターから降りて、ホッとしたよ。
全く、なんてぇエレベーターだ。
ん?
壁だけがガラスのエレベーターも有るし、外が見えないタイプも有る?
女性陣は外は見えるが、床と天井が透けて無いタイプで移動しているんだと。
まぁなぁ。
下からスカートの中を覗かれても困るしな。
外が見えないタイプは、高所恐怖症の方用だとさ。
この建屋は100階まであるからなぁ。
えらい高いビルが出来たなぁ、って思ってたらカラドガルグのビルだったとは。
新たな商業施設かと思ってたんだが、違ったな。
新しい飯屋とか期待してたんだがなぁ。
アテが外れたか。
で、エレベーターから降りたら、俺たち用に用意された事務室へと。
っか、え?
「いや、良いんですか?
これ?」
「何がでしょう?」
そう案内してくれた男性がな。
「いやぁ、事務所スペースが広大なのもありますが、机や椅子が高級そうですし、機器も最新式ですよね。
これだけの施設を、本当に我々が使っても?」
俺が尋ねるとな、男性が不思議そうに。
「?
いや、確かに新しい機種ですが、今時珍しくもないですよね。
一般的に普及しておりますが?」
言われてみれば、客先でも似たような感じだったか?
ん?
そう考えると…
「ああ、ウチ…違った。
前の会社の機材が古過ぎたんですね。
こちらが、今のスタンダードなんだろーなぁ」
思わず告げるとな。
「?
以前の会社では、どのような?」
そう尋ねられたのでな、俺たちが使っていた機器を教えると…
「それは酷い!
1世紀前の型ではないですか!
そのタイプだと人の能力に頼る開発しか行えず、AI補助が不十分ですよね?
え?
いや、待って下さい。
そうなると…昨今、AIへ頼り過ぎて技術者のレベルが下がっている問題に当て嵌まらない?
そんな技術者が、1チーム参画!?
これ、我が部署で受け入れて、本当に良いのか?
部長判断では厳しいかも…」
そんなん言い始めましたが?
「何か問題でも?
あ、それとですな。
我々を受け入れて下さる部署の方へ、挨拶したいのですが?」
案内してくれていた男性へな。
「おお、これは失礼。
初めに自己紹介するべきでしたな。
私が、このサーシャム開発部部長である 嶋咲と申します。
先程も申しましたが、皆さんにはサーシャムの支援武器などの制御系を開発して頂く予定でした。
ですが、武道さんの話しから、皆さんの能力が高い可能性が出てきました。
この侭、我が部署で受け入れて良いか、一度上に確認いたします。
この事務所は使用なさって結構ですので、暫くお待ちを。
狩夜さん、ちょっと良いかね?」
「はい、何でしょう?」
女性陣を案内していた女性を、嶋咲部長が呼ぶ。
「暫く、彼らへの対応を任せたいのだが?」
「畏まりました。
尋ねられたら、分かる範囲で答える、で、良いでしょうか?」
「ああ、それで構わない。
私は上へ確認することが出来た。
処理して来るから、その間、皆と対応して欲しい」
「分かりました。
では、そのように致しますわ」
その遣り取りの後。
「では、申し訳ないですが、いったん中座させて頂きますね」
そう告げて、嶋咲部長が部屋から出て行ったよ。
したらな、狩夜と呼ばれた女性がな。
「サーシャム開発部1課の狩夜と申します。
何かございましたら、遠慮なく尋ねて下さい」
そう告げると、女性陣から狩夜さんへとな。
なんか、業務と違うこと訊いてないか?
自重しろよ、お前ら!




