0044
そんなことはあったが、ようやく基地から出ることに。
「まずは飛行モードにて海岸線を抜けます」って、マチルダさんからな。
「は?
海岸の敵機を放置して、大丈夫なのか?
移動中に襲われたりは?」
思わず訊くとな。
「海岸の敵機は、対空攻撃を行う手段がないそうです。
射出武装はあるそうですが、ある程度の高度で飛べば届かないとのこと。
ゆえに、飛行にて海岸線を越えるのです」
なるほどねぇ。
でもさ。
「あれだけの敵機を放置するのはさ、不味くね?
基地は大丈夫なのか?」
基地の直ぐ近くへ敵機が群れてるんだぞ。
襲って来たら、ひとたまりもあるまい。
「それがですね、一定距離から先へは移動しないのです」
ん?
どう言うことだ、それ?
「海沿いの海岸線に陣取っていますが、そこから内陸へは進まないみたいなんです」
「カニ型とかエビ型だからか?
だか、機械だよな?
生息地帯てぇ訳でもあるまい?」
そう尋ねるとな。
「どうも陸型機獣との勢力争いをしているみたいなんです。
陸側からは海側へ向けての進行が、過去に何度も観測されております。
ですが、海側からの進行は、行われてないもよう。
専門家からの話しでは、この星には複数の文明が栄えていたらしいとか。
各々が争っていたらしく、それが原因で機獣が生まれ、制御不能となった機獣に滅ぼされた。
そんな話しでしたわね」
「なるほどね。
しかしな、その話しだとさ。
基地が在るのは、2つの勢力が争う境界線じゃねぇか?
大丈夫なのかね?」
ヤバい立地に思えるのだが?
「それは大丈夫なようですよ。
争うのは平地だけらしく、丘へ上がる敵機は稀らしいですから」
いや、それってさぁ、襲撃があるってことでは?
そんな話しをしている間に、海岸線を抜けたみたいだな。
島影は見えないことから、とうぶん飛行することになりそうだ。
そう思ってるとな。
「准佐。
調査団のベースシップへの乗艦が許可されました。
甲板へ降りてください」だとよ。
マチルダさんが言うにはな。
「移動距離が長いため、エネルギー節約したいとのことです。
あちらの艦には…あきれたぁ」
「んっ?
どうした?」
マチルダさんが、こんな声を出すのは珍しい。
「あ、いえ、失礼しました。
どうやらエネルギー生成機を積んでるようですね。
あのサイズの艦艇へ搭載可能な生成機ともなれば、結構なお値段になるハズ。
軍では、手が出ない代物です。
羨ましいですわ」ってさ。
研究機関てぇのはさ、儲かるんかねぇ?
などと思ってるとだ。
「ミス、マチルダ。
それは違いますぞ」っと、調査団長デッカー氏がね。
「あら?
どう言う意味でしょうか?」
マチルダさんが不思議そうにさ。
いやさ、確かに…何が違うのか訳分からんのだが?
「搭載されているエネルギー生成機は試作機でしてな。
十分なテストが完了したとして、実用試験に回された物なのですわい。
しかもですな。
敵機獣のコアからエネルギーを得る機能が有りましてなぁ。
そこらへんのテストも兼ねておりますれば…」
はいはい、機獣討伐して来いってか?
参ったね、こりゃ。




