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しかし、ジントニックの次がスコッチかよ。
クライヌリッシュてぇ酒でな、何でもサーモンリバー沿いにある蒸留所の酒だそうだ。
っうことでな。
ツマミはサケの燻製だとさ。
市販ではなくてな、店オリジナルてぇんだから恐れ入る。
実は店主、酒屋チェーンの元会長でオーナー一族の長らしい。
引退後の趣味で、店をな。
藤堂さんは、店主が会長時代に会社のシステムを構築したんだとよ。
その繋がりらしいな。
「今はバーのマスターにございます。
ほほほっ」
だってさ。
実はな、この店は紹介制であり、会員でなければ入れなかったりするらしい。
いやな、入り口にさ、ゴッツイ黒服サングラス野郎が陣取っててなぁ。
実にビビったよ。
藤堂さんが会員証を見せたらさ、スンナリ通してくれたけどね。
しかしなぁ、クライヌリッシュてぇ酒とサケの燻製の組み合わせは最高さね。
これをな、マリアージュてぇんだろうな。
ソイツをやりつつ、サーシャムの話しをな。
いやな、俺ってさぁ、サーシャムなことは何も知らないんでな。
藤堂さんは動画視聴者だけあって色々と知っていてな、あれこれと教わったよ。
ついでにスコッチモルトについてもな。
いやいや、ウイスキーはウイスキーじゃね?ったら怒られた。
いやさぁ、怒るほどのことか?
えっ、バーボンはコーンと麦で造るが、ウイスキーは麦?
麦以外で造る場合はグレーンウイスキーらしい。
大麦麦芽で造るのがモルトで、混ぜ物が無いのが普通らしいな。
たまにモルトと言いながらさ、グレーンとか混ぜてる物もあるらしい。
「えーっと、だったらさ。
ピュアモルトって?
何も混ぜてないって謳い文句の」
「ありゃ、俺にも意味が分からんな。
モルトは元来麦芽100%のハズだ。
だから混ぜ物が無いハズなんだがなぁ?
混ぜ物があったのを止めたのか?」
うん、業界に喧嘩売る感じだからさ、この話題は危険だ。
話しを変えるか。
「しかし…このタリスカーって酒は、強烈ですね」
煙臭いって言うのか?
燻蒸臭でスモーキーフレーバーって言うらしい。
麦芽の発芽を止めるのに燻すそうなんだが、その燃料の泥炭、つまりピートの香りが移ったらしいな。
このピート香をスモーキーフレーバーって、言うんだとさ。
「この酒が好きでなぁ。
一時はスモーキーフレーバーが落ちたことがあるらしいな。
だが、ファンからのクレームで復刻したそうな」
へぇ、酒にも歴史あり、だな。
それにしても…
「ウイスキーにチョコが合うとは、思いませんでしたよ。
実に美味い物ですね」
酒には塩辛い物か、辛い物って思っていたが…目から鱗だったよ。
それからも、しばし藤堂さんと語らってからお暇とな。
「いや、本当に、この値段で?」
えらく安いぞっとっ。
裏は無いよね?
「私どもは、酒屋直営どあり、独自のルートから仕入れておりますからな。
まぁ、爺いの趣味だから、っと言うのもありますかな?」
これは、笑うところか?
対応に困るな。
「そして、こちらを」ってな、カードを差し出されたんだが?
はて?
「おっ!
早速マスターに気に入られるとは、やるな、武道さん」
「へっ?
何がです?」
訳分からんぞ?
「この店の会員証だよ、それ。
しかもマスターが気に入った者にしか渡してないヤツだぞ。
会費要らずでな、料金割引きがある優れものだ。
して、マスター?
俺には?」
「おねだりするような方には、渡しておりませんので」っと笑いながらな。
いや、そんなん、貰って良いのかよっ!




