0032
「連絡先は、交換しましたよね?」
さっきの小料理屋でな。
藤堂さんがっというよりはな、櫻井さんからの提案だった訳なんだがな。
何故か、全員とな。
後輩も櫻井さんの連絡先ゲットして嬉しそうだったぞ。
百瀬さんがな、櫻井さんに後輩を落とすのん手伝って貰う相談してたんだがな。
そこは、見なかった、いや違った、聞かなかったことにしよう。
「確かに連絡先は教えて貰ったがね。
サーシャムをプレイする時に連絡貰える訳ではあるまい?
正直な、武藤さんのプレイはプロレベルと言って良いだろう。
金が取れるレベルだ。
実際にな、海外では契約したプロのプレイをライブで見る場合、チケット購入して施設へ入る必要があるんだ。
動画配信はな、有料チャンネルのみだな。
そんなプレイを、ロハで観れるんだからな、観たいぞ?」
そんなもんなんかなぁ?
「それとな、注告をな」なんてことをさ。
なんだろね?
「近い内にな、絶対にカラドガルグからスカウトが来るからな」
「はい?」
確か…カラドガルグってさ、サーシャムを作った会社だよな?
なんで、そこから?
「その顔では、理解してないな?
サーシャムのプロプレイヤーとしてだよ」って、そんなことをな。
いやいや、まさかな。
俺は単なる中年オヤジだぞ?
「解ってないみたいだが…武道さんのプレイはな、トッププレイヤーと並ぶ、いや、越えるレベルなんだからな」
そんなもんなんだろうか?はて?
「アチラのプロ連中がプレイしているのとは別エリアでのプレイだっただろ?
俺もな、配信登録してんだが…獣型敵機に大破されてるプロプレイヤーは多いんだ。
だからな、獣型敵機を避けるのが常識だな」
あれ?
「俺って、獣型敵機しか相手して無いんですが?」
「だからだよ。
アンタほどのプレイヤーはな、海外にも居ないからな。
そうなるとだ、ゲーム会社としてもスカウトしたくなるだろ?」
あれれ?
実はさぁ、これって大事なのか?
「いや、あれはゲームで、単にプレイしたに過ぎないだけど…」
そんな困惑している俺へな。
「だからだよ。
それだけ同調率が高いってことだな。
場合によってはだ、陸上自衛軍のトライポッド隊からもスカウトされれやもな」
止めてくれ!
この歳で軍隊なんぞに入りたくないぞ!
「まぁ、強制はされまいが…ゲーム会社からスカウト来たら、どうするね?」
てなことをね。
「陸上自衛軍のトライポッド隊からのスカウトは論外ですがね、プロゲーマーもなるつもりはありませんよ。
娯楽を仕事にしたら、楽しめないじゃないですか。
それに、今の職場、仲間たちを気に入ってますからね。
1人勝手に職場を辞すなんて、考えられませんね」
会社自体はクソ喰らえっ!っと思うくらい嫌いだがな。
自分のチームは気に入っている。
まぁ、トラブルはあるぞ。
それを苦労して纏め上げ、良い雰囲気で仕事できるようにしてんだよ。
最近はチームの一体感も出て良い感じなんだ。
そんな職場を放り出すなんぞ、考えられんな。
そんな話しをしたら、納得してくれたよ。
いやな。
人間関係を取り持つのは、なかなかにキツイんだぞ。
それでな、数年前からチームが纏まって機能してんだよ。
ここで放り出せるかよっ!




