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そんな話しをしつつ出てきた料理をな。
いやぁ、美味かった。
やはり、この店は当たりだな。
藤堂さんがな、俺のことを気に入ったらしくてさ。
来たら、ここを使わせてくれることにな。
〆の鯛めしからの、鯛茶漬けはなぁ。
ありぁ、えも言えぬ味わいだったよ。
宴もたけなわってとこだが、そろそろお暇せねばなるまい。
家へ帰る電車が無くなってしまうからな。
そのことを告げるとな。
「なら、ハイヤー呼んでやろう。
ウチと契約してる会社の車だから、ウチの会社が払うことになるからな。
まぁ、経費で落とすんだが」
いや、経費扱いになるんかよっ!
「だからな、もう一軒だけ、付き合えや」ってな。
近場のバーへと。
後輩と女性2人は帰らせたよ。
後輩がな、櫻井さんにちょっかい出してたが、相手にされてなかった。
無かったんだが…明らかに、百瀬さんには脈があったんだがなぁ。
なんで櫻井さんに行ったし?
いやさぁ。
確かに胸は櫻井さんの方がさ。
あの、オッパイ魔人目がっ!
ってもな、櫻井さんからロックオンされてた俺としては、助かったがな。
今んとこ、色恋沙汰は勘弁だからな。
で、バーなんだがな。
女っ気なしのな、渋いダンディなオジサンがバーマン兼店主の店でな。
ちょっと通りから外れた路地奥にな。
こんな所に店があったとは…
静かな雰囲気でな、ブルースジャスが静かに奏でられてたよ。
とてもでは無いが、騒ぐ雰囲気ではない。
大人の社交場っう感じだろうか?
藤堂さんはさ、当たり前のようにな。
「とりあえず、ジントニック、だな」っと。
とりビーじゃぁ、ないんだな。
俺さぁ、場違いじゃね?
「摘みは、ミックスナッツとドライフルーツの盛り合わせですかね?」
「ああ、食って来てるしな。
何時もと同じにしてくれ」
「かしこまりました」
てな会話がさ、藤堂さんとマスターの間でな。
もう一度、言って良いかな?
俺…場違いじゃね?
さりげなく作られるジントニック。
マスターの立ち居振る舞いが、様になる。
うん…映画の世界?
考えたらな、スナックとかガールズバーなんかは行くが、こんな渋い店は初めてだったりする。
スッっと、ジントニックが差し出されるように、コースターの上へと。
自然に手に取り…美味い。
ツマミも、素晴らしいな。
料理も頼めば出てくるらしい。
裏に厨房があり、そちらに料理人が控えているのだとか。
ひとしきり味わって…
「で、藤堂さん。
ここへ連れて来てくれた理由って、あるんですかね?」
前の店で、約束は果たされている。
むろん、あちらは奢りだった訳だが、こちらは払うぞっと。
「武道さんが、気に入った、では、だめかね?」
「ダメですね。
初対面で次に連れ出すには、理由が弱いですから。
単に梯子酒なら別です。
ですが、俺を送るハイヤーを手配してまでって言うのは、容認できかねます」
「まっ、そうだわな。
ぶっちゃけるとだ、アンタのファンになった!
だからな、サーシャムをプレイする時は、連絡して貰えないかとな。
どうだろうか?」
いや、本当に、それだけ?
またスカウトの話しかと警戒してたんだがな。
拍子抜けだぜ。




