0132
狼型の機獣には、以前にも相対している。
あの時は荒野であり、ココよりは見通しが良かった。
まぁ、岩陰から襲い掛かって来たりはしたがな。
だが、木陰に潜んで迫って来るより、遥かにマシだな。
サーシャムと相対する機獣は、サーシャムクラスの巨体を誇る。
そんな巨体が潜める森だ。
どんだけデカいんやねん。
人やアーマードでは、巨大過ぎて対応できんだろうな。
っか、茂みから複数体が、連携しながら飛び掛かった。
アンソニー大尉とキャンディ大尉は、あらかじめ下がらせている。
こんな攻撃を避けれるとは、思えんのでな。
同時に三体の狼型機獣が。
しかも、タイミングと高さ、位置をズラしてな。
以前の俺ならば、幾ら同調率が高くとも避けられなかっただろう。
だがな。
「そんなスローモーな動きでは、掠りもせんな」
そう告げつつ、一体の首を避けざまに刎ねる。
「うそっ!
なに、今の動き!?
アンソニー大尉、見えました?」
「無茶言うんでねぇぜぇっ!
あんな動きが追えるかよっ!
そんなコトよりもだな」
「分かってますわよっ!
後続でしょっ!」
「分かってりゃあ、良いんでぇっ!」
森から、さらに出て来るヤツへ、二人が弾幕を。
実弾の方だな。
俺は首を刎ねた後、擦れ違いざまに返す剣で、もう一体の腹を。
腹を切り裂きつつ、後ろ足を刎ね飛ばす!
攻撃されなかった一体が、驚愕顔に?
をいをい。
コヤツ、機械だろうに。
なんで表情が?
まぁ、関係ないか。
振り向きざまに、後ろからな。
案外脆いのかね。
胴体から真っ二つにさ。
「アンソニー大尉?」
「言うな!」
「けど、機獣って、あんなに容易く」
「だぁーらぁ。
武将だからだろ!
俺たちとは、違うんだよ!
それより、迎撃しろっ!
まだ、一体も落ちとらんのだぞ!」
「無茶言わないで下さいなっ!
っか、同じような武装で、なんで容易く落とせるんですかぁ!」
「だぁーらぁ。
俺に聞くんじゃぬぇいっ!」
うーん。
なんだか君たち、大変ね?
三体を撃破したので、俺もライフルで撃つ。
実弾だが、弾をバラ撒ないぞ。
弱点と思われる場所を狙撃する。
硬い装甲なんざぁ、狙わんよ。
弾のバラ撒きにて接近を防いでいた機獣を、一体、また一体と。
「だからぁ!
なんで容易く撃ち落としてんですかぁ!」
「それこそ、俺へ聞くんじゃぬぇい!
うぉおぉぉっ!
なんでぇ、落ちぬぇいっ!」
「あー、なんだぁ。
硬い装甲を、幾ら撃っても落ちんぞ。
装甲を避けてだな。
ピンポイントで、ほれ」
「そんなん、アタイらが出来るハズないでしょおぉっ!
てか、そんな隙間を縫うような射撃ぃ、無理ぃっ!」
どうやって、って聞くから教えたんだがな。
我儘なヤツだなぁ。




