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第94話: 石清水の戦い 第2幕! 今度は総力戦やで!なんやて?ええ宣伝になる?どういうことや?

 

「ふっふふ~ん♪」

「お方様、如何なされた?ずいぶんご機嫌うるわしやにお見受け致すが……」


 うちがお好み焼きをやいてると、法眼が胡散臭そうな顔で見てきよる……

 こいつなぁ……小角はんから借りた客将で剣仙やから、うちへの遠慮っちゅうもんがないんよね。せやけどうちがそない言うと、


「さようにお思いなら、ジーパンとエプロン姿でお好み焼きを焼くのはお止になられたらどうじゃ?……あと、清盛殿と大阪焼きか広島焼きかで張り合うのも大人気なかろうに……」


「なんと!?鬼一法眼殿!広島焼などという申されよう、この清盛聞き逃せぬ!此方こそお好み焼きでござれば、なにゆえ広島焼などと!」


 なんやコイツ、まだ言うとるんかい!お好み焼きっちゅうんはな、キャベツに予め薄力粉と山芋を入れてしっかり混ぜてから焼くんをお好み焼きっちゅんや!中学生でも作れるからお好み焼きなんや!


 そんなな、生地焼いてからキャベツ焼いて、麵焼いて卵焼いて、ほんで最後に合体なんちゅうような!プロの料理人でないと作れへんようなもんはお好み焼きちゃうやろ!お任せ焼きやろ!


 ……って、そない思うたら、鉄板の端っこの方で、夏菜子ちゃんが、うっすーい生地に具がいろいろ入った、絶対に固まらん、中途半端に生焼けしたヤツをコテでチマチマ喰う、東京もんしか食わへん粉もん、『もんじゃ』を焼いとる!?


「ちょっとーー!夏菜子ちゃん何してんのん!……あんた、そんなもん人間の食うもんちゃうって言うとったやないか!」


「えっ?……いや〜そこまでは言うてへんけど……ちゃうねん、花奈ちゃんがもんじゃ焼き食べたい言うてるから。なんかな、まだお母はんと一緒に住んでた時に、作ってくれてんて。あ!そろそろ焼けたで、花奈ちゃん、いっぱい食べや!」

 そう言って、夏菜子ちゃんが花奈ちゃんにもんじゃ焼きを食べさせる。


 あぁ…なんちゅう可愛い…花奈ちゃんが嬉しそうに、アツアツのもんじゃをハフハフ言いながら食べて、「慌てて食べたらアカンで〜」とか言いながら、口についた青のりを取ってあげたりして…


 まるでホンマの姉妹みたいやんか…あかんなぁ、歳いったら涙もろうなって……

「う、ううっ……」


「これはお方様、如何なされましたか?タマネギの切り過ぎにござるか?はたまたハバネロソースをお使いか?」


「清盛!そんな話ちゃうやろ!うちは健気に生きとるこの子らの姿に感動しとるんや!……お母はんの味が食べたいとか、またそれを作ってあげたいとか…(とうと)すぎるやろ!」


 せやけど、うちが熱弁してると、花奈ちゃんが胡散臭そうな目で……

「八幡お母さん…なんか変。すぐギュッてするし…ほっぺたすりすりとか。ボク、子供じゃないし。キモイ。」

 え!なんで!?母親の愛に飢えてるんとちゃうの!?うちぐらいのゴッドマザーがなんでアカンねんな!


「あんな、八幡さんはひつこいねん。ようあるやん。お母さんが『そこまでせんで良いです、お義母さん』って言うてんのに、孫にこれ食べるか、おこづかいやろか、欲しいもん無いかっていうお祖母ちゃん。そんな感じ。」


 なっ!夏菜子ちゃん!……い、言うたね?……うちの孫にかって言われたことないのに!……あっ…言われてたかも?『おばあちゃん、日本一大きいお墓とか要らんし』みたいな。そーいえば、今あそこで堺市が気球乗れるヤツやってるねん。知ってた?


 って違う!そんなんはどーでもええねん!いや、お好み焼きオンリーがアカンのか?カスうどん?ちゃうな……「最近はスパイスカレーや。天神橋筋商店街にはようけ店がおまっせ」とか。道真が言うとったな……


「うーん……きょうびの若い子らの好みは難しいなぁ……東京をディスっとったらええんとちゃうんやなぁ……」


「お方様、なにを言うておられる?そろそろ敵が来ますぞ、早よう支度(したく)なされよ。」

 なんやねん法眼、アンタに言われんかて分かっとるちゅうねん。ほんま兵法にうるさい奴っちゃで。


「しゃーないなぁ……よっしゃ法眼、天津軍 (あまついくさ)八羅将を集めよ。只今より軍議を行う。」


 ◆


 うちが、ミックスとモダン焼きを追加で焼いてる間に、八羅将が集まって来た。


「うわぁ……モダン要らんわぁ~……女将さん、俺はネギ焼きやって言うてますやんか。モダンって河内(かわち)もんやし!」

 九郎うるさい。オマエみたいなんでも喰うんやからええやろ。


「お方様、お待たせいたしました……あ……お焼きは……ございませんか?いやちょっとソース味は……それがし信濃(しなの)の生まれなので……」

 源次郎!あんた九度山(くどやま)に長いことおったやん!なんでいつまでも信州の味付けなん!?


「おぅーまぁーえ~はぁ~アーホーかぁ~……あっ!『お前はアホか』に聞こえる!』って……お方はん!ホルモンミックスやおまへんか~さっすが、よう分かってまんな!ホルモンがほんまに美味いんは大和川の南側やからね!」

 あ?ああ、そうなん?ごめんな正成(まさしげ)、うちのホームって奈良県の桜井市周辺やから。千早赤阪村のこと分からへんねん。


「おっ……おお……お方様、文句をちゅうわけじゃごわはんが、毎回粉もんでは栄養が偏いもす……ちぇっとハイカラに鹿児島ラーメンでん……」

 吉之助ちゃん、あんたはそんなもんばっかり喰うとるさかい太るねんで?


「ぐははは!大阪焼きでは皆、腹がもたれ申そう!吾輩の牡蠣入りスペシャルお好み焼きを食さば、キャベツたっぷりでダイエットに最適でこざるぞ!」

 なんじゃ清盛!!ワレ、うちに喧嘩売っとんけ!?


「はぁ~……いやぁ~大変でござった……八幡宮の巫女殿や、商店街の娘御にいろいろと、おたべをどうぞとか、抹茶アイスをどうぞとか囲まれて……昨今の女人は積極的にござるな……あ、お方様……いささか失礼にござるが口が甘々になっておりまして、重いものはもう喰ませぬ……」

 護良(もりなが)……おまえうちの名代(みょうだい)ちゃうんか?……しかも女子にモテモテでお菓子もろた?こいつほんまに!


 ほんまにしゃーない奴らやなぁ……と思っていると、西洋風の軍服を着たイナセな男前、土方歳三と、今どき角髪みずらを結った古風すぎるおっちゃん、倭建命(やまとたけるのみこと)がやって来た。


「歳ちゃん!お義父(とう)はん!遅っそいわ!早う座りぃな!」

 うちがそう言うと、二人がテーブルに座る。


「女将さん、おれぁハイボールにして下さいよ。のどが渇いちまっていけねぇ。なんです?温暖化ってんですか?暑うござんすねぇ。」

 いや、うちはお好み焼き屋の女将とちゃうからな?

 オマエらの上司やからな?


「タラちゃ~ん、久しぶりや~ん……もーねぇー相変わらず可愛ぃてお父ちゃんうれしーわー……あっ、お嬢ちゃんありがとう。こない暑い日にビールと冷ややっこ最高やねぇ~」

 なんなん花奈ちゃん、こんなオッサンにサービスしたらんでええねん。みんなの前で可愛いとか言うな!威厳が()うなるやろ!


 ◆


「よっしゃー始めるでぇ~、まずこれが、アレ坊のAI?なんやうちはよう分からんけど、最新のテクノロジーが導き出した敵の作戦や!アンタらどない思う!?」


「タラちゃん、ちょっとよろし?」

 この緊張感ない言い方どない?せやけど、こんなんが後世になると建国のヒーローやからなぁ……


「はいお義父はん、なんや言うてみ?」


「これってアレやろ?アレ君のAIが、収集したデータに基づいて敵の作戦目標を分析し、ほんでその結果を動画にアウトプットしてるんやろ?」

 な!?古墳時代のロートルがいつのまにそんなハイカラ用語使いこなしとるねん!


「ま、まぁうちはそういう現代用語の基礎知識は分からんけど、あのカラクリ箱を作った本人に聞いてみよか?アレ君!みんなに言うたりや!」


 うちがそない言うと、アレクセイ君が出てくる。

 さっきよりはなんぼか落ち着いとるな。

 この子なぁ…電子戦のプロやのに、夏菜子ちゃんのことなったらすぐムキになるからなぁ…


「タケルさんの言う通りだべ…こさ、飽くまで敵の作戦であっで、こうなるっで確定的な未来でねぇ。こっぢの戦力と作戦さ入力しで、やっど戦況のシミュレーションさ出来るべ。」


 なんや、ほんなら楽勝やん。

 こっちゃ、八羅将の戦力のほとんどがおるんやで。


「まっでげれ。前みでぇなパワードスーツあっだら、物理空間に干渉できね天津軍の武士では攻撃できね。神兵召喚せねばなんね。」

 そっか〜それあったな…夏菜子ちゃんらと、神社の神職と、商店街の氏子のみんなと、駅員さんと…


「それでも楽勝やん、100人からおるし。そーゆー想定で訓練してきたし。」


「十全とは申せません。」

 突然、本殿の土間の扉を開けて入って来たんは…ゲッ、理沙ちゃんや。


 なんかこの子、また小難しいこと言うんちゃうやろな〜……うち、ちょっとこの子苦手やねん。

「気合があったら何でもできる!」とか言うたら、眼鏡をくいって上げて、「お方様、()を知り己を知れば百戦(あやう)からずとは諸将なら誰でもご存じのはず。軽々(けいけい)に仰いませぬよう……」って説教しよんねーん!


「みなさま、AIが生成した動画に目を奪われて詳細な情報をご確認なさっていませんが、敵の作戦はパワードスーツによる単純な力押しではありません。アレクセイさんもしっかりなさってください。ご自身が開発したシステムでしてよ?……これが敵の作戦に関するサマリーです。」


 理沙ちゃんがそう言って、A4のレポート用紙を配る。そこには……

「なんやて?不発弾処理にかこつけて、米軍に偽装したPMCが石清水八幡宮駅と商店街の一帯を封鎖、ほんで男山に上る車道を崩落させて通行止めにする?」


「女将さん、なんや、駅周辺で硫化水素ガスを大量に散布するて書いてまっせ。」

 九郎が言うところを読んでみると、下水から硫化水素ガスが発生したことにして、商店街のみんなを殺害するっちゅうようなことが書いとる。


「それで……なんと……突如、八幡宮境内でシアン化水素が散布され、境内にいた関係者が全員中毒死したことにする?偽装工作?環境残留性が少ない?……これは如何(いか)なる意味か……?」


 源次郎が言うと、理沙ちゃんは次のページをめくる。


「このようにありますね……これは単純な物理的排除ではなく、全国神仏習合ファウンデーションのレピュテーションを完全に貶める認知戦です。動画に出演した美紗さんや太子様たちが、権力や資金を巡る見苦しい内紛で死亡したように世論を誘導できれば、大衆は一気にファウンデーションを危険視するでしょう。星産みの儀の参加じたいを、世間が許さなくなりますからね……が!これは逆手に取れば好機!……姫様、夏菜子さん!どうぞ!」


 なんや?いきなり巫女さん姿の姫と夏菜子ちゃんが出てきたけど?


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


 今回は、初めて八幡姐さんがナレーションしてくれました!

 もーねー、姐さんほどのキャラ立ちした人がしゃべってくれへんとか、なんでやねんと思ってた人は多いんちゃうかって思います。

 

 まぁ夏菜子とおんなじガチャっとした関西弁なので、違いが分かりにくいですが、早い話、暑苦しいのです。そしてよりコテコテなのです。

 あ、因みに言うておきますが、筆者は広島のお好み焼きも、もんじゃ焼きも大好きです。でも八幡さんはこなもん=大阪原理主義なのでごめんなさい。

 

 さぁ、いよいよ出て来た天津軍最強の八羅将!って思ったらコイツらかい。

 タケルさん、なんぼ息子の嫁やからって公私混同すぎるわ。


 ほんでもって、敵の作戦。

 毒ガスですか?いやそれは禁じ手やろ。そらこんなんする団体おったら社会的に抹殺されるわ……

 しかし!「オレらの理沙っち」はそこで終わりまへんでぇ!「せいぜいええ宣伝にさしてもらいまっさ」

 どんな秘策や!?ほんで出て来た姫と夏菜子ちゃん!


 次回!アニオタ+歴女+軍事オタの理沙と、ウィザード級ハッカー、アレ君のコンビプレイが光りまっせ!

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