第321章 【別伝】ソフィア・シュテンの日記㉝ 願望成就す
エルゼレン伯爵夫妻、ガバロス親衛隊の連中、マーゴイ侯爵夫妻、マスティフ伯爵夫妻と『ファロスラウグ作戦』の打合せや訓練で親しくなった将軍たちにあいさつをして回った。
「ファロスラウグ作戦が実施されなくて本当に残念だったニャン!ライオニディオス近衛師団の連中をなだめるのは、本当に大へんだったニャン!」
「まあ、ファロスラウグ作戦が行われんで、こちらも死傷者が出なくてよかったと言えばよかったのだが、決死の覚悟で出撃しようと待機していたモルブーバルス装甲突進隊の隊員たちが荒れてな。鎮めるのに苦労しましたぞ。ワン!」
マーゴイ侯爵もマスティフ伯爵も口々に、作戦が実施されなかったのを残念がった。
ファロスラウグ作戦のおかげで、いっしょに猛訓練をして来た連中とは、とても親しくなり、それはそれでよかったが、みんな作戦が実施されなかったことを本当に残念がっていた。
しかし、戦いとはそんなものだ。状況が変われば、作戦も変更するし、戦況によっては中止もあり得る。
だが...
何か、ふっ切れない気持ちがする。
マーゴイ侯爵夫妻、マスティフ伯爵夫妻と少々話してから、ブリッツエルヴスのお歴々がいるテーブルに来た。
二つのテーブルがくっつけられ、そこに座っていたのは、アイフィ王妃、ミカエラ王妃、ヴァスマーヤ王妃、それにあのミタンの妖女姉妹、アンジェリーヌ王妃とジョスリーヌ王妃たちだった。
「あーら、ようやくアリシア総督の特別招待客のご登場ね!」
「ソフィアさんの突撃隊がファロスラウグ作戦に参加してくれることになったので、心強いですってアリシアちゃん言っていたものね!」
葡萄酒で顔を赤くしたミタンの妖女姉妹が、気になることとうれしいことを言う。
“私が特別招待客とは、どういうことだ?”
だが、アリシアが、突撃隊がファロスラウグ作戦に参加するのを心強く思っていたことを知って心がドキドキした。正直言ってうれしかった。
アンジェリーヌ王妃とジョスリーヌ王妃は、姉妹だからか、そろったストラップレスのミニドレスを着ていた。
こんもりと盛りあがった胸を強調するデザインのドレスで、女である私でさえ目のやりどころに困るように豊満な胸を半分ほど見せつけるドレスだ。
アンジェリーヌ王妃は31歳、ジョスリーヌ王妃は29歳だそうだが、完熟した女性の魅力たっぷりの女性たちだ。
「ソフィアさん、そんなファッションで魔王城や魔都の街を歩いたら、貴族や大金持ちの男どもからのプロポーズが殺到するわよ?」
脚を組んだミカエラ王妃が、片目でウインクして言った。
彼女のファッションはまるで新婦のウエディングドレスのように真っ白で、肩にも白いケープ、そして首には同色の薄いストールを巻いていてとても可憐だ。
ウエストから大きく膨らんだ短いスカートからは、白く長くて美しく脚が出ているが、短すぎるので下着が見えていた!
「ソフィアさん、ファロスラウグ作戦、ご苦労さまでした!」
マヒーシュヴァの異名を持つヴァスマーヤ王妃が、微笑んで労ってくれた。
「いえいえ。作戦が中止されたので、突撃隊は模擬作戦に参加しただけです」
「でも、アリシアさん、とても感謝していたわ」
ヴァスマーヤ王妃のファッションは、アイボリー色の刺繍入りコットンレースのストレートネックラインのショートフレアスカートで、シグネチャーリボンがアクセントになっている。彼女らしいベストな選択だと思う。
彼女には、本当にファロスラウグ作戦は実施されなかったのかを確認したかったが、せっかくみんなが夕食を楽しんでいる場で、みんなが実施されなかったと言っている作戦のことを話して雰囲気を壊したくなかった。
「まあ、いろいろあってアリシアちゃんも大へんだったけれど、これで一安心ね。アングルスト領もこれで安泰でしょうし、あとは魔王さまを継いでくれればね...」
ブリッツエルヴス部隊の総帥であるアイフィ王妃が、何だか気になることを言いかけたが最後まで言わなかった。
そういう彼女のファッションは大人しいロングドレスだったが、スパンコールがいっぱい付いていて、生地が薄いので何と下着が透けて見えていた!
そのあとでアガリ王妃やフローリナ副総督、ニカノラ、マノンたちのテーブルを回ってあいさつをし、少し話した。フローリナ副総督の表情や話し方を見る限り、とても私をお風呂(温泉?)の中に沈めて溺死させるような敵意を持っているようには感じられなかった。どうやらあれは私の空想みたいだった。
そして、ようやくマリコッチたちの座っているテーブルを見つけた。
「隊長、ここです!」
「隊長、ステキな服ですね!魔都のお店で買ったんですか?」
「隊長がそんな短いドレス着ているの初めて見ました!」
「そんなオメカシしていたから来るのに時間がかかったんですね」
「将来の夫候補でも見つける気ですかぁ?」
マリコッチたちが絶賛してくれる。
勇気をだして買っただけあった。
“将来の夫”を見つける気持ちなどないが、勇気をだして買った、このヒザがすごくスース―するけどとても可愛いミニドレスで、アリシアの気を引きたかった。
ヤキトリ
「総督は見たか?」
「アリシア総督は、先ほどここに来られて、“遠慮しないで、どんどん食べて飲んでね!”って言って、向こうへ行きました!」
「ソフィアさんは、まだ?って聞いていましたよ。モグモグ...」
葡萄酒で赤い顔をしたニーナとヤキトリを食べながらソレヌが答えた。
「何、私のことを聞いていた?」
「はい。モグモグ...」
イスに座り、マリコッチに勧められるままに白の発泡酒を少し飲んだが―
私のことを聞いたというアリシアにことが時になった。
発泡酒は桃や白ブドウの香りがし、口当たりも優しい。
あのトラットリアで飲んだのと同じレベッガル産のものだが、爽快感があり、甘口なので飲みやすい。
私は、先ほどからしゃべり過ぎて少々喉が渇いていたので、ゴクリゴクリと飲みながら、アリシアの姿が見えないかと周囲を見渡した。
しかし彼女の姿は見えなかった。本当に、どこにいるのだろう?
喉から胃に流れた甘い発泡酒が、胃から吸収され、体内をめぐり始めると心地よくなり、気分が軽くなった。
テーブルの上には、発泡酒や葡萄酒の瓶が数本置いてあり、例のガルの肉やネギ、皮、手羽先、心臓などに細い串を刺し、炭火で焼き、“タレ”と呼ぶ特殊なソースをつけたヤキトリがお皿に盛られていて、ほかにもアリュウスにガルの細切れ肉やニンジン、キノコなどと炊いたゴハン、キュウリのサラダなどがある。
ヤキトリも魔王が考え出した料理で、魔都にはすでにかなりの数のヤキトリ店があり、ヤキトリはアリシアの好物なので、彼女の行くところ、いるところには必ずヤキトリがある。
アリシアが総督として就任したアングルスト国では、トロール太守たちとの友好を深めるためにヤキトリが大いに役立ったとも聞いている。
私はかなり空腹を感じていたので、発泡酒を飲みながら、ヤキトリを次々と食べた。
発泡酒はなくなったので、口当たりが軽い赤葡萄酒を飲みはじめる。爽やかな香りと柑橘類の果物のような甘い味が、甘じょっぱいヤキトリのタレと合い、いくらでも飲める。
ヤキトリも葡萄酒もなくなり、ニーナとソレヌが取りに行って、新たに2本の葡萄酒とお皿に山盛りのヤキトリを持って来た。
アリシアがやって来た時、めずらしいことに私は酔っていた。
いや、私だけではなく、マリコッチもニーナもソレヌもかなり酔っていた。
「焼き鳥は本当に美味しいですね、総督!」
私はようやくアリシアの顔を見れたのがうれしくて、彼女が大好きだというヤキトリを褒めた。
テーブルの上には30本を越える串があるのを見て恥ずかしくなった。
それは、私たち四人がこれまでに食べたヤキトリの数だった。そしてこれもすっかり空になった四本の葡萄酒の瓶があった!
「それはよかったわ!」
アリシアはすりすりと寄って来た。
“な、なんだ、この馴れ馴れしい態度は?”
彼女は、座っている私に触れんばかりに寄って来た。
心臓がバクバクし、口から飛び出そうだった。
アリシアは、近くのテーブルで空いてあったイスを持って来た。マリコッチがイスをソレヌの方に寄せて場所を作ってやる。
「ヴォンゴロール城では、近頃食べてないから、久しぶりのヤキトリはおいしいです!」
「ホント。このモモ肉、肉汁がじわって口の中に広がってたまらないわ!」
「私は、ネギマが大好き。モモ肉のちょっと脂っこさと長ネギの甘味が混ざるのがいいわ。ネギを噛んだ時にジュワッと汁が出て、それがサイコーなのよね」
マリコッチたちもお世辞を言っている。
「あ、葡萄酒が、なくなった。2、3本とって来ます」
「じゃあ、私もヤキトリを20本ほど仕入れてくるわ!」
「私はオシッコ!」
マリコッチとニーナ隊員、ソレヌ 隊員の3人が立ち上がった。
なんだか、私とに気を使って席を外したみたいだ。
アリシアと少し話をしていると急に頭が痛くなった。
「私...頭が痛くなった...」
くらくらと眩暈がしてテーブルに突っ伏してしまった。
「カモミラ茶を飲んだらよくなるわ。家の中に入りましょう。メイドにカモミラ茶を淹れさせるわ」
「しゅみません総督。お手数をかけて... わたしぃ あまりお酒 飲みなれてないんだけどぉ...みんなにぃ 勧められてぇ」
酔いのせいで、うまくしゃべれなくなっていた。
「いいのよ、いいのよ。どうせここで泊るんだし」
イスから立ち上がったが、ふらついて転倒しそうになった。
「あぶないっ!」
アリシアが咄嗟に私の腕をつかんでくれたおかげで転ばずにすんだ。
「私が支えてあげるわ、ソフィアさん」
アリシアは、イスに座りこんだ私の腕をつかむと彼女の首の後ろに回し、
「よいしょ!」
と掛け声をかけて私を立ち上がらせた。
彼女が思ったよりも力強いので驚いた。
だが、酔いのせいでうまく考えられないまま、アリシアに支えられて玄関に向かった。
途中で葡萄酒の瓶を数本抱えたマリコッチと会ったが―
「ソフィアさん、酔って気分が悪いらしいから家の中に連れて行って少し休ませるわ」と言うのが聞こえた。
私を抱えたまま屋敷の中に入り、二階へ続く階段の前に来ると、アリシアは左腕を私のヒザの裏側に当て、何と私を抱き上げた!
「あ... そうとぉく きょうしゅうくです 降ろしぃて くだしゃい...」
呂律がまったく回らなくなっていた。
アリシアはしっかりした足取りで、階段をゆっくりと一段、一段上がった。
私のドレスは裾がすごく短いので私のを抱えているアリシアの左手は、私のヒザをじかに抱えていた。
右足、左足、右足、左足とアリシアが片足ずつ足を上げ階段を上がるにつれ、私の膝を支えていたアリシアの手は奥にずれ、太ももの付け根部分を抱える形になった。
そして―
いつかアリシアの指先は、私の下着のへりまで接近していた。
だが、酔っぱらっていた私は、蜜月旅行で初夜を迎える新郎が新婦を抱えるかのように、アリシアに抱かれているのに心が舞い上がっていた。
そして私の腿の付け根を抱えていたアリシアは、中指を伸ばして下着の上から私の恥ずかしいところに触った。
ビクン!
体が勝手にふるえた。
彼女の指先は、下着の上から感じるところを撫で、指先で強弱をつけて押しはじめた。
「はぁ はぁ はぁ...」
私の呼吸が早くなった。
それまで私の脚を支えていたアリシアの手は、私の恥ずかしいところを触り始めたため支える力が弱くなり、私は落ちそうになった。
落ちないように私は懸命にアリシアの首に両手でしがみついた。
「恥ずかしい...」
小さな声でアリシアの耳もとにつぶやいた。
アリシアは、私に口づけをした。
二階に上がったアリシアは、私の部屋の方には行かず廊下を右に向かった。
廊下の突き当りのドアを開け、中に入ってドアを閉めた。
そのまま奥の寝室に入り、大きなベッドの上に私を寝かせた。
「カモミラ茶は酔いに効くの。さあ、飲んで」
メイドに持って来させた、酔いに効くというお茶を勧めてくれた。
リンゴのような甘く爽やかな香りと、すっきりとした味わいが口の中に広がる。
アリシアもカモミラ茶を自分のティーカップに注い飲み始めた。
ティーカップ一杯のカモミラ茶を飲み終えると酔いがいく分か覚めた気がした。
ティーカップをトレーにもどすと、アリシアは飲み終わった自分のティーカップといっしょにサイドテーブルに置いた。
それから立ち上がるとタキシード風のジャケットを脱ぎ捨て、私の上に被さるようにして両頬にてをあてると熱烈な口づけをして来た。
「ソフィア、男の経験は何人?」
突然の質問に驚いた。
「え?... 男と付き合ったことなんかありません!」
思わず強い口調で返事をした。
「じゃあ未経験ってこと?」
コクリ
顔が赤くなったのがわかった。
「ソフィアは可愛いわね!ちゅぅ――う」
アリシアはさらに熱い口づけをしながら、私の胸をドレス越しに揉んだ。
しばらく口づけと胸を揉んだあとで、アリシアは私のミニドレスをまくり上げた。
と思うと手際よく私の下着を一気に脱がした。
「!っ」
私は、アリシアの早さにびっくりした。
そして、アソコを見られていると思うと恥ずかしさで体中が熱くなった気がした。
私は、いつかアリシアと愛しあえる日のために、下のケをハート形に整えていたのだ。
「えっ、手入れしているの?」
当然のようにアリシアは驚いた。
「アリシアに、いつ抱かれてもいいように毎週手入れしているの... 私は、アリシアが好き!」
勇気を出して(酒の力も借りて)、アリシアに告げた。
「ソフィア... あなた、いつから私にそんな感情を?」
「アリシアのことずっと好きだった。今日なれない葡萄酒をたくさん飲んだのも、アリシアにかまってもらうため... 愛して!私をたくさん愛して!」
「わかったわ。たっぷり愛してあげる!」
そう言うと、アリシアは私のソフィアのミニドレスを脱がし、彼女も服を脱いで裸になった。
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そして、私はアリシアの恋人になった。




