表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
48/50

第48話 アユちゃんは見た その4

思い付きで話が拡大。

ちょっと重いテーマなので、多分筆が鈍ります。

この際、出来てる所まで毎日投稿します。

まあ3話だけですが。




「ここで仕事しても良いですか?」

「良いよ」

「なら私も」

 ノートPCが対面します。

 さすがにシェフさんは引き上げました。

 おばちゃんは何やらごそごそと台所です。

 まずはメールチェック。

 アユちゃんの方は大抵のやり取りはスマホなので大した物は来てません。

 のあちゃんは食事前まで随時チェックしてたのでその後の分ですね。

「ああ、そうなったか。明日は忙しいって話だけど、どうすんでしょ」

 アユちゃんは主におばちゃんと温泉でのやり取りを文字起こし。適度に会話感を残した物を作ります。中々の記憶力で、音源チェックでもあまり書き足す事はありません。二、三加筆と言った所。それを基に箇条書きでまとめを作ります。病気を調べたり、ここの実験治療から予想される変化。それを英語にして送ったらひとまず終了ですね。

 のあちゃんは今日の分の報告の仕上げです。研究者が送ってくれた食後の検査結果をまとめて、今は追加の協力者を探している人医の技官に送信です。専門は防疫ですから、特に意見も付けず送ってます。それから山崎室長に、卵の味が変わった事を報告します。彼は頭が良いので下手に意見は付けません。どの道、畜養してるので、栄養価は定期的に計ります。今日の所はそんな物ですね。

 当然、のあちゃんの方が早く終わりました。

 葡萄をパクパクペッてします。安定のお味です。

 母に預けた子供達をPC越しに眺めます。大人しく宿題をやってるようですね。笑顔がこぼれますよね。

 アユちゃんが仕上げに入った頃、のあちゃんのスマホにメッセージです。プライベートのスマホもダンジョンスマホとくっ付いたので、ダブルナンバーのスマホです。

 この登録音は玲子様。

『キッチンカー今日持って行きますね。牽引免許持ちが父の側衛官しかいないので、無理を言って父に付いて来てもらいます。当然母も一緒です。10時半にはならないと思います。』

 ガタッと立ち上がったのあちゃん、頭を搔きます。

 父って天皇陛下です。

 母って皇后様です。

 飛んでもないじゃすまない人です。

 どうしてそうなった!

 のあちゃん頭を搔き毟りたくなりましたが、我慢です。アユちゃんがいます。これ以上の動揺は見せられません。

『そこはレンタカー屋に無理言って、ダンジョンの6階に届けさせる。君は一旦こちらに来て自衛隊を動員。そっちのダンジョンに行って受け取れば良かったんじゃないかな。』

 返信です。

 確かにそうですが、裏の話として、庭田家の話は皇宮警察中で共有されているので、玲子様が山ん中組合のダンジョンに行く分には無理が効きます。今の所、知らないのは玲子様だけです。

 で、今、陛下付きの当直だった側衛官がレンタカー屋さん、物が物なので、整備配備基地のある長野県まで走ってます。レンタカー屋さんには無理言って、残業してもらいました。DKKK経由でですよ。官庁のゴリ押しです。

『そう言う無理の利かせ方があるんですね。でももう苅田さん走ってるし』

 玲子様から返信です。

 変更は利かないようです。官僚機構は動き出したら止まりませんし曲がりません。まあ、分かっていた事ですが。小さな抵抗です。

 了承のメッセージを送ります。

『ついでに親子で温泉につかって行きますね(´▽`)ノ♨のあちゃんも一緒につかろうって母が言ってます』

 お気楽な事を言ってくれます。まあ、ご指名とあらば否やはありません。

『承知奉りましたm(_ _)m』

 やっぱり動揺が見えますね。ここで奉るは誤用です。

「トラブルですか?」

 アユちゃんJBに報告しました。

「残業が決定しました。待ってるだけなのに、一杯引っ掛けるわけにも行きません」

「それは残念ですね」

『人払いは無用と父が』

 まあ、そうだろね。了承と送ります。

「アユちゃんは終わったの?」

「終わりました」

 アユちゃん葡萄をパクパクいきます。さすが高級品種、甘いです。疲れた頭に効きます。

「そうだ、のあさん、シャモって固くて食べれないって事何ですか?」

「シャモを圧力鍋で調理すれば柔らかいそうです。カボチャの煮物のお肉、鶏だったでしょ。下界とダンジョンの中での調理結果は知りません。近く実験出来るのでそれ待ちです」

「なるほど。それで、シャモは何シャモ何ですか?」

「ううん、失われた大和かしわみたいなんだけど、DNAデータ持ってた奈良県畜産技術センターが、何やったんだかダンジョンに飲まれました!」

「ええ?」

「職員も含め、センターが更地になったので、何をやったかも含め、分かりません!」

 のあちゃんガタッと立ち上がります。

「ええ!?」

 アユちゃんもガタッと立ち上がりました。

「なお、現在までに、官庁が何をやったんだかダンジョンに飲まれた例は、この1例のみとなっております!」

「ええ!!」

 ガラガラと扉が開いておばちゃんが顔を出します。

「うるさいよ、アユちゃん。のあちゃんも、どうせ驚くように話を持ってったんだろう」

 おばちゃんの目がギラーンと光ります。そうして二人を睨め付けます。

「「ごめんなさい」」

 叱られてしまいました。

 入り込んだおばちゃんはお茶を入れます。もちろん3つですよ。

「それで何の話だい?」

「シャモの話をしていたのですが、官庁の出先機関が丸々ダンジョンに飲まれたと聞きまして、はい」

 アユちゃん以外と揉み手が似合います。でと、のあちゃんに話を促すおばちゃん。おばちゃんはお母さんの上位互換ですね。

「いやまあ、その通りですね。ただ、アユちゃん業界乗りが出来る人なので。驚きの三段活用をやってしまいました」

「やっぱりアンタの仕業かい」

 まあ、始めから分かっちゃあいたんだ、と、ばかりに睨め付けます。

「ちょっと動揺していたので、悪戯心が止まりませんでした」

 悪びれる事なく率直です。どうせすぐばれるので。

「何にそんなに動揺したんだい?」

 お茶が3つ出て来ました。おばちゃんお茶をグビリ、ちゃんと飲み込みました。

「親御さんも来られるそうです」

「…マジかい!」

 二人ではっとしてアユちゃんを見ます。「ダンジョン誕生初期に、玲子様がダンジョンのマスターキー持っているって盛り上がっていたのを思い出しました」

「じゃあそう言う事よ」

「展開が早い訳です」

「まあ、それとなくフレは出しとくよ。勤務外の自衛隊とか割りとヤバいからね」

「そうですね、お願いします。私がやるよりも角が立ちませんし」

 おばちゃんは足早に民宿を後にします。

「それでどうするのアユちゃん、書いちゃう?」

「玲子様以外で再現性が無いなら、余り意味が無いかもしれませんね。まあ、報告はしますけど、JB受けのトピックじゃないですよ。あるとしたら、外交案件に使われた時ですね」

「ほほう、良い目してるね。まあ、私の管轄じゃないから答えられないけど」

「それは既にあったと言う事ですよね?」

「いいえ。ノーコメントです。それ以上でも以下でもありませんー」

「先ほどのやり取り、玲子様と仲が良いと見ました。その辺はどう何です?」

「玲子様が組合と仲が良くなってね、たまにワガママ言うから叱ったんだよ。そしたら懐かれた。玲子様、猫被って無いと普通のお嬢さんだからね」

「ワガママってどんなです?」

「温泉。温泉の脱衣場早く作って、てっね、可愛くお強請りしてた」

「温泉」

「そう。温泉」

「それで温泉と飛んでもない人がセット何ですね」

「そうよ。実際、前倒しで作ったしね。まあ、玲子様も脱衣場の鍵付棚にはダンジョンポイント、一部工面してたけど」

「ダンジョンスマホってそんな物も売ってるんですか!」

「ダンジョンによってラインナップは全く違ってるのよ。僻地とか辺境とか秘境ダンジョンのラインナップは凄いわよ。どこの総合商社か!って感じ」

「ここで僻地ですよね。辺境とか秘境ってどんなですか?」

「日本だと、対馬が辺境で、トカラ列島が秘境ね。ンゴロンゴロだと、レンジャー基地が僻地でマサイの村が秘境だって」

「何でンゴロンゴロ何です?」

「組合長の知り合いの生物学者が、ンゴロンゴロで海外青年協力隊に偽装してた。まあ仕事はしてるみたいだけど」

「えっ?」

「分かんないか。まっ分かんないよねー。二人分くらい寄付してから、指定的に応募してた」

「それは賄賂ではないのですか?」

「賄賂にはならないと思うわ。まあ、忖度されないとは思わないけど」

「それを賄賂と言うのではないですか?」

「名前付で寄付して、それから応募しただけです。ついでに、コロナ禍で延長したら、また、二人分くらい寄付してますね」

「えー。凄いお金持ち」

「暗号資産らしいわよ。聞いた開始時期と最終売却時期で計算すると、マイニングだけで億にはなるわね」

「億…」

「金銭感覚狂って身持ち崩さないと良いけど」

 まあ、ヒナタさんは研究以外には金掛けてませんがね。いつぞやは、全身一万円以下のコーデで女子会に参加してますよ。一番高かったのは靴だったと言うのは内緒です。まあ、さすがに夏ですが。

「アー、でもそれ、どこに得があるんですか?」

「人脈でしょうね。拠点一つ構えるのもグローバルサウスでは大変よぉ。さあそろそろ食堂が居酒屋になる時間ね」

「もうそんな時間ですか」

 パソコン片づけてカメラの準備です。映像確認が出来ませんでしたが、そもそも大した物は撮ってません。名刺と顔写真の登録がまだですね。

「行くの?」

「行きます」

「よね~」

「…そう言えば、部屋を案内してもらっていません」

「何してんのおばちゃん。まあ、間違いなく二階の私の向かいの8号室。ドアが開いてたら準備完了の標よ。鍵はベットに置いたるはず」

「良く分かりますね?」

「個室はそれしか空いてないのよ」

「ああ。じゃあ確認して来ます。しかし、鍵の管理が緩いですね」

「まあ、村全員顔見知りよ。しかも、通過車両は無い。緩くもなるわ。全部の鍵閉めるのここ位よ。ここもまあ、今は24時間開けてもらってるけど」

「やはり呼び出しとかありますか?」

「先生達は一度だけね。環境変化で体調を崩してしまったようね。後は、搬入とか玲子様次第だから、夜遅くとか多いしね」

「そう言えば、どうやって玲子様動員したんですか?」

「DKKK、ダンジョン緊急開発計画室ね。ダンジョンが出来て週明け早々に総理肝煎りで発足したの。実務系の官僚を搔き集めて。実務やってるから当然引き継ぎが必要で、室長と室長補佐だけは引き継ぎもぶっ飛ばして着任ね。机も電話もパソコンも届いてない状態の所に、ここの組合長から電話があったの、室長のダンジョンスマホに」

「早いですね。何て早さですか」

「そう早いのよ。しかも、もう滞在実験始めてるって言うのよ。他にも特許案件も売るってね。おかげで引き継ぎ完了しだい合流よ。で、取りあえず直に見たいって出張。そしたら、玲子様がキャッキャウフフと葡萄狩り。面識のある山崎室長がいたのが運の尽き」

「取っ捕まったと」

「さすがにそんな事はないわよぉ。でも報告が上まで上がって、鬼畜室長補佐がここの計画を立てて動員したのよ。おかげで予算は拡大したけどね」

「鬼畜?」

「ここの予算に玲子様の動員料は入ってないの」

「えっ、ロハです!? 代替の利かない特殊技能ですよね?」

「そうよ。でも、皇族の生活は全て税金で賄ってるから必要ないって。確かに、公務に出たからってお給料に反映したりしないのよね。給料じゃないけど」

「それはそうですけど、ブラック企業と何が違うのでしょうか」

「そう思うよね。組合長が怒っちゃって大変だった。それで玲子様が益々懐いちゃってね。頭痛いわぁ」

 その辺、実はOKだったりしますが、のあちゃんは知りません。

「まあ、余り長話してても仕方ないわ。アユちゃん、荷物持っといで」

 のあちゃん案内する事にしました。色々根回ししてもらってますからね、当然のフォローです。

 ノートPCの鞄とか持って案内されます。大きな民家を改装した民宿はキレイで、何となく北欧風?と言った感じ、調度品も整ってます。

「その奥がお風呂。何人かで入れるお風呂と、独立したシャワールームがあります」

「民宿にしてはキレイですね」

 アユちゃんの基準は釣り船民宿です。安いけど古い所が多いです。

「身障者の親子さんが見に来るのに、ちゃんとした宿が必要なのよ。そう言うビジネスモデルだからね」

「はぁ、徹底してますね。障害者ではなく保護者を巻き込む。もしかしたら、お給料、本当に普通に払ってそうですね」

「払ってるわよ。私が気に食わないのは、技術を持つ親子さんを安月給で扱き使うからよ。さっきのシェフさんだってね、星持ちレストランを経営してたっておかしくないの」

「美味しかったですけどそれほどですか」

「そうなのよ。まあ、そう言う人は社員にして、議決権を与えてるけどね」

「えっと、合同会社でしたか、株持っているのが社員でしたっけ?」

「ちょっと乱暴だけどその通りね。持株一票じゃなくて、一人一票ね。はい、ここが8号室ね。うん、ちゃんとお花も飾ってあるわね」

「3帖間って話でしたけど広いですね」

「本間よ本間。いや、古いからもっと広いかもね」

「鍵ありました」

「それじゃあもう大丈夫ね。私も待機に入らないと」

「ありがとうございました」

「どういたしまして。また明日、それとも覗きに来る?」

「どうでしょう。釣果が少なかったたら行くかもしれません」

「行く気満々の顔してるわよ」

「それは失礼。でもゴシップネタはロイター向きでは無いですよ」

「ホント頼むわよ。じゃあね」

 パタパタと行ってしまいました。行動も高校生のようです。そのネタは地雷ですが。

 棒付きカメラは片付けて、新たなボディーカメラを準備します。それとタコ足にして機材の充電です。それからのあちゃんの名刺に裏書きします。食いしん坊追加です。完璧でしょう。

「さあ居酒屋」

民宿は、個室8の他に、八帖間1、6帖間2です。

宿長のおばちゃんですが、民宿家のオーナーさんではありません。この人、と選んで当ててます。

のあちゃんは四児の母、双子双子、男女女女です。

夫の父母と同居です。お婆ちゃんは料理上手で、のあちゃん以上に懐いています。

書いてたら、文芸作品が浮かびましたが、多分書き散らしです。文芸物は完成させた事がないので。

後、当然、陛下の誘導の元、来郷が決まりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ