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第45話 アユちゃんは見たその1

だいぶ苦戦中、見切り発車です。

大幅改稿もありえます。

多分、そんな事無いと思いますが。




「やっと着いたぁ」

 ようやく、ようやく山ん中組合のダンジョンが見えて来ました。

 ここまで遠かった。

 朝、9時過ぎの新幹線で長野まで。乗り換えてレンタカーのある最寄りの駅まで。そこからは、山へ山へと分け入りました。

 移動だけで一日掛かりです。

「アドバイスを受け入れてホントに良かったわぁ」

 乗り慣れた低床SUVを予約していたのですが、山ん中組合に行くと話したら、絶対軽が良いと進められ、それならと予約を取り消して軽4にしました。

 道は所々広いですが、そこはたいてい災害復旧した地域。後は、慣れた軽同士なら普通にすれ違える、普通車同士なら一旦停車して慎重に行かないといけない道が延々とでした。待避が必要な道はそう長くはありませんでしたが、ぐねぐねしてたので疲れました。

「こんな山奥にこんな開けた土地があるとは思わなかった」

 組合の駐車場の止めて、今日は組合の農家民宿に泊まります。

 車を降りてうーんと体を伸ばしていると、おばちゃん達がダンジョンから出て来ました。車から挨拶されたので返して、少し話していたら名前を確認されて、組合のおばちゃん達だと判明しました。

「4階まで降りてデザートの果物選んで来ィね」

「民宿にもお風呂はあるけんど5階には温泉があるんよ」

「まだ脱衣所があるだけだから水着か湯浴み着になるよ」

「もちろん、貸し出しがあるよ」

「たまに飛んでもない人がいるから驚いちゃダメだよ」

「泉質は単純炭酸泉だから安心しな」

「食事は6時半からだけど、今ならそこの食堂に変更も出来るよ」

 怒濤です。

 食堂で聞き取りも良いですが、このおばちゃん達も色々知ってそうです。

 民宿でいただくと答えて温泉に浸かってくると伝えます。

「そうかい、それじゃあ待ってるよアユちゃん」

 おお、今回の主人公紹介がまだでした。

 生駒歩花、元釣りタレントです。今はロイター所属の記者JBこと、ジェームズ・ブラウンの使いパシりで取材調査活動をしています。JBはまだしばらく日本にいろと言われ、たまたま知り合ったアユちゃんにサポートの依頼をしました。アメリカ英語ながらベラベラ、仕込まなくてもリポート位はやりますし、社会派が伊達でないのは自身で確認した所。何にせよ、二人体制はキツすぎますからね。

 今回は、中級ダンジョンとされる山ん中組合のダンジョンの広報が止まっているので探ってこい、と言うオーダーです。「なんか匂うんだよ」だそうです。

「はい、魔石。ホームページにあったように、一つはサービスだよ」

「果樹園はメンドーでも少し奥まで行きィね」

「手前は普通だかんね」

「4階の駐車場にカゴとハサミが置いてあるよ」

「垣根の葡萄はワイン用だよ」

 やっぱり怒濤です。

 軽4に魔石を仕込んで、カメラ三台オンにして、出発です。

「行ってきまーす」

「「「「「ホイ行っといでー」」」」」



 1階は農地です。現在、鋭意収穫中です。

「こんにちはー! 精が出ますねー!」

「おうよ! 春の作付けに間に合うから気張らんと!」

「そうですか! 頑張ってください!」

「おう! 美人さんに応援してもらったからな、後一踏ん張りだ!」

「「「「「おう!」」」」」

「「「「「まったく男どもときたら!」」」」」

 やべーとばかりに撤退です。

「皆さん頑張ってください!」

 女性陣の多い方に向けてエールを送って車を進めます。


 2階はヨーロッパ・アルプスの湖畔を思わせる景勝地です。湖畔で牛が草食んでます。

 何だか自衛隊のテントがいっぱい建ってますよ。大型のクローズド・テントが4張りに、オープン・テントが一張り。他、小さなテントがいくつもありますね。

 車両はトラックばかりですね。レンタカーらしきトラックもあります。

 まだ勤務時間のはずですが、人影はまばら。オープンテントの一角に四人見えるだけですね。

 当然、声は掛けないと。

「こんにちはー! こんな所に出張ですか!?」

「おう! 長期滞在試験だ! 嬢ちゃんは!?」

「記者見習いみたいな者です! 中級ダンジョンを探りに来ました!」

「記者さんか…注意点を伝えてこよう」

 一人立ち上がって寄ってきます。

 アユちゃんも車を降りようとしますが、そのままそのままとのジェスチャーです。それならとシートベルトを外した所で止まります。

 アユちゃんが見上げない程度に近づいて敬礼です。

「習志野駐屯地所属、栗林三佐であります」

「これはご丁寧に、ロイター所属ジェームズ・ブラウンのアシスタント、生駒歩花です。ご苦労様です」

 名刺ありますかと名刺交換です。腰の低い自衛隊さんですね。

「小官らが長期滞在試験を行っているのはついでの任務であります。ここの5階で医療試験を行うのがメインであり、ここにいる隊員は、設営に来たのが本来任務であります」

「なるほど、医療試験ですか。でもわざわざここですか? 遠すぎません?」

「行って見れば分かる。ここの5階は景勝地の特別仕様だ。長期滞在しても飽きない」

 いきなり砕けました。

「ぜんぜん弱いです。やっぱり遠すぎです。医療機器の持ち込みとか考えたら理由になりません。あんな道で精密機械を輸送なんて論外です。却下です。だいたいそのトラック、私が走って来た道は走れませんよ? カメになりますよ」

「アハハ、うんその通りですな。当然裏があります。それを探るのが生駒さんの仕事ですなあ。運がよければ会えるでしょう。でも、あくまで善意でご協力いただいています。騒ぎ立てるような事はしないでいただきたい」

「裏があるって言っちゃうんですか。しかも運ですか」

「搬入は全て完了していますからね、試験患者の追加とか、気まぐれとかですから運ですな。では貴女にツキがあることを!」

 敬礼して去って行きます。

「あら、ありがとうございます。皆さんも任務頑張ってください!」

 手を上げて答えてくれました。

 スマホで写真を撮りましたが、止められませんね。

 さて、低速運転ですがちゃんとシートベルトをして発進です。シートベルトしてないと体がブレるのがイヤですね。


 3階は鳥取砂丘、馬の背の向こうにも松林の向こうにも別な景勝地が広がっているそうですが、ここは無視です。この車なら無理無く馬の背も越えられますが、無視です。

 看板で案内のあるガソリンスタンドにも用はありません。レンタカー屋さんに頼んで20リッターの携行缶を積んでもらってます。充分レンタカー屋さんまで届きます。当然、指定のガソリンスタンドにも届きます。


 と言う訳で4階です。

 果樹園が広がってますね。どうも、一部引っこ抜いて駐車場を作ったみたいですよ。

 そして、その駐車場には東〇電力の車があります。

 はいダウトー。

 ここは中部〇力管内です。

 それを確認しつつ隣に車を止めます。無理すればもう一台軽なら間に入りそうですが、隣です。

 ハサミとカゴ取ってさあどうしよう。見る感じ、温帯圏の北側から亜寒帯の果物みたいです。ここは標高1600メートル越えですから寒帯圏の物もあっても良いかもしれませんが、寒帯圏の果物はほとんどありません。

「うーんと、葡萄とか良いかも」

 棚に仕立てられた葡萄の木の下を歩きます。結構下草が生えてます。踏分けられた獣道を進みます。まあ、膝丈ですが。

「これってルビ〇ロマ〇?」

 始めは安売りスーパーのレベルです。しばらく歩くと贈答用の箱入りレベルになりました。

「この差って何なのかな?」

 疑問を口にする事で頭をクリアにしていきます。

 一房取って引き返します。

 車に着きましたが、東〇の人は見当たりません。

「残念」

 まあ、5階で会えるでしょうと前向きで


 はい、5階です。

「ふぁ? 何ここ」

 ううん、何と言うか景勝地の寄せ集めですね。世界レベルの景勝地をそこかしこから持って来た感じです。でも季節感はゼロを通り越してマイナスです。満開の桜並木と真っ赤な紅葉が並んでます。

「景勝地の特別仕様ですか、なるほどぉ」

 看板を見て温泉を目指します。

 もみじの林の向こうにあるようです。

 砕石敷いた道を進むとテント群が見えて来ました。

 大型の窓付クローズド・テントが多いですね。グランピング・テントもかなりの数建ってます。

 ラベンダー畑の一部を潰したようですね。奥ではまだ造成工事を自衛隊がやってます。

 駐車場に止めると、プレスの腕章と、棒付ハンドカメラ、ボディカメラを準備します。何かお堅い背広組が見えるので、ここはちゃんとします。名刺入れも取り易くしておきます。やっぱプレスベストって便利だ。

「記者さんかい?」

「そうです。ここはずいぶん賑やかですね」

「自衛隊が患者さん連れて来ちゃったからね。誰が暗躍したのやら」

「ここの人ですか?」

「ここの組合の人間だよ。ランドリーの手伝いさ」

「ランドリーって、水道があるんですか!」

「何かね、みんなで水だ水、ただの水だって言いながら掘ったら出たから、自衛隊が持って来た給水タンクに溜めてるよ。検査にも出したけど、もう、始めから大丈夫って使ってる」

「ここからは見えませんね」

「もみじ林の影に隠してる。電源車もね。患者さんにゴーゴーうるさいからね」

「なるほど。いつからですか?」

「金曜だよ」

 一斉にダンジョンが出来て7日目の8日ですね。ちなみに今日は13日の水曜です。

「それじゃ土日無視です?」

「無視だね。その日の夜から搬入が始まったよ。せわしないこった」

「それは凄い早さですね。その日の内ですか」

「ホントだよ。政府肝いりとか言ってたけど、総理あのメガネ何考えてんだろ」

「頑張って探って見ます」

「まあ、組合としては御の字だよ。初期投資は回収出来る、ここの食事は全部引き受けたからね。アタシも準備に行く所だよ。まあ、ご飯だけは自衛隊さんが炊いてくれるけど」

「すいません、引き止めてしまいましたか?」

「いやいや、アタシの気晴らしさ。お堅いのが多くて肩がコルよ」

「あ~、霞ヶ関の官僚さんですか」

「ダンジョン開発とか何だか言ってたけど、始めは、ここのちょっとした病人怪我人をキャンプさせて体調報告してたんだ。それが何だかこうなった。あと、堅いのは自衛隊さね。官僚ってあんなにゆるいのかねぇ」

「はあ」

 制服とかタオルとかシーツとか、たたみ直されると堪えます。

「まあ、温泉に洗い場作ってくれるって言うし、うれしいんだけどねぇ」

「良いですねぇ。病人怪我人がキャンプしたのは?」

「上に果樹園があるだろう。それで、ワイン作るかどうか醸造家お酢屋さんが見に来る事になって、その前に牛糞堆肥入れろって言われてね。そしたら堆肥が発酵してないって大騒ぎ。じゃあ腸内細菌はどう何だってさ。ふう」

「それでキャンプですか」

「そうさ。組合長が情報売る気満々でさ。まあ、借金無くなったけど」

「やり手の組合長さんですね」

「そうさねぇ、やり手だねぇ。組合作ったのもよし坊だし。でも、最近は動きが早すぎて、アタシャついて行けないよぉ。ああ、肩コル」

 おばちゃんお疲れです。

「さあもう行かなきゃ」

「ありがとうございました。お仕事頑張ってください」

「はぁい」

 どうも精神系の身障者を引率して若い女性が出て来ました。ワゴン車に乗ります。運転はおばちゃんです。

「じゃあねぇ」

 手を振って応えると、おばちゃん以外が手を振ってくれました。若い女性は振り難いのに左手で振ってくれました。

「右手は義手かな」

 組合のホームページには、身障者が働き易い職場、と理念が書いてありました。そうかもしれませんね。

「まあ、温泉行ってみようか。今なら患者さんの時間かな」

 いくらも行かずに人が出て来ました。オープン・テントの事務スペースみたいな所からです。

「こんにちは」

「こんにちは」

 小っちゃいお堅いスーツのお嬢ちゃん?

「こんな辺鄙に所に記者さんがいらっしゃるとは。目算が狂ったねえ」

 いえ、若作りのようですね。

「やっぱり隠してましたか?」

「隠してる訳ではないのですよ。見つからないと良いな、と希望的観測していただけで」

「何だか、上で自衛隊さんに、運が良ければ出会えると、騒ぎ立ててくれるなと、注文を受けたのですが」

「見つからないと良いなと希望していたのはそれですね。隠している訳ではないので、出会ったら静かに見守っていただけると、助かります」

「おばちゃんに飛んでもない人がいらっしゃると聞きました」

「そう飛んでもない人ですね。所で、名刺はお持ち?」

 名刺交換が始まりました。

 この人も物流については教えてくれそうにありませんね。

「技官、獣医さんですか」

「防疫とかあるのですよ。検査位は出来ますし。しかし、選りに選ってロイターとは」

「偏見ですーと言えるほどロイターにはいませんが」

「アシスタントとは何をするのですか?」

「うーんと、リポートとかもやりますが、ガセかどうか見て来るのが主なお仕事です」

「なるほど。当たりでしたね」

「当たりでした。凄い嗅覚です」

「どう言って生駒さんを送り出したの? 伺って良い?」

「積極的に情報発信していた中級ダンジョンが黙ってる。何かあるから探ってこい。でした」

「たったそれだけ!? 天才ね」

「ホントに」

「それでどうします? ロイターなら、今ここでやっている調査研究の方に興味がありそうですけど、レクチャーしましょうか?」

「お願い出来るなら、明日お願いします。先ほどおばちゃんにだいたいの経緯は伺いましたから、今日の所は、患者さんと温泉に浸かってみようかと」

「なるほどね。調査協力者の食事は6時よ。食事前にお風呂って人は今位から温泉ね。でも、慢性疾患と難病患者、ガン治療後の患者さんしかいませんよ」

「やっぱり感染症は隔離ですか?」

「でないと調査研究になりません。まあ、他の人と近くで接触しなければ散歩何かも構いません。あのグランピング・テントですね」

「それで手応えはありますか?」

「あったりなかったり、パターンが分かれます。今は分類が進み始めた所です。詳しくは人医に聞いてください。まあ、ほとんどは分かりますが」

「そんなに話して大丈夫何ですか?」

「総理が、『もしも記者や研究者が来たら、隠す必要はありません。我々の調査研究も万全ではありません。我々に協力してくれたり、発信で研究を促したり、これは全人類の問題です。隠す必要はありません』と、念を押されました」

「聞く力とか言いながら何も聞かない昼行灯じゃなかったんですね。っと、こんな事官僚さんに聞いても答えられませんね。すいません」

「うーんそうねー、うーん、あくまでダンジョンについて、ダンジョンについてだけだけど、他の国の指導者の1歩も2歩も先を行ってる感じね。書いても良いけど、名前は出さないでね」

「もちろんです」

「所でアユちゃん」

「何です野間さん」

「はいやり直し。そこはのあさんでしょ。ちゃんなら尚更良し」

「何で業界乗り、何ですのあさん」

 ちゃんにしなかったのは、容姿と相まって、絶対ちゃん付けから離れられなくなると思ったからです。

「何処かで見た顔の気がする」

「3月まで鮎川桃子の名前で釣りタレントやってました。獣医さんならたぶん、池の水を全部抜いちゃう番組で見られたのではないですか?」

「なるほど、そうかも。ああ、うん、アユちゃんじゃなくてモモちゃんでした?」

「モモちゃんでした」

「見た顔だわ。さあその先に温泉の暖簾が掛かってるから。まだ洗い場のないホントに浸かるだけの温泉よ。シャワールームはさすがに貸してあげられない」

「無論です」

「湯浴み着は積んであるから適当に。使った後もカゴに放り込めば、ランドリーがやってくれるから」

「分かりました。ありがとうございます」

「じゃあ、明日また訪ねてらっしゃい」

「よろしくお願いします。いつ頃が都合が宜しいでしょうか」

「いつでも良いですよ。誰かしら検査の結果待ちをしてますから」

「あっ、野間さんもそうでした?」

「私の専門は防疫でして、一通りの調査結果は出ています。ですから、今の私は外部刺激待ち状態です」

「外部刺激、もしかして、私、ターゲットでした?」

「ターゲットでした」

「はあ、分かりました。でも何するんです?」

 アユちゃん苦笑い。

「鼻の奥こしょっとして、唾液貰って、を2セット。靴の裏も重要でシート踏んづけて、手もシートに押し付けて、終了でーす。後、車のタイヤのも貰います」

「はあ、分かりました」

「1名様ご案内~」

 検査場と紙の張られた中型のクローズド・テントに入ると、もう検査準備は完了しています。

「野間君遅いぞ」

「ごめんなさい。でも、快くご協力いただけましたから」

 アユちゃん苦笑い。

「そんな顔はしとらんな」

「そんな事無いわよね」

 がっちり視線を合わせて来ます。

「断れない状態でなくても、ちゃんと協力しましたよ」

「ほら」

「もう良いから。さっさとやるぞ」

 採取が始まります。

「後で名刺貰っときなさい。みんな一廉の研究者だから。あっ、下で大暴れするつもりなら血も欲しいです」

「大暴れはしません。確認はしますが」

「ならいいわ」

 採取が終わって、手袋外して、名刺交換です。だいたい准教授クラスです。一人名誉教授がいますね。

「ロイターさんか、レクチャーしようか?」

「出来れば明日お願いしたいのですが」

「そう。なら明日おいで、誰か空いてるのが当たるから」

「はい、お願いします」

「見た顔の気がしますね」

「池の水全部抜いちゃう番組で、スイミングキャップ着けて頑張ってたモモちゃんでーす」

「ああ、あの頑張り屋さんか。えらく、魚の扱い手慣れてたけど」

「本職は釣り師でした」

「ヘ? 釣り師?」

「その辺は明日になさい。今日は協力者の声が聞きたいそうよ」

「なるほど。ならそろそろ頃合いだね」

「はい、そろそろ行こうかと」

「それじゃ、タイヤ採ってくるからタイヤセットくださいな」

「ほれ」

「タイヤは取らないでくださいね?」

「大丈夫よぉ」

「それじゃ、明日、よろしくお願いします」

 口々に待ってますです。そして協力感謝ですね。

 のあちゃんは温泉まで案内です。

「はあい、ここがもみじ露天温泉でーす。単純炭酸泉でーす。見つかっている限りで最大でーす。広いわよ」

「案内ありがとうございます」

「いいわよぉ。で、たまに飛んでもない人が来ます。騒がないでそっとしてあげてください。たぶん、今日は来られないと思いますが、もしも来られたら、優しく見守ってあげましょう」

「はあ、何か良く分かりませんが、良く分かりました。そっと見守るんですね?」

「交流はOKよ。と言うより、交流はしてあげて。相手は淋しいと泣いちゃう生き物です」

「うーん、難しい注文です」

「ジャーナリストとして騒ぐなと言う事よ。隠すつもりはないそうですから、記事にしても構わないそうよ。でも、イエロージャーナリズムには堕ちないで」

「はあ、我々ロイターはクオリティーペーパーを標榜しておりますので、タブロイドのような行動には、ペナルティーが付いて回るそうです」

「そう、なら安心ね。それじゃまた明日」

「よろしくお願いします」

 じゃあねと行ってしまいました。

 野間さんの背中を見送りながらプロフィールに性格もまとめます。ハンドカメラをベストに差して、いただいた名刺に裏書きです。見た目女子高生、メッチャフレンドリー、活動的、話の先をよんで回してる切れ者、お母さん。

 書いてから納得しました。あの逆らえない感じはお母さんだ、見た目女子高生だけど。

 JBには『当たり。医療研究活動、日本政府。取材継続。物流が謎。』短く送ります。

「さあ、温泉」

2週間の中で庭田と玲子様は語らねば!

良く考えれば、ウクライナ物と難民物をやっちゃうと、ちと書き辛い。

なら書くか!

となると、何処までぶち込むかが問題になりました。

結局、外部の目としてアユちゃんを招きました。アユちゃんは本編キャラとは考えてなかったのですが、以外と化けました。

ちょっと、何処でどう割ろうと悩みました。結果のそんな1です。場合に因ってはその3で終わるかもしれません。

実際に人の目に触れると考えると、こんな事も考えないといけないのですね。

いやあ、新鮮です。

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