第44話 やっぱ一人じゃ無理~
生存報告です。
「本当に挑むのか?」
「いつまでも足踏みしてても仕方がない」
「仲間を見つけた方が良くないか?」
「足手まといは要らない」
「人当たりが良いのか悪いのか分からんヤツだな」
細マッチョの大男の隣で中肉中背がジャーコジャーコ山刀を研いでます。
『国立競技場跡』ダンジョン攻略に挑む二人ですが、仲間ではありません。ついでに序列も出来てます。
大男の細マッチョが小鳥遊勇気。
中肉中背は存在だけほのめかしてたもう一人の痛い男、柿崎光。異世界オタクのこの男、知識系の痛いヤツで体はそんなに鍛えてません。ダンベル振り回してた程度ですね。
なので、勇気が上で、光が下です。
ただそれ以外では、実は光の方が高スペック。チーム持ちが光で、未だ一人が勇気です。人当たりは良いのでお誘いは多いですが、冒頭の通りです。仲間を探してないわけではないのですが、実力不足には率直に断っちゃうので、アスリート達は誘ってくれません。狭い範囲なので、あっという間に広がりましたよ。
「それで俺らに頼みとは? まあ見当はつくが」
「それだ。8階のファーストアタックをサポートして欲しい。一つ目の群れだけで良い」
「初めて合った時はもっと丁寧に話してなかったか? そんなだから仲間が出来ねーんだぞ?」
髪で見えない眼が光ります。キラーン(-_☆)
「柿崎さんとその仲間方にお願いがあります。私の8階ファーストアタックのサポートして下さい。お願いします」
「初めからそう言え。まったく。と言う訳で、正式に依頼されたわけだ。ファーストインプレッションで行こう。やる」
光を含めて三人の手が上がります。
「絶対やだ」
残り二人は軽く肩をすくめます。
「良かったな。付き合ってくれるとさ。それじゃ明日な」
「えっ」
「あのな、俺らは多数相手に撤退戦何かやった事ないのよ。当然、そんな連携やった事ないわけだ。チームは連携しだいで5が1にも10にもなる。大人しく明日まで待っているんだな。今直ぐと言うなら断る」
「ふう、分かりましたよ。明日一番で良いですか?」
「それで良い」
昼食後、装備点検中の一コマでした。
「行く」
「骨は拾ってやる安心しろ」
「安心できんわ!」
「冗談だ」
勇気プンプンです。まあ、緊張はほぐれたのではないですかね。
「もう良い! 行く!」
「ようし、こっちも準備だ」
前三人後ろ二人。前は武器を取りますが、後ろ二人は素手のまま、いや手袋はしてますよ。
「行った行った。囲まれる前に仕掛けるか。まっ当然だな。ああダメそうだな。ネバルか。悪手だな。両足に食い付かれたら出るぞ」
一人なのに囲ませてから蹂躙した組合長は異常です。普通、あんな的確にどこに敵がいるか何て分かりません。当然囲まれる前に仕掛けるのが、まさしく当たり前。
しかし、そうは問屋が卸しません。
ここ『国立競技場跡』ダンジョン8階は、11匹のドデカいミーアキャットがコロニーを築いてグルッと取り巻いてます。これを突破しないとその先に行く資格はありません。
勇気は囲まれる前に突破して、振り返って又突破して、と言うピストン機動で囲まれる事なく殲滅しようとしています。
が、詰まりました。
後ろから足首に噛み付かれました。前も捕らえられますね。もう1匹横から来てますよ。
「行くぞ!」
光は勇気の手に噛み付こうとするミーアキャットを切り飛ばしました。刃立てが良くないのが不満ですが、まま及第点の機動攻撃です。
左右から勇気の手を狙ってくるのを前衛の左右が対応します。
素手二人はミーアキャットを蹴り飛ばして、膝を着きそうになっている勇気に肩を貸します。
「だっ大丈夫だ。離してくれ」
その言葉に従い手を離して武器を取って周辺警戒です。ミーアキャットはもう1匹倒しています。
「頑丈だな勇気。怪我を治せ。それで6対6だ」
勇気は安全靴を噛み破られて出血しています。
ミーアキャットは両足に組み付き、手に噛み付いて引き倒して首を狙ってきます。8階からはダンジョンの殺意が違います。
勇気はポーションをぶっかけます。やっぱりグロい感じであっと言う間に治ります。武器を取り直しました。
「治った」
「後ろだ。ゴーで一斉攻撃だ」
1対1にミーアキャットもずれてきます。
「ようし行くぞ、Go!」
「残念だったな勇気、まっお前なら直ぐに突破出来るさ」
「ありがとう、助かりました」
「まっ、俺らも勉強になった」
光の仲間達も頷いてます。
「そして、あの組合長がどれだけバケモンかも、良く理解出来た」
「そうですね」
「まっ、お互い修行だな」
光が背中をどやして引き上げます。
青春ですね。
ただでさえ遅筆なのに、体調不良でさらに遅れました。
ウクライナ物は少し寝かせる事にして、代わりの本編を準備しています。が、タンザニア政変?並みの大作になりそうで、こんな生存報告を投稿しました。
この間、改めて読み返しましたが、不親切な作品ですね。読者に丸投げで、後は勝手に想像しろ、後は勝手に調べろ。これの連続、良くついて来てくれる読者様がいる物だと、本当に感謝しています。
まっ作風は変えませんが。




