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第41話 タンザニア政変? その5

遅くなってすみません。

案の定、大作化してました。

実数、一万と八百。

お楽しみください。


9/11、ミナミシロサイをキタシロサイに変更。




『参集感謝する』

『どうしたんだい。えらく堅いじゃ無いかい』

『いや、一度言ってみたかった』

『何だいそりゃ』

『コーヒーいるか?』

『頂きましょう』

 ヒナタです。

 ちゃんと正規ルートのブルーマウンテンで、果肉が着いた状態から全て所長がやってます。趣味物だけに手が込んでて香り立ち抜群です。

 レンジャーさん達にはムスリムもいますから、食堂や何かで大っぴらにお酒は出てきません。ヒナタ何かはビール二本位行きたい所ですが、ガマンの子でした。なら一つ、食後のコーヒー位欲しい所です。

 五人が席に着く中、所長がサイフォンでコーヒーを用意します。カップが大きいので六人分が最大量ですね。

『まず業務内容だが、シロサイが加わった生態系で、混乱が起きていないか確認する事が、現在、最優先の業務課題だと考えるが、どうだ?』

 所長が作業しながら尋ねます。

『それは隊員たちも気にしていた』

『ああ、みんな気にしている』

『そいつはアタシにとっちゃ望む所だよぉ。でも、ダンジョンをホッとくのは賛成出来無いねぇ』

『一昨日の補給物資が届か無かったッス。このままなら十日ほどで小麦粉が切れるッス』

『予算は執行されてナンボだ。前回の不着が何故かは分かっていない。副大統領が早く政権を握ってくれる事を祈るが、それだけではダメだって言うんだな』

『今はウクライナからの物資が止まってるッス。ロシアからの長距離攻撃は止まってるッス。ウクライナからの物資は復活しても、今度はロシアからの物資が止まるかもしれないッス』

『今パキスタンからインドにかけて「熱波」が来てるの。長期予報を見るとまだまだ続く所かもっと悪い事になりそうなの』

『熱波ッス。パキスタン、インドからの米が止まりそうッスか?』

『今の所は大丈夫。でも、この先の事で心配なのが、熱波の後の雨ね。2010年は熱波の後豪雨で大っきな洪水になったわ』

『そうッスか。これで、東南アジアで大災害があるとマジでヤバいッスね』

『『何の話だ?』』

『世界の穀物の話よ。値段以外にも、ダンジョンて言う変数もあるわ』

『その言い方じゃ分からないッス。要は、穀物を買えても届か無かったり、そもそも市場から消えるかもしれないッス』

『マサイにはサツマイモを作るように指導してるわ。豆もね』

『サツマイモと豆なら俺達でも作れるッス』

『水さえあれば「疎放」でも行けるからね。後は青物をどうするか。マサイから果物を買うって方法もあるけどね』

『粗放ッス。マサイの果物は大丈夫ッスか?』

『ああ、心配よね。資源だから定期的に勝手に成るわよ。ダンジョンスマホの説明通りならね』

『資源なら一安心ッス。でも、青物は内でも最低限確保したいッス』

『気候的にどうだろ。厳しい気候風土の所はダンジョンの中は凄く穏やからしいのね。で、ここは?って言われると、貴方達次第何だけど』

『なら、小型のラディッシュとかレタスにルッコラ辺りから始めてみたいッス』

『成り物の方が簡単よ。ミニトマトとかナスとか。小さく取る青物は、必ず毎日手がいるのよ。初心者にはお薦めしない。それより農業区画よ。1階はどう?』

『まだ雨は降って無いッス』

『露は降りる?』

『降りるッス』

『なら可能性はあるわね。農業区画の最低条件みたいなの。何か動物のフンでも施肥してみましょ。消えなければ農業区画よ』

『やってみるッス』

 四人がポカーンとしてます。

『まず皆でダンジョンで強くなりましょ。ここの6階は有望よ。ピラニア釣って潰してるだけで強くなるわ。栽由の言葉を実施してみてるけど、ナイフで殺したりするより数倍強くなるのが早いわよ』

『そうッスか』

『それで、第一は燃油を溜める施設だと思うの。軽油ももちろんだけど、灯油も大事。穀物の乾燥に必要よ』

『乾燥機の燃料ッスか。忘れてたッス』

『大丈夫。大々的に収穫出来るのは、それに全部掛けるのじゃなきゃ一年位先よ』

『やっぱ、そん位は掛かるッスよね』

『今日本の商社がパニックになってるの。何でだか分かる?』

『商社ッスか? もしかして、ダンジョンスマホで売ってる物資って現物があったんッスか!』

 話してる最中で確信したみたいで、途中からは叫び声になってますね。

『正解。さすがね。料金はちゃんと振り込まれてるそうなんだけどね』

『いや、倉庫の物資が勝手に無くなったら商売にならないッス』

『そうよねぇ。予約物まで売っちゃうのよ』

『それは非道いッス』

『非道いよねぇ。でね、所かの商社マンがキr…ううんと、勇気ある人がダンジョンスマホに苦情を申し立てたんだって。そしたら予約物は売ら無くなったんだって。所長さん、喉渇いた』

『っん、ああ、今入れる』

 さすがはヒナタ、傍若無人です。

 さて、ポカーンとしてた四人が起動です。すでに出来上がってたコーヒーをカップに入れます。ステンカップとかなら雰囲気もあるけどね、プラスティックカップです。使い続けるならエコですよ。

 レンジャーさん二人は博士に目で合図しますが、博士は博士で、思ってたのと違うとばかりに無視を決め込んでますよ。

『ありがとう』

『どういたしまして』

 少しフウフウして二口三口、ニッコリして、良い香りと宣います。

 起動した四人は低調です。これではヒナタとエロン君の暴走は止まりませんよ。

『しっかし、神様相手に怒鳴り散らすとか、マジ勇者ッス』

『勇者よねー。でね、今新たにダンジョンが出来ては消えるって事が起こってるの』

『ああ、全滅した所の資産の取り込みッスね』

『そうね、インドとか中国とか大々的よ。でね、アメリカとかでも全滅した農場が飲まれてるわ。それを日本政府が狙ってるって』

『それは眉唾ッス』

『所が、栽由のダンジョンは政府の出先機関みたくなってて、そこの情報だから間違いないわよ』

『マジスか。ああ半径百キロの小麦畑があったッスね』

『そうよ。日本にはそこまで大型の機材は少ないからね。中古はやっぱりお得よ』

『ならガソリンスタンド設備が一式欲しいッスね』

『あると良いよね。でもまずは何でも良いからタンクよ。魔石を入れない限り揮発しないんだもの、それこそ農業用のタンクでも、耐油性があるならトイレのタンクだって良いわ』

『とっトイレのッスか』

『中古はさすがにいやよね。でも新しいのならどう?』

『サラならまあ、大丈夫ッス。便槽進勧める理由は何スか?』

『安いの。まあ大型は埋めないとダメだけど、小っちゃくて良いならその必要は無いしね。もっとも、それだと余り安くないけど』

『そッスか。なら選択肢ではあるッスね』

『うん、その位で良いわ。検討する時の候補位で良いわ』

『分かったッス。で、結局、どの位の量の備蓄を考えてるッスか。俺はガソリンは二千リットル、軽油が三千リットル、灯油は五百リットル位で考えてるッス』

『そうねぇ。当面の数字としては悪くないと思うわ。ただ、灯油は倍増した方が良いわ。ドラム缶最低二、三本持って来るわよ』

『ああ、そッスね。分かったッス』

『それで反対側はどう考えてるの』

『ああ、鉄ッスか。当面無視ッス。誰か分かる人が来ないと何も出来ないッス』

『そうよねぇ。エンジン発電機、水中ポンプ、農業用トラクター、トラクターアタッチメントが最低二種、それに液体タンクが優先ね。どう?』

『チェーンソーも欲しいッス』

『チェーンソーは数があるから後回し。希少性で考えると、ホイールローダー・アタッチメントと培土板付きローター・アタッチメント付きの農業用トラクター一択だけど、急ぐのは液体タンク』

『ホイールローダーって何スか?』

『重機の前に広いショベルが付いた(すく)うヤツ。見た事はあるでしょ』

『ああ、あれッスか。じゃあ、火山灰と農業と兼用ッスね』

『とりあえずはね。行く行くは専用を買えば良いわ』

『そッスね。ホイールローダー付きのトラクターって知らなかったッス』

『レア物だもの。日本の豪雪地帯でもなきゃ存在しないわ。現物を知らなきゃ思い浮かぶはずが無いじゃない』

『じゃあ、最低限のタンクを確保したら、そのレアトラクターッス』

 ちなみに、培土板は畝を作るヤツです。

『それが良いと思うわ。あっ! その後でチェーンソーを買うのが良いかも。材木の乾燥時間、忘れてた』

『材木の乾燥ってドン位掛かるんスか?』

『特定の物なら分かるけど、一般的な物は知らない』

『そッスか。まあ地上世界とは違うかもしれないッス。特に資源区画ッス、地上と同じではないッス』

『それもありそうね。まあここについては木の皮堆肥を忘れるなって所ね』

『バーク堆肥ッスか』

『そ。土壌改良に最適らしいの。受け売りだから鵜呑みにはしないでね。後、土壌改良が必要な農地は無いかもしれないけど』

『分かったッス。後は人員の配置ッス。所長の仕事ッス』

『うっ、えっ! 俺か!?』

 所長が起動しました。博士は頭を搔いてます。隊員二人は白目です。

『何を決めるんだ。何が決まったんだ』

『決まったのはダンジョン開発の方向性ッス。決めるのは隊員の配置ッス。隊員の配置は所長の仕事ッス』

『ダンジョン開発の試案を話してくれ』

 隊員さん達が起動し始めました。

『まずは、最低限強くなるッス。ヒナタの話だとピラニアが最適ッス』

『『ピラニアだと!』』

 隊員さん達がガタガタと立ち上がりました。白目が解け始めた所からの強制起動です。

『あんな小っちゃいのにまだ怖いのかい』

『私の掌も無いのよ』

『とりあえず釣ってみたら怖くないって分かるッス』

『あっ、エロン君、釣った事あったのね』

『みんなが恐がるから言わなかったッス』

『ピラニアだぞ! 怖いだろ』

『そうだ! ピラニアだぞ!』

『ただの魚ッス』

『『ピラニアだぞ!』』

『ただの小魚よ。握ったら潰れるわ』

『『ピラニアだぞ!』』

『話しになんないねぇ。後で、釣ってる所を見せておやり』

『ああ、それしか無いだろう。それでピラニアを釣ってどうするんだ?』

 隊員さん達は所在無げに席に座ります。二人手に手を取ってるのが、ああ怖いんだなと思わせます。が、あのピラニアを見た後だと笑えます。

『ピラニアをプチッとやって魔石にするッス』

『素手でも手袋でも良いけど、ナイフ何か使わずに、プチッとやるのが大事よ』

『プチッとやると何か違うのかね?』

『所長も見た「組合長の戦闘動画:参考にはなりません」の組合長の言葉ッス。『銃に何か頼るな。銃で倒しても、結局火薬の力だ。ダンジョンで強くなりたいなら、蹴り付け殴り付ける事を恐れるな』だそうッス。ヒナタは実践して違いを感じてるッス』

『あの無茶苦茶なラガーマンか』

『学部は違うけど大学の同期よ。博士論文になったクマの観察にも協力してもらったわ』

『もしかして、ヒナタのイイ人だったりするのかね?』

『良く聞かれたけど、そんな関係じゃ無いわ。博士号取って売れ残ってたら、押し掛け女房してやっても良いかな、て思ってたけど、最近は女の影が見え隠れしてるわ』

『おや、そんな相手がいたのかい。ここは一つ聞いとかないといけないねぇ』

 目がキラーンとしました。女は幾つになっても恋バナが好物ですね。

『博士、後にするッス』

『もちろんだよ。それでピラニアの次は何だい?』

『効率の良い魔石集めを探すッス』

『その魔石はどうするつもりだ?』

『ダンジョンポイントに代えて買い物ッス』

『何を買うつもりだ?』

『まずは燃油タンクッス。揮発しないんで、安けりゃ何でも良いッス。当てがあるからさっきは言わなかったッスが、ホントは小麦粉よりも軽油の方がヤバいッス』

『そうだな。今までのパトロール主体の運用なら次の出動でほぼ空だ』

『そッス。最低限のタンクを用意したらホイールローダー付きの農業トラクターを買うッス。ヒナタが言うにはレア物らしいので急ぐッス』

『ホイールローダーって何だ?』

 ヒナタが両手でガバッとやりながら言いますよ。

『こんなヤツよこんなヤツ』

『ああ、あの掬うヤツか。と言う事は火山灰と兼用か』

『当面はッス。余裕が出たら火山灰用の専用機を買うッス。急ぐのはこのホイールローダー付きトラクターまでッス。後はじっくりやるッス。ただ、水中ポンプは早い目に欲しいッス。チェーンソーは一つ買って木の乾燥状態を確認するッス』

『おお、だいたい分かった。肉はどうする?』

『ピラニアしだいッス。ピラニアでどの位強くなるかで決まるッス。最悪しばらくは魚だけッス』

『そうか』

『所長もダンジョンには入るッスよ。ピラニア釣って見せるッス』

『そりゃ構わんが、ヒナタ、タブレットPCはダンジョンで使えるのかね』

『使えるわよ。5GでもWi-Fiでも使い放題ね。通信の安全が心配ならダンジョンの中なら完全に安心よ。スマホとダンジョンスマホを一体化させるまでも無いわね。普通にスマホを持ち込んでメール共有ソフトで大丈夫よ』

『本当か?』

『ホントホント。神様はサーバーはこっちに依存するって言ってたけど、まずそのサーバーが見つから無いの。自分が使ってるWi-Fiのホストが見つから無いって(おのの)いてた。ホワイトハッカー達は完全にお手上げだって』

『…どう言う事だ?』

『不明。分かん無い』

 フッフッフッ、私は知ってますよ。何なら覗き放題です。もちろん、ナイショですぅ。

『なら邪魔な物は置いて行くか』

『それが良いわね。あっ、そう言えば、セーフティゾーンのお堀の水、温度が違うの知ってる?』

『知らないッス』

『そう。28度、15度、5度の堀があるわ。これ地図ね』

『ヒナタ、随分貢献してくれるが、どれだけ火山灰を持って行くつもりだ?』

『載るだけよ』

『やっぱりか。まあ構わんが、何を急いでいるんだ?』

『塩作り。燃料は森があるから良いけど、初期濃縮がやってらんないわ。設計は詳しい人に頼んだけど、「自然濃縮製塩型入り浜式塩田」で塩が取れるまでかなり時間が掛かりそうなの。せめて「簡易入り浜式塩田」を作らないと塩作りを辞めちゃうわ』

『あ~、マサイならありうるな』

 揚浜式製塩はつらいですよね。

 自然濃縮製塩型入り浜式塩田は、複数の濃縮池を持ち、潮の満ち引きで天日濃縮した海水が塩田の奥に奥に進んで行って、最後は結晶化した塩を収穫します。

 簡易入り浜式塩田は、潮の満ち引きで一つの濃縮池に海水を入れて砂による蒸発濃縮して、最後は砂を採取、水に入れて炊き上げます。

『でしょ。ああ言うの男達苦手よね。女達に押し付けようとしてたから叱ったのよ。魚と違って塩は確実に売れるわ。それを女達に譲って良いのか?って』

『ああ、それは応えるな』

『でしょ。フフフ、言ってやったわ』

『相変わらずキッツいねぇ』

『家族を養え無い男に用は無い!』

『今の観光マサイには辛い言葉だ』

『その辺は手加減してるわよ。サツマイモ作りも大豆作りも頑張ってるからね』

『大変だったろうね。マサイの男達は反復作業が苦手だからね』

『今また、遊牧マサイの所で苦労してるわ』

『実際の所、どの位でダンジョン産の穀物が出回ると考えてるッスか?』

『小麦農家しだいなのよ。チャッチャと収穫に入ってくれれば良いけど、価格上昇を狙われると何時になるか…』

『…そッスか。2、3ヶ月は出回らないッスね』

『やっぱりそう思う?』

『ああ、最低でも一月は出回らんな』

『そうなると…』

『ウクライナ情勢しだいッスね。ヒナタは何か掴んでるッスか?』

 ヒナタが大きく肩をすくめます。アッチ方面はフェイクが多過ぎますね。

『さすがに、アッチ方面には伝手が無いわ。貴方達より検索時間が長い分知ってる事はあるけど、それがフェイクじゃ無い保証が無いわ』

『了解ッス』

『実際どう成っているんだ?』

『憶測含みになるからホントは話したく無いんだけど。確実に分かってるのは、チェチェンの犬のダンジョンへの攻撃で、ウクライナの大地が朱く染まるほどダンジョンが出来て、ロシアは長距離攻撃を断念した事位かな。この先は憶測含みよ』

 仕切り直すようにコーヒーをあおって、続けます。

『ロシアが仕込んでたウクライナ大統領(コメディーアクター)の誘拐暗殺などの攻撃はウクライナが凌いだわ。今も躱し続けてる。そしてウクライナの全権を掌握してるわ。ロシアの長距離攻撃が止まったのは、ロシア大統領(ツァーリ)が実権を失ったからね、多分。比較的に混乱の少ない日本が呼びかけて、ダンジョンに関する国際会議をオンラインで実施したわ。漏れ無く全世界に呼びかけて、ロシア、ベラルーシ、中国、普段は閉め出すクーデター政権までも招いたわ。ダンジョンで政権が飛んで内戦の国は双方をね。それ所かテロ組織にまで呼び掛けたのよ。当然強い反発があったわ。でも、ここで一致した対策を取ら無いと人類が滅ぶって一喝、強行したの』

『西側は来ないんじゃないッスか?』

『オンラインだからね、それも実務担当者の連絡会、完全ボイコットは多くは無い状態で行われたの。でね、色々やって、臨時の首脳級の会合に持ち込んだの。アメリカが出て来ないのを尻目にロシア大統領(ツァーリ)が出て来たのよ。そこで日本の首相がロシア大統領(ツァーリ)(なじ)ったの。ダンジョンは貴方が核兵器を振り回すから生まれた。核兵器が失われても尚、空の棍棒を振り上げている。実験場所を提供するから証明して見せろって。証明出来たら世界一の超大国だ証明して見せろって。これ上手く捌け無くてね。核兵器の存在を証明出来れば世界の絶対的超大国よ、実験場も国外、やらない理由を納得させられず、ついにはオンラインから逃げ出した。その翌日からウクライナへの長距離攻撃が止まったの。核実験を求めるデモが起きてもロシア大統領(ツァーリ)の親衛隊達は動かない。ロシア大統領(ツァーリ)は実権を失ったわね』

『そんな事になっていたんだねぇ』

『戦争は終わりそうなのか?』

『それは分からないわ。見える範囲の戦闘の周辺からはマイクロダンジョンは消えるしね。他のダンジョンは消えないらしいわよ。まだ戦闘が続いてるのは確かね』

『ロシアは内戦になると思うッスか?』

『分からないわよそんなのぉ。ロシア専門家でも意見は割れてるわ』

『ふむ。やはり農業はせにゃならんな。この際半分ダンジョンに当てるか?』

『観察任務ならそれで行けるが、そんなに回して良いのか? 後で処罰されんか?』

『なら補給を切らすべきでは無かったな。俺達も食わにゃならんのだ』

『所長がそこまで割り切ってるなら従うよ』

『そうですな。我々も食べないといけない』

『あっ、忘れてた。遊牧マサイのダンジョンからクロサイが出て来たって。全部で百位。囲いの扉を壊されたって怒ってた』

『はあ、遺伝的多様性の向上ってとこかい。ゴリラも補充して欲しいね。後リカオンも』

 どっちも伝染病で数を減らしてます。地域絶滅とかしてるので、遺伝的多様性が心配されてますよ。

 シロサイに次ぐアフリカの絶滅危惧種ダマガゼル(サハラ砂漠と周辺、推定五百頭前後(コロナ前))が出て来ないのは、付き合いが無いからですかね。

『まあ、アフリカでは、密猟さえ無ければ絶滅を危惧される動物はそう多くは無い。そうで無いのは、開発に伴う水質汚染による物が多い。これは、これから改善するだろう。多分ダンジョンがやる。となると、これから怖いのは伝染病だな』

『そうだねぇ。実際に病原菌の分布が変わって来てるしねぇ』

『後は火事だ』

 火事は怖いですね。ここ十年近く、世界中で毎年のように大火災が起こってますからね。心配です。

『火事は怖いねぇ。どうにもなりゃしない』

『ダンジョンに逃げ込めば助かるわよ。動物向けにもダンジョンが発生するしね』

『植物はどう何だい?』

『ううん、どう何だろ。何だか、発芽が早いとは聞いたわよ』

『それは朗報だな。ダンジョン以外にも、神様が介入してる証拠だ』

『そう言えばそうね。SNSでそれを指摘する意見は無かったわよ! 凄いわ所長さん!』

『検証が足りないだけだろう。これから出て来るさ』

 所長さんコーヒーあおって仕切り直します。

『よし。班編成を変える。ジョナス達ムスリムはひとまずダンジョンから外そう。志願して来ない限り、ダンジョンに入る任務は与え無い』

『ああ、それが良い』

『それしか無いと思う。ただ、なんちゃってもいるから面談した方が良い』

『ムスリムは棄教を認め無いからな、話してみよう』

『実際どう配置するッスか?』

『半分を本来業務に当てて、半分をダンジョンに当てる。休みはダンジョンから出して、ムスリムには、任務間で休んでもらう。とりあえずこれで行こうと思う。そのレアなトラクターを手に入れるまでのつもりだ』

『分かったッス』

『分かった。それで行ってみよう。ダメなら変えれば良いさ』

『了解した』

『ならアタシは本業の研究が出来るね。ありがたい事だけど、面白くないねぇ』

『ああ分かります。そう何かモヤモヤするのよ』

 他の四人も頷いてます。

『土台、ここにシロサイはいなかったんだ。それを導入とか、どう言う事だろうか?』

『事実上絶滅した種ではあるが、扱いが雑過ぎやしませんかね?』

 ここよりも北の種ですからね、何でここに導入するのか、かーなり懐疑的です。

 まあ、クロサイが暑さバテしてたりしますからね、暑さに強いシロサイは必然かもしれませんね。

『まあ、とりあえず、これで行ってみよう』

『穀物相場が落ちてる間に買い物してきたいッス』

『時期が悪いな、財布は空に近いぞ』

『ショウが無いね、内の研究滞在費を預けるよ。ただ、ウクライナ戦争前でも、ここの一月を支えるほどは無いよ』

『今は、ウクライナ戦争前より安いッス』

 東京ショックとか、アマテラスショックとか、ダンジョンショックとか言われる大大、大暴落ですね。先物ですから、即座に市況に反映される物ではありませんが、当然、影響が無い訳がありません。末端の商店では利益率が限りなく低くなってます。それはそれで、そんなにボッてやがったのかと怒りを招いてますが、まあ、仕方ないね。

『農業はやるとして、何を作るんだ? 豆とサツマイモは分かってるが』

『ラディッシュとルッコラから始めたいって言ったら、初心者にはお薦めしないって言われたッス』

『毎日水やって、草が生えたら抜いて、株の間が詰まってれば濃い所を摘んで、一日に二回は様子を見るのよ。初心者にはお薦めしないわ。一日に二回は様子を見るって言うのが、他に仕事してると難しいの』

『なら何を作る?』

『トマト、ナス、トウガラシがお薦めね。支えをしてやらないとダメだけど、二、三日に一回でもいけるわよ。小っちゃい間は毎日だけど。まあ、ラディッシュとかルッコラ何かもやれば良いわよ。トマト何かが収穫出来るまでに二回は取れるだろうしね』

『主力はトマト何かが良いって事か』

『そうよ』

『ムシはいるのかい?』

『農業区画ならどこからか現れるそうよ。今の所、害虫の報告は無いわね』

 全部ナス科ですけど、連作障害は大丈夫ですかね。まあ、ナス科位なら方法はいくらでもありますが。

『後はジャガイモ何だけど、外の環境だと、何があっても絶対に連作はダメなの。その辺の管理をすれば年三作になるわね。サツマイモもだけど』

 そのサツマイモにはツル育成期間が入ってませんね。まあ、それを入れても、三作目には入れますが。

『肥料をどうする?』

『あっ、そっかぁ、ピラニアって魚肥だわ』

『魚肥ッスか。なるほどッス。1階の川では、半端な大きさの魚はいないッスから、納得ッス』

 五匹ずつしか寄って来てませんが、どうすんですかね。

『バーク堆肥と魚肥はゆっくりやるとして、足りない要素は要調査だね。とりあえずはこれしか無いよ。もう少し時間が必要だね』

『だいたいの事は方向性が出たと思うがどうだ?』

『一番心配してるのはプロパンガスッス。後一月は大丈夫ッスが、その後はどうなるか分かんないッス』

『プロパンガスか、物流がちゃんとしてれば問題無いが、どうなる事か』

『成るように成るだろうよ。見通せ無い先の事は心配しても無駄だよ。とりあえず、今出来る事をやるしか無いね』

 そうですね、あんまり先の事ばかり気にしてても、鬼が笑います。アハハ、博士良い事言った。ほめて上げましょう。ナデナデ、まぁ見えませんが。

『?』

 変ですね、何か感じてるような?

『そうだな。心配ばかりしててもしかたない。出来る事からやって行こう』

『『了解だ』』

『了解ッス』

『ガンバれ!』

『明日は、レンジャー業務は全て停止して、明後日からに備えよう』

『良いんじゃないかい』

 とりあえずまとまったようですね。まとまったと言えるかどうかは分かりませんが。

『明日確認するがエロンを中心に買い出しに行ってもらうつもりだ』

『了解ッス』

『それじゃあ、一緒しようかね。アタシの方が値切れるだろうよ』

『ありがたいッス』

 オバチャンの値切りにひよっこは敵いません。ここは御大の出陣です。

『まあ、とりあえずの方針が決まったのは良い事よ。でも、時々に立ち止まって見直す事も忘れ無いようにね』

『ソロソロ任期だったかな、ヒナタ』

 コロナで任期延長しましたが、もう少しで任期切れです。

『さすがにね。四年もいたから研究は進んだけど、五月いっぱいで任期切れね。まあ、塩田プロジェクトの完了まで任期延長を申し入れてるけど、どうなるかしら』

『ヒナタが掛けてるカメラはどうすんだい?』

『博士がもらってくれるとうれしいわ』

『ありがたく頂くよ』

『ありがとう、発つまでに引き継ぐわ』

『上手くまとまったようだが、さすがにもう遅い。方針も決めたし解散としようか』

『そうだねぇ。また難しい事言い出されても困るしね』

『『『それは困る!』』』

『なら解散ッス』

『コーヒーご馳走さま』

『ヒナタ、水浴びが出来るようにしてあるよ』

 ダンジョン1階に作りました。ちゃんと目隠しもありますよ。ぜいたくにも水が使い放題です。ちょっと冷たいですが。

『ああ、あれシャワールームなのね。助かるわ』

『残念ながらそんな洒落た物じゃない。手押しポンプで水が上げられるだけだな。ちょっと冷たいが大した事は無いな』

『ヒナタがくれた地図の28度の堀なら冷たくないッス』

『知らせたら足伸ばす奴が出るな』

『あそこキャンプするには最適よ。休憩所でも作ったら?』

『良いッスねぇ』

『ちょっと歩くには良い距離だな』

『確かにな。ハンモック位持ち込むか』

『机と椅子も欲しいな』

『好きにおし』

『ガンバれ~』

 歩くのはまあ1キロ位ですね。日本の田舎なら車一択ですが、レンジャーさん達にはお散歩にもなりません。まあ水浴びだけなら車出しますが。

『それじゃあ解散だ』

『ヒナタ、今夜テントに行って良いかい?』

『歓迎しますよ。ビール飲みましょ。ビール。ちゃんと冷えてますよ』

『良いねぇ。頂こうかい』

 こんな所に住んでると冷えたビールは超ぜいたく品です。ハラルとかあるからね、厨房にアルコールは厳禁です。まあ、ラガーではなくエールの方が一般的で、常温の涼しい所でも十分美味しいですよ。

 男達がうらやましそうに見てますが、当然無視です。四人のケナリ気な視線を背に、二人は引き上げました。

 合流はヒナタのテントです。今日は二人で酒盛りです。

お気付きの通り、小ネタ二つ大ネタ一つ食ってます。

と言うか、書けなかったネタを食べさせました。

1:商社から品物が消えて行く現象。キレちゃった商社マンの話ですが、徹頭徹尾、喚いてるだけ。無ー理と言う訳です。

2:ホストサーバーどこ行った問題。ネット空間にそこまで詳しくないので断念。

3:ロシアのツァーリの話。これは純粋に私の筆力不足で断念。国際会議とか無~理~。

元気一杯で食べてくれたヒナタさんですが、元気過ぎて止まらない。

その6。

しばしお待ちください。

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