♥ 裏街 5 / 奴隷商 5 / ファーストコンタクト 5
何とかニュイちゃんを宥めたいけど、ニュイちゃんは一寸だけ興奮気味みたい。
ニュイちゃんに体当たりされていた大人達に声を掛けようと思ったけど、全員気を失って伸びてるみたい。
此の人達が何をしてたのかは知らないけど、いきなり知らないスライムに体当たりされたら吃驚するよね?
其に…ニュイちゃんは強いみたいだし……。
そんなニュイちゃんの体当たりを直に何度も食らってピンピンしてる人間が居るとは思えない。
エノ
「 ニュイちゃん、急にどうしちゃったの?
其処で寝てる大人達に何か意地悪な事でもされたの? 」
ニュイ
「 ニュ〜〜 」
さっき迄怒っていた筈のニュイちゃんは、急に弱々しく鳴くと自分から私の腕から飛び降りた。
エノ
「 ニュイ…ちゃん?
どうしたの??
やっぱり何かされたの?! 」
ニュイ
「 ニュ〜ニュ 」
ニュイちゃんは何かを私に訴えてるみたい。
私に気付いてほしい事でもあるの??
ゆっくりと動き出したニュイちゃんの後を追って少し歩くと、通路に人影が見えた。
誰か居る?
ううん、違うかも……。
──誰かが倒れてるんだ!!
私は倒れてる人の所へ駆け寄った。
倒れているのは子供で、男の子…………だよね??
ボロボロの雑巾みたいな粗末で汚くて薄っぺらい衣服を着せられていて、裸足で倒れている。
まるでついさっき迄誰かに乱暴でもされていたみたいに全身が傷だらけ。
若しかして、さっきの奴隷商人達に乱暴をされていたのは此の子??
エノ
「 ニュイちゃん、若しかして此の子を助けたかったの?
此の子を助けたくて、彼の人達に体当たりしてたの?? 」
ニュイ
「 ニュ!
ニューニュー 」
若しかしたらニュイちゃんは、私と同じ事をしたかったのかな?
大人達に囲まれて、暴力を振るわれて傷付いていた此の子と昨日のニュイちゃん自身が重なって見えたのかも知れない。
エノ
「 …………ニュイちゃんは偉いね。
1人で人助け出来たんだね 」
私はニュイちゃんの頭を優しく撫でてあげた。
ニュイちゃんは「 ニュ〜〜 」って甘えん坊な鳴き方をして私に擦り寄って来た。
エノ
「 ニュイちゃんが体を張って助けた此の子を此のままにはしとけないね!
全身傷だらけで、あちこち怪我もしてるから手当てしなくちゃ。
其に……痩せてて弱々しいし… 」
ニュイ
「 ニューニュー 」
エノ
「 安心して、ニュイちゃん。
セロと玄武なら、きっと此の子を助けられるよ。
此の子を連れて戻ろう 」
ニュイ
「 ニュニュ 」
ニュイちゃん、嬉しそう。
やっぱり此の子を助けたいんだね。
気を失ってる男の子の頭の上には汚れた獣耳が生えていて、お尻の上には尻尾も生えている。
此の子は人獣族の子供だぁ〜〜〜〜!!
きゃう〜〜〜ん(////)
人獣族とファーストコンタクト〜〜〜♪♪♪
肝心の相手は気を失っちゃってるけどね〜〜。
私は男の子をお姫様抱っこしてみた。
かっる!!
一体、体重何kgあるの?!
軽いお蔭で運ぶのが楽で助かるけどね!
私はニュイちゃんの案内で、セロフィートと玄武が居る場所へ戻った。
──*──*──*──数分後
私は無事にセロフィートと玄武に再会する事が出来た。
エノ
「 ──セロ,玄武!
お願い!
此の子を助けてぇ!! 」
私はお姫様抱っこしている人獣族の少年をセロフィートと玄武に見せた。
玄武
『 何処に行ったかと思えば、人獣族を拾って来たか 』
セロフィート
『 随分衰弱してますね 』
エノ
「 助けられる? 」
ディビス
「 さささ…触ったら駄目なんだなぁ…。
びびび…病気が移るんだなぁ… 」
エノ
「 病気??
私は触ってるけど何ともないわよ! 」
ディビス
「 だだだ…黙るんだなぁ…。
おおお…オデに近づくんじゃないんだなぁ…。
そそそ…そいつは死にかけてるんだなぁ…。
こここ…此処では治せない病なんだなぁ…。
ししし…死んでも仕方無いんだなぁ… 」
エノ
「 こんのブダヌキ!!
何て事、言うの! 」




