エノ
「 そ…其にしても辛そうに見えるんだけど…… 」
セロフィート
『 気の所為です。
──何時迄も地面で疼くまってないで病院へ行ってはどうです? 』
玄武
『 そうだな。
今なら未だ、手当ても間に合うかも知れないしな。
手遅れになる前に治療した方が良い 』
セロフィート
『 御大事にしてください 』
セロフィートと玄武が男達に同情のような声を掛けると、男達は憎々しげな顔をしながらセロフィートと玄武を睨み付ける。
正義の味方のヒーローにコンパンに負かされた悪役みたいに情けない捨て台詞を吐きながら、男達は逃げるように城下町の中へ入って行った。
大丈夫なのかな…。
「 病院で手当て 」って事は、重傷でも負ったの??
「 手遅れになる 」って何??
エノ
「 セロ…、玄武……、本当に大丈夫なんだよね?
後から大変な事になったりしないよね?? 」
セロフィート
『 何も心配するような事は起きません。
彼等は暫く病院で御世話になるでしょう。
安静にしてれば元気になります 』
玄武
『 そうだぞ。
入院と言っても2.3日の事だ 』
エノ
「 う、うん…… 」
玄武
『{ エノは気付いてないみたいだな }』
セロフィート
『{ 当然です。
衣服の中で起きた事です。
エノには知りようもないです }』
玄武
『{ ブツは奴等に付いたままなのか? }』
セロフィート
『{ まさか。
後も残さず〈 テフの源みなもと 〉へ変へん換かんしました。
下した着ぎを脱ぬいだら、さぞ驚おどろくでしょうね }』
玄武
『{ 其それは見み物ものだな。
見みられないのは残ざん念ねんだ }』
セロフィート
『{ 彼かれ等らの悲ひ痛つうな叫さけびが聞きけないのも残ざん念ねんです… }』
玄武
『{ 確たしかにな }』
エノ
「 一寸ちょっとぉ〜〜〜。
2人りで何なにをコソコソ話はなしてるのよ! 」
セロフィート
『 一いち難なん去さって安あん心しんしてました 』
玄武
『 結けっ果か的てきに邪じゃ魔ま者ものが居いなくなったんだ。
良よかったな 』
セロフィート
『 他た人にんのモンスターも助たすけれましたし。
良よかったですね 』
エノ
「 うん…、そうね!
虐ぎゃく待たいされてた子こを助たすけれて良よかった〜〜〜 」
私わたしは足あし元もとに居いるモンスターに目めを向むけた。
プルプルと小こ刻きざみに震ふえているように見みえるのは、ゼリーみたいなモンスターで──。
エノ
「 …………えと……スライム??
此このスライムが、テイマーにテイムされてるの?? 」
蒼あお色いろと翠みどり色いろが混まざったような蒼そう翠すい色いろのスライムは「 ニュー 」って弱よわ々よわしく鳴ないている。
かなり弱よわってるみたい!
早はやく元げん気きにしてあげたいよ!
どうしたら良いいのかな??
エノ
「 セロ,玄げん武ぶ──、此この子こを元げん気きにしてあげたいの。
弱よってるみたいだし… 」
セロフィート
『 回かい復ふく薬やくと言いっても人にん間げん用ようの回かい復ふく薬やくを与あたえても効こう果かはないです 』
エノ
「 えっ??
そうなの?? 」
セロフィート
『 テイム・モンスターにはテイム・モンスター用ようの回かい復ふく薬やくがあります。
テイム・モンスター用ようの回かい復ふく薬やくはモンスター屋やへ行いけば買かえます 』
エノ
「 そうなんだ?
──じゃあ、早さっ速そくモンスター屋やへ行いって、此この子こに使つかう回かい復ふく薬やくを買かいましょう! 』
私わたしは弱よわってるスライムちゃんを抱だき抱かかえた。
玄武
『 エノ、其そのモンスターはテイムされている。
勝かっ手てに連つれ回まわすのは良よくない 』
エノ
「 其それはそうかも知しれないけど、こんな所ところに放ほうっておけないよ……。
何なんとか出で来きないの? 』
セロフィート
『 出で来きません。
他た人にんのペットです。
回かい復ふくさせるにしても飼かい主ぬしテイマーの許きょ可かが必ひつ要ようとなります。
モンスター屋やへ連つれて行いくにしても、飼かい主ぬしテイマーに無む断だんで連つれて行いくと窃せっ盗とう罪ざい若もしくは誘ゆう拐かい罪ざいに問とわれます。
訴うったえられれば連れん行こうされます 』
エノ
「 れ…連れん行こうっ?! 」
玄武
『 前ぜん科か一いっ犯ぱんか。
早はやいな 』
エノ
「 勝かっ手てに前ぜん科か持もちにしないでよぉ! 」
セロフィートも玄げん武ぶもスライムちゃんを抱だきしめてる私わたしを憐あわれむような目めで見みている。
止やめてほしいんだけど……。