表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/38

誤作動?

 ふむ、簡単に捕まるな。便利だ。


 リビィはただそれと同時に問題点も見つけていた。

 遅いのだ。

 思っていたより速度が出ていなかった。ハカセが言っていた速度より遅いのはクラゲの職種が壁を通り抜ける時に絡まっているのだ。

 それによって球自体の重量が上がって魔力消費も上がる上に速度も出ないという悪循環になっていた。


 この調子で行くとクラゲの増減は僅かに減るが、それだと何ヶ月掛かるか分からん。


 このアカクラゲの繁殖力は異常である。

 一日経っただけで壁が明らかに厚くなっていた。

 メルとリビィでかなりの量を食した上、ばあちゃん亀の方でも対策している筈である。

 それなのに、厚くなっている。それはこのアカクラゲの繁殖力の高さを表していた。


 コイツらに目的があれば良かったんだけどな。


 クラゲ達には目的はない。

 ただただ大量繁殖しているだけでなのである。

 そんなクラゲに目的がある筈がないのである。

 無差別テロの様なものであり、荒らすだけ荒らして通り抜ける存在は厄介である。


 その内、自滅するのは見えているが、このまま死骸だらけで腐敗したら環境面からしてアウトだな。


 此処には餌が少なくなっている。

 この場所にプランクトンがかなり少ない。

 海流はクラゲ壁側から来ている為、クラゲがフィルターとなって濾されているのである。


 あれは可哀想だったな。


 リビィは此処に来る途中に激痩せしたヒゲクジラが泳いでいる所を見ていた。

 あの種はオキアミなどを食べているのだけど、その全てをクラゲが食べていたのである。

 そのせいでヒゲクジラの巨大な肉体を支えるご飯を食べれていないのである。

 食を誰よりも愛するリビィからしたら絶食など想像すらしたくない地獄だった。


 水質も悪くなっている。


 糞や死骸を分解するプランクトンが不足している為、水質が安定していないのである。

 その上、クラゲ壁周辺は溶存酸素量も低下している。プランクトンや好気性細菌は減少している。

 魚に至っては一匹もいなかった。


 うん?


 問題点を球の捕獲中に考えているといち早く壁から戻ってくる球が一個出てきた。

 球の容量が満タンになると自動的に戻って設定になっているが、早すぎるのである。

 チラッと見えた他の球の容量は半分くらいだった。

 一つだけこんなに早い事はないだろうとリビィは思っていた。

 不良品を見つける意味もあり、ほぼ同じ場所から同時にスタートさせているのである。

 だから、不良品かと戻ってきた球を見ていたが、そんな空気を球が感じ取れなかった。


 なら別のものを誤捕獲したか?


 あり得るとしたら誤捕獲である。

 ハカセからも大量の捕獲対象の中で正確に選択するのは難しく、誤捕獲する可能性は高いとの事だった。


 こんな環境の、それもクラゲ壁の中で生きていれる生物がいるのか?


 誤捕獲の可能性、それは相手が生きていればの話である。

 生け取りオンリーのこの捕獲機に死骸が捕まる事はない。

 だから、ハカセもリビィもクラゲ壁の中に生きた他生物はいないだろうと考えていた。

 それなのにこの捕獲機には満タンになる生物が入っているとなるとかなり頑丈な生物か?いや、有り得ないとリビィは断定した。

 この捕獲機の一番の問題点は内側の脆さである。

 クラゲの様な攻撃性の低い生物でないと中で暴れて壊してしまうことが容易なのである。

 このクラゲの毒に耐えれる活きが良く容量を半分から満タンにできる生物なら球を壊す事も容易な筈である。


 鳥か?


 弱った魚も考えたが、クラゲ壁の近くにもう魚がいるとは思えなかった。

 となると、鳥が何らかの理由で落ちてきてクラゲの毒で弱っているところに捕獲機に捕まったと仮説を立てた。


 まぁ、帰って開けたら分かる事か。


 取り敢えず中身は後で見るとして誤作動の可能性あるから、誤作動袋の方に放り込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ