敵
すみません。短いです。
「それで俺達以外にこの近海に他党を組むもの達がいたんだな。」
「あぁ、明らかにヤドカリの進化からでは無理な挙動だった。」
「それにあれはかなり知能がある行動だ。独自の言語を持っているかもしれない。」
ビレイとリビィは獲物を取り逃がしたが、有益な情報を手に入れたと美味しい獲物と共に持って帰った。
「アイツは俺が食っていたら現れた。あの後も片っ端から深海の生物を食い荒らしたが、何も現れなかった。」
あそこが奴らの縄張りでリビィ達が侵入and食い荒らしに怒って来たのだと判断した。
なので、それ以上食い荒らしたら何かアクションがあると思ったが、何も現れはしなかった。
「あそこはもう捨てたんだろう。」
「俺たちにバレたしな。前にビレイが行った時には現れなかったのを見てたまたま来てただけかもしれないがな。」
ビレイはリビィと一緒に行く前に何回もあそこに行ったことがあったが、あんな奴は初めてだと言っていた。
そこから考えてあそこを縄張りにしたのはごく最近か、偶々あの場所に居て自分達の存在がバレる可能性があったためリビィ達を始末しようとして現れたという話である。
少なくとも自分達の存在を隠しているのは判明している。
「まぁ、アイツらを仲間に加えるか、食うかはまた考えるとして今度の活動範囲と絞る必要があるな。」
今回の奴らはリビィでもギリギリだった。
内容としてはリビィの無傷の圧勝だが、それは相性として良かっただけであり、リビィじゃなかった場合、苦戦もしくは餌になっていた可能性が高い獲物だった。
そのレベルが囮と逃げる手伝いをした者を加えて三体はいると考えていいと判断を下した。
そんな奴らがこの近海にいるとなれば捜索するにしてもある程度の人数の団体行動を厳守する必要があると考えていた。
「子供も近づく様な範囲の海は俺が毎日、朝と夜に見回っておこう。」
「そうだな。エコーの範囲が広い上に速度もあるリビィが適任だな。」
子供がいるのは島からほど近い海にしか子供だけで泳がない様に言っているが、これからはより強く言う必要があるとメルは考えつつ、リビィの提案に賛同した。
継続してエコーを垂れ流して泳ぐのは休み無しで歌いつつ走る様なものだ。
つまり、喉がすぐに枯れる。
リビィにはそれを起こさない種があるので、こう言う捜索には向いているのである。
「これからは島の発展より仲間の戦力上げに力をより注いだほうがいいんじゃないか?」
会議に出ている他の者からそんな提案があった。
リビィの実力は島の皆が認めてはいるので、それに匹敵する敵となれば今の戦力では多大な被害が出る可能性が高い。
だからこそ、戦力をより強化する必要があるのではないかと意見したのである。
「いや、そこは今まで通りでいい。」
「それは何故だ?」
「今の発展は防衛し易くするのも兼ねている。まずはこの近海を掌握してから戦力上げ。支配圏を広げる力はそれからでも遅くない。それに下手な戦力は邪魔なだけだ。」
最高戦力のリビィからしたら後ろで守りを硬めてもらっている方が戦いやすい上に安心なのである。
リビィもそれを仮定とした作戦と戦略を考えている。
ここで方向転換したらそれこそ中途半端で被害が甚大になるのである。
「分かった………が、その時は私も君と戦ういいな。」
「それはお前次第だ。」
リビィはそう言い切ってこの会議を終わらした。




