姉妹
少し投稿が遅れました。すみません。
「ふぅ……………」
「おい!マルク!」
マルクが翼の使い方を学び慣れてきたところで地上から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「ナニワ姉さん。どうしたんですか?大声をあげてはしたない。」
「噂はほんとなんやな。マルクが進化したって。」
ナニワと言われたメルビラン系の個体が空中にいるマルクを見て驚いていた。
「はい。リビィ様によって私は生まれ変わったのです。」
「リビィ様………か……」
リビィに思うとこがあるのか、嫌な顔をしてナニワは言った。
「ナニワ姉さんはお父さん派でしたか?」
メル派とはこの群れのトップを誰にするかという問題でメルを推していた派閥である。
ただ、メル自身やトップに推されていた個体はリビィこそがなるべきだと推されていたので、誰も正式なトップになる事はなかった。
「そうや、あのリビィっていう奴は信用できん。」
だから、誰もがリビィがボスになる事に納得していた訳ではなかった。
リビィがボスになろうとしなかったのも、元々面倒だというのもあるが、自分がなった場合何体か見せ様にしようと思っていた。
「そんな事ない!あの人は私を救ってくれた!リビィ様は素晴らしい方です!」
リビィの事を熱弁をするマルクの目は狂信が見え隠れしていた。
「それになんや?その羽は?」
「これこそがリビィ様のお力です!進化できなかった私に力を下さったのです。」
よく聞いてくれたという風に嬉々としてマルクは背中に生えている羽とそれを与えてくれたリビィについて語っていた。
「そんなで泳げんのか?」
明らかに泳ぎに適しているようには思えなかったナニワは疑問を投げた。
誰よりも海で泳ぐことが好きだったマルクにとって泳ぐ力がなくなる事は死んだようなものだと昔から言っていた事をナニワは覚えていた。
「泳げますよ。そんな事より素晴らしいですよ!空を飛ぶ気持ち良さは海で泳ぐ以上です。」
「…………変わっちまったな。」
飛んでいて感じた空気と風の気持ち良さは海と海流の気持ち良さ以上だった。
それを語るマルクを見て本当に変わったことをナニワは感じた。
「えぇ、私は生まれ変わったのです。もう弱い私は存在しません。」
「アンタは元々弱くなったやろ。」
「いえ、弱かったんですよ。ナニワ姉さん。」
ナニワは魔法を誰より練習して誰よりも繊細な魔法を使うマルクを尊敬して応援していた。
そんなマルクを決して弱いとはナニワは思っていなかった。
「強いナニワ姉さんには分からないんです。」
マルクの苦悩をナニワには分からないとマルクは断言した。
マルクが望んでいた力は敵を圧倒する絶対的なパワーだった。
「わたしは誰よりも強くなるわ。そして、リビィ様に恩を返すのです。」
「意気込みは良いが、この群れにはアタシや父さんもいるんだぞ。」
マルクが強気になったのは良い事だが、強い個体はこの群れにはたくさんいた。
「そんな事はわかっています。今の私の強さは中堅あたり。でも、この空中を制することが出来たら私はもっと強くなれる。」
空中を飛べるのは今のところマルクしかいない。
この長所を活かすことが自分の活路だと考えていた。
「なら、勝負するか?」
「良いんですか?こんな水の無いところで?」
ナニワが最も得意とするのは水中戦であり、メルビランの中では誰よりも強いのである。
「問題ない。アンタ相手に天然の水は必要ない。」
「舐めないで下さい。私は強くなったんです。それを今、証明してみせる。」




