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作戦会議

「外がうるさいな。」


「マルクが新しい力で遊んでいるんだろう。」


 リビィが外に顔を向けると、メルが推測して答えた。


「そんな事より、僕たちだけを呼んだのはなんで?」


「それにしてもいつの間にこんな建物を建てたんだ?」


 リビィはメル達が建てた城の近くの丘に自分で少し禍々しい雰囲気のある建物を建てていた。

 メルはその事に驚いていたが、ビレイはそんな事より自分達だけが集められた事について疑問に思っていた。


「え?メルが酒を飲みたいから。飲み会で集まったんじゃないのか?」


 メルはリビィが沢山飲むだろうと一切リビィの酒の強さを知らないのにリビィのイメージから。倉庫から大量の酒を持ってきていた。

 集められたのは前の歓迎会で新しい食べ物ばかりに目がいっていて酒のことを見逃していたからだと思っていた。


「そんなわけ無いだろう。リビィは相変わらず空気を読めないな。」


「うっさいな。何か話があるんだろう。飲みながら話せば良いじゃん。」


 メルはそう言ってリビィにコップを渡して酒を注いだ。


「今年は酒造が1番上手く行ってな。これはその中でも一番な出来なんだ。」


「ふむ、水とは全く違うな。喉を焼くような刺激に、独特な匂い。そして、ほのかに香る果物の香り。美味い!」


 笑顔で言うリビィにメルは嬉しくなった。

 誰よりも酒造を頑張ったのはメルだった。何となく、酒豪になりそうなメルを考えて親友に喜んでもらう為にこの数年頑張ったのだ。


「飲みながらは賛成だけど、早く本題を話してくれない?」


 ビレイも自分のお気に入りの果実酒を飲みながら言った。


「あぁ、そうだったな。話は簡単だ。俺達はこれから領地を増やしながら戦力を増やさなければいけなくなる。」


「……どう言う事だ?」


 リビィの真剣な空気でメルは身が引き締められる感覚にあった。


「俺が神と会話した事は言ったな。」


「あ〜眷属の話だね。」


 リビィは眷属の話をビレイにも話していた。


「断ったが、俺が眷属に対して前向きだと分かった神は前金と言って面白い情報を渡してきた。」


 リビィはそう言うとメルとビレイの頭に手を乗せて自分が感じた情報譲渡の方法でメルとビレイに流し込んだ。


「こ、これは……」


「眷属による神々の代理戦争。それと魔石か。」


 リビィから渡された情報を読んだ二人の表情は険しくなった。


「問題は神の眷属は大なり小なり強くなると言うところだ。」


「だが、眷属でもなくても倒せる程度の強さだと言う事だ。」


「でも、それはリビィだからでしょう。僕達は多分死ぬよ。」


 眷属になる行為は進化よりも生物を高みに上げる効果があった。

 だからと言って絶対的な強さではない。

 それでもこの群れで確実に勝てる可能性があると言えるのはリビィだけだった。


「だから、よりこの群れを強化するのと、他の種を傘下にする事によって群れの力を上げる。そして、道具のレベルを上げる。これがこの群れが生き残るのに必要なものだ。」


「群れの強化は分かるが、なぜ他の種族を傘下にするんだ?」


 ビレイは自分達以外の種が仲間になるのは懐疑的な思想を持っていた。


「そんな事をしなくてもリビィが進化を促したほうが強化につながるんじゃないか?」


 ビレイはリビィがマルクに行った強制進化をすれば手っ取り早く強くなるのではと考えた。


「あれは治療行為だ。健康なお前達にやっても意味はないどころか強くなる可能性を殺す事になる。」


「どう言う事だ?」


 メルもリビィの強制進化はドーピングのような簡単な強化方法だと思っていた。


「あれはマルクのような先天性の異常があるものに行う治療だ。」


「そもそも、マルクにあった異常って何だったんだ?」


 進化ができない異常とは何だったのか?ビレイは気になっていた。

 それは強くなれない理由であったのでリビィも話す事にした。


「分岐点がなかったんだ。」


「分岐点?」


「あぁ、進化には遺伝や才能などの先天的な要素と環境や経験からくる後天的な要素によって様々な進化の道が出来るんだ。通常は卵になっている時に無意識下でその道を選択する。だが、マルクにはその様々な道に辿り着く分岐点がなかった。だから、俺がその分岐点を作った。」


 人工的に作られた分岐点は一つしかできなかった。

 だから、リビィはマルクの空気を読んで見えている道でマルクにあった道を選んで建設した。


「俺が見えている道はごく一部だ。順当に進化する道しかまだ見えていない。メルのような劇的な進化はよく見えないから。お前達の強くなる可能性が狭まる事になる上に強制進化はやり続ければマルクのような異常が出てくる可能性がある。だから、お前達のような健康体にはやらないんだ。」


「そうか。………なら、他の種を群れに入れる理由は分かった。」


 より多種多様な戦法を取れるように他種族入れる行為が効果的だと分かったのでビレイは渋々それを認めた。


「なぁ、傘下ではなく、仲間にするのはダメなのか?」


「「……………」」


 メルの発言に二人は無言で呆れていた。


「メル、お前が心底優しいのはわかるが、上下関係は必要だ。仲間とは対等な関係を言うが、僕達が生き残るには生ぬるい事を言っていられないんだ。」


 リビィの発言を皆にせず、まず二人に話したのは、皆に話しても危機感を感じれないと思ったからだ。

 危機感を煽るにはこの10年群れで活躍してきた二人の力が必要だと思っていたからだ。

 そして、他の種族を傘下にするのも群れのみんなに危機感を煽る為だった。


「メル、ビレイの群れの戦闘能力上位陣にそれより強い俺が加わった事によって群れの奴らは何者にも脅かされないと無意識下で考えている奴らが増えてきていた。そんな奴らにこんな話をして仲良しこよしで戦力を増やしても他種族に俺たちの群れが飲み込まれるのは目に見えている。」


「だからこそ、危機感を煽る。俺たちも侵略されればこんな目にあうという強迫観念を与える。」


 メルは二人の話を静観して聞いていた。

 そして、決心した。


「分かった。2人がそこまで言うんだから。そうなんだろう。だが、乱暴に扱ったり、無闇に殺すなんてダメだ。」


「?何言っているんだ?そんなの当たり前だろう。そんな事しても意味はないし、食べもしないのに殺すなんて殺さないとこっちが殺されると言う事だ。そんな弱者の考えなんてないよ。」


 メルはリビィの発言を聞いて、前世で言う奴隷みたいな扱いではないと分かって安心したと同時に意味もなく殺す前世の人間達の残酷さと凶悪さを思い知った。

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