03、手紙
今回はアリア視点→カイン視点→アリア視点となっています。
今回のカイン視点は結構重要になっています。
私はカインにすべてを話しました。
実は、勇者召喚で幼なじみと一緒に異世界から来たこと、髪や瞳の色が変わっていたこと。王女が幼なじみに恋をして何が起こったかわからない状態で気絶させられ、気づいたらあの森にいたこと。
カインは私の話をしっかりと聞いてくれました。
「辛かったな。始めてきた世界で死にそうになるなんて」
「えっ、信じてくれるんですか?」
そんなの作り話だろ。とか、バカらしい。とか変な奴だと笑われると思っていたのに
「それなら、いろいろ納得できるしな」
「納得ですか?」
「ああ。アリアがこの世界について無知すぎることや名前。他にも不思議な点があったからな。それに・・・」
「それに?」
「アリアの魔力が変なことも」
「私の魔力が変!?」
「あ、魔力って知ってるか?」
「は、はい」
先ず、この世界に魔力とかあるんですね!さすが、THE☆異世界。
「アリアの魔力は基礎の色が違うんだよ」
「基礎の色?」
「この世界。《ミファストリー》で生まれたものは種族問わず、魔力の基礎が白で出来ているんだ。その白に自分が持っている魔力の属性の色がプラスされる。けど、アリアの魔力の基礎は銀色なんだ。」
「それだけでなんで私が異世界から来たって納得できるんですか?」
「俺は、アリアと同じように異世界から来た人の魔力を見たことがあるんだ。」
「私と同じような・・・」
「といっても勇者召喚じゃなく迷い人だがな」
迷い人。カインの説明によると召喚など故意によって異世界に来るのではなく、いつの間にか異世界に来ていた人のことを迷い人というらしい。
「とりあえず、そういう理由で俺はアリアを信じる。まあ、あとは勇者が二人召喚されたがそのうち一人が旅に出た。という話を協力者から得たからな。」
「あの、カインって何者なんですか?」
「それは、また今度な。今は寝てろ。」
「・・・はい」
窓から外を見てみると夜になっていました。
私はベッドに横になるとすぐに眠りについた。
◆◆◆◆◆
アリアはすぐに寝ついた。
警戒心無さすぎだろ!俺が襲ったらとか考えなかったのか!?
いろいろあってそこまで考えられなかったのか?イヤ、それでもなぁ
アリアが異世界から来たということは驚いたが、嘘をついてるということはなさそうだ。嘘をつく理由もないし、異世界から来たという証拠が俺にはわかるからな。
貴族や王家に狙われる可能性が高いか。
王女がアリアを追い出したのは不幸中の幸いだな。アリアの容姿や魔力を考えるだけでも喉から手が出るほど欲しいだろう。だが、それだけじゃなかったら。
能力が王女以外にバレていなくて良かった。
王女に感謝だな。アリアは気づいていなかっただろうが王女に助けてもらったことを。だが、本気で魔の森に捨てるのは危険すぎるけどな。
アリアを王城に居させるのは危険すぎる。
王女の判断がなければ貴族たちの人形のようになってしまうだろう。国王陛下は信頼してもいいがたくさんの貴族が働いている王女は狙われる可能性などを予想してあえてアリアを捨てたのだろう。
こんな手紙までアリアに持たせてたんだからな。
俺は手にもっている手紙を見た。
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この手紙を読んでくださっている方へ
この少女は異世界から勇者召喚でこの世界にきました。
私は、一目でわかりました。彼女がこの世界にとって大切な存在であることを。
彼女は強大な力ととても美しい容姿をしております。そのため、貴族たちに狙われることでしょう。許されることではありませんが、彼女は旅に出たということで他の方々には通してあります。危険な魔の森に捨てたのも彼女をここから逃がすためというのと強い方に彼女を拾ってもらうためです。
ですので、魂が清らかな方が彼女に触れたとき、この手紙が現れるようにしました。
あなたなら彼女を任しても安心できます。
私は、彼女に謝らなければなりません。
事情も説明せず、命の危険がある魔の森に捨てたことはもちろん、異世界に無理やり来させたこと。幼なじみと離ればなれにさせたこと。
私が本気で彼のことを愛してしまったこと。
どれだけ謝っても私のしたことは許されないでしょう。結局は自己満足で彼女を危険にさらしてしまった。急いだとはいえもっと他に方法があったのではないかと思います。
この手紙を読んでくださっているあなたへお願いがございます。どうか彼女を守ってください。
お願いいたします。
※彼女には悪意や下心を持ったものを弾く結界を張っており、この手紙が読まれた時点で効果はなくなります。これが今の私にできる最大限のサポートです。申し訳ございません。
ファウスティーレ王国
第二王女 リディアーノ・ファウスティーレ より
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高度な魔法まで使って。
判別をする結界を張ることだけでもそれ相応の技術が必要になる。そして、膨大な魔力を消費するだろう。
この王女ならアリアの能力を黙っていてくれるだろう。
俺は、ベッドに腰かけアリアの頭を優しく撫でた。
アリアは気持ち良さそうに寝ていた。
俺が絶対に守らなきゃな。
「安心してくれ、母さん。俺も大切なものを見つけられたから」
何があってもアリアを守る。
俺の命に変えても
◆◆◆◆◆
「うっ、ふぁ~」
私は、朝になり起きあがりました。
昨日の疲れが全部吹き飛んで頭がスッキリしたような気がします。
「起きたか。おはよう、アリア」
「カイン、おはようございます。」
カインは昨日、フードつきの真っ黒な服を着ていたが、今日はズボンにシャツとラフな格好です。そして、相変わらずの超イケメン。
「ところでカイン。ここはどこですか?魔の森ではなさそうですが・・・。ということは、魔の森の手前の森というところですか?」
カインは目を見開き私を見つめた。
「驚いた・・・。アリア、よく分かったな」
「えっ、合ってましたか?」
「ああ、正解だ。どうしてそう思ったんだ?」
「魔の森は危険だとカインがいっていたのでそこに小屋があるとは考えられません。カインはすごいスピードで私を運びながら走っていました。私の感覚では3時間ぐらい経っていたと思います。それをあのスピードで走ったとなると相当の距離だと思います。そして、魔の森が危険ならその近くに町があるということはないと思います。なのでここは、魔の森から離れているが、町とも離れているということなので、町から見たらここは魔の森の手前の森なんじゃないかと思いました。しかも、魔の森と景色が違うので・・・。」
私は、自分の考えをカインに話した。
そして、窓の外を見る。やっぱり、あの魔の森で見た不気味な森ではなく、木や植物でいっぱいな森だ。
「アリアの言ったとうりここは魔の森の手前の森だ。魔の森には危険な魔物がうじゃうじゃいるがこの森に魔物はほとんど現れないからな。」
「体調はもう大丈夫か?」
「はい。休ませて貰ったお陰で」
「なら、王都に移動する。」
「王都?」
王都って王族とか貴族とかが住んでいるところですよね?
王族というとあの王女様がいるんですか。さすがに会わないとは思うけどヤダですね。殺されそうです
私は、暗い顔になった。また魔の森に捨てられたら今度は助からないかもしれない。そんな考えが頭をよぎった。
「あ、すまない。説明が足りなかった。俺らが行くのは王都にある冒険者ギルドだ。」
「冒険者ギルドにですか?」
「そうだ。国は冒険者ギルドに守ってもらっているんだ。だから、冒険者ギルドが国からなくなったら国が崩壊する。実際に冒険者ギルドが協力しなくなった国は一年足らずで滅んだところもあった。だから、国は下手に冒険者ギルドに手出しができないから冒険者ギルドにいれば安全って意味」
「あの、それって大丈夫ですか?私みたいのが行って」
「そこは安心してくれ。話は通してあるし、それと王女のことを恨んだりしないでくれ。全て、アリアのためでもあるんだ。」
「私のためですか?」
「・・・王都に着いたら詳しく話す」
私は、気になったが我慢した。
それより、私のために王女は私を追い出した。というようにカインの言葉からは考えられる。どういうことなんだろうか?




