表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/125

絵本


「…?父さん?母さん?」


僕は心配になり声をかける。

こんな表情の二人は初めてだった。


「……岡部、舞桜ちゃんって言ったの……?」


「え?あ、うんそうだよ。岡部舞桜ちゃん」


「蒼空くんは…何処でその子と…?」


「えっと、学校でだけど…初めては病院だったかな?僕が目が覚めてすぐにお見舞いに来てくれてて、その後も何度か…学校に行ったら同じクラスでビックリしたんだ。」


「そう…」


「……」


二人は何やら考え込んでいるようだった。

女の子だから警戒しているのだろうか?

もしくは面識があったとか…?


「……蒼空くん」


「なに?」


「土曜日、大丈夫だよ。その子によろしくね」


「あっ…うん。ありがとう…」


「それじゃあパパとママちょっと2人でお話するから、蒼空くんは部屋に戻ってな?」


「うん…おやすみなさい…」


「おやすみなさい」


「おやすみなさい」


話って何だろう。

さっきまでの浮かれていた様子は感じられず、重い空気が漂っていた。

結果的に連れてきてもいいと言われたけど、ほんとに大丈夫なのか…。



そして、土曜日。

舞桜ちゃんは僕の家を知っているらしく、僕は家で待っていてと言われた。

父さんはお昼ご飯を豪勢に作って待っている

母さんもめかし込んでいた。


ただ、あれほど盛り上がっていた二人はどこか落ち着いてて…


「ねーねー?お昼ご飯なんだかすごいけどどうかしたのー?」


蒼海ちゃんがリビングに降りてきて不思議そうに聞いてきた。

あの日、自室に戻っていた蒼海ちゃんは今日舞桜ちゃんが来るのをまだ知らなかった。


「えっとね、今日僕の友達が遊びに来るんだ。」


「えぇ?!お兄ちゃんの?!どうしよう、わたしかっこいい服着ないと!」


「だ、大丈夫だよ…今のままで十分だって」


「え、えへへ…そ、そうかなぁ?お兄ちゃんがそう言うならこのままでもいいかな……あ、なんて人が来るの?」


「ん?蒼海ちゃんもしってると思うけど、舞桜ちゃんだよ。」


「……………え……?」


蒼海ちゃんの表情が凍る。

手はカタカタと震え始めた。


「う、蒼海ちゃん…?」


「……ごめんなさいお兄ちゃん…わたし、部屋に篭ってる…」


そう言うと蒼海ちゃんはどたどたと階段を上がっていき自室へ篭ってしまった。


しまった…舞桜ちゃんをなにやら苦手に思っていたのはわかってたんだからもっと早くに伝えるべきだった…


そんなことを思っているとインターホンが鳴る。


「はーい」


限界の扉を開ける。

そこには普段と違い頭にピンク色の髪留めをつけた舞桜ちゃんが立っていた。


「こんにちは、蒼空くん」


「こんにちは舞桜ちゃん。いらっしゃい」


僕は軽く挨拶を済ませると、舞桜ちゃんをリビングに案内した。

テーブルの上には料理が並べられていていい香りが立ち込めている。


「お久しぶりです、蒼空くんのパパ、ママ。」


「う、うん…久しぶりだね、舞桜ちゃん…」


「ええ…足の具合はもういいの…?」


「はい、おかげさまでなんの異常もありません。今日はよろしくお願いします」


「こ、こちらこそ…」


「よろしくね…」


父さんと母さんはなんだかぎこちない。


「あっ!とりあえずご飯食べよっか?舞桜ちゃん」


「うん。蒼空くんのパパの料理、すごく美味しそう。」


「とっても美味しいから、舞桜ちゃんもきっと気に入ると思うよ?」


僕達は椅子に座り料理を食べ始める。

どの料理も美味しくて、舞桜ちゃんも美味しいと気に入ってくれていた。


ご飯を食べている時、気になったことを聞いてみた。


「そう言えば、舞桜ちゃんは父さんや母さんと久しぶりって言ってたけど、前に会ったことあるの?」


「うん。蒼空くんが入院してるときにお見舞いでちょっと会ってたんだ。それに、私も足怪我して通院してたし」


「え、舞桜ちゃん怪我なんてしてたの?」


「小さい時にね。骨折しちゃって、それのリハビリもかねて通院してたの。」


「へぇーそうだったのか。父さんも母さんもそんなこと教えてくれなかったから…」


そう言って父さんを見るとなにやら複雑な表情をしていた。


「い、いやぁーまさかこんな偶然があるとは思わなくてね。今日実際に会うまで本人かどうかわからなかったから言わなかったんだよ。ごめんね、蒼空くん」


「そうだったんだ。ううん、大丈夫だよ。」


なるほど、二人は入院中に舞桜ちゃんと会っていたんだな。

確に、僕のお見舞いに舞桜ちゃんが来ていたのなら会っていて当然だよな…。

あの時の複雑な表情も、きっと本人かどうかわからなかったからだな。


料理を食べ終わった後、僕と舞桜ちゃんは僕の部屋に来ていた。


「へぇーこれが蒼空くんのお部屋かぁ。綺麗だね。」


「そう?あんまりじろじろされると恥ずかしいな…」


「大丈夫だよ、ほんとに綺麗だから。」


部屋を見渡す舞桜ちゃん。

隅々まで見透かされてるようで恥ずかしい。


「え、えっと、それじゃあ何しようか?あんまり遊ぶ物ないけど…」


「ねぇ蒼空くん、本棚見てもいい?」


「え?うん、見てもいいけど…」


「ありがとう」


そう言って舞桜ちゃんは本棚を見ている。

あんまり漫画は買っていないのでそこまでの楽しめるような本はないと思うけど…


「ねぇ?蒼空くん?絵本こんなにあるけど、全部蒼空くんが選んで買ってもらったの?」


「え?あぁそれはね」


絵本。僕の本棚で半分程占めている本だ。

世界の童話から、日本の昔話まで色々揃ってる。


「父さんと母さんが買ってきた本なんだ。入院中…僕が眠っている間に読み聞かせてくれてたんだって。僕が目を覚ましてからも読んでくれてたんだよ。」


「そうなんだ。それにしても、すごいたくさんあるんだね。」


「うん。目に止まった絵本はほとんど買ってたらしいから2人とも。まだ僕が読んでないのも沢山あるんだ」


「へぇ…。ねぇ、読んでもいい?」


「うん、いいよ。僕も何か読もうかな。」


そうして僕達はしばらくの間絵本を読んでいた。


眠れる森の美男

美男と野獣

桃姫

かぐや王子


色々読んだ。どれも前世にあったような物語で、違うのは主人公が男ではなく女の子になっていたということ。

性別は違えど話の本筋は僕の知っているそれだった。


「……ふぅ。沢山読んだね、舞桜ちゃん。どう?なにかお気に入りのはあった?」


「うん、どれも素敵な話だったよ。やっぱり絵本でも、久々に読むと素敵だね。」


気がつくとうっすら暗くなってきていて、夕方もふけてきていた。


「そろそろ舞桜ちゃん帰らないとかな?」


「うん」


「家まで送るよ?」


「大丈夫だよ。それに、男の子に送ってもらうなんて女の子として恥ずかしいもん」


「あっ…そうだよね、ごめん。」


「ううん。ありがとね」


会話が途切れる。

なんだか気まずい沈黙が流れていた。


「おーい、そろそろ舞桜ちゃん送っていくから降りてきなさいー」


沈黙を破ったのは母さんの声。どうやら車で舞桜ちゃんを送っていってくれるらしい。


「だ、だって舞桜ちゃん!か、片付けは僕がやっておくから下降りちゃってていいよっ」


「うん、ありがとう蒼空くん。それじゃー…」


「んっ?!」


ふわりと近づき、唇を重ねられる。

どうして僕は舞桜ちゃんのを拒めないんだ…


「んっ……。約束、これで果たせたね?」


「………うん…」


やっぱり覚えていた舞桜ちゃん。

なんとなく、忘れているんじゃないかと期待していたが最後に持ってきていただけだった。


「それじゃあね、蒼空くん。片付けありがとう。また、学校でね」


「うん……またね……」


僕は惚けながら手を振り舞桜ちゃんと別れる。

集中して片付けをしていなかったせいか、本棚に戻そうとした本が散らばってしまった。


不思議の国のマイク

グレーテルとヘンゼル

お姫様になった王子様

浦島姫子


落ちた絵本を拾い上げ本棚にしまっていく。


僕はこの時、違和感に気づけなかった。

他のそれとは違う違和感に。

そろそろあらすじちゃんと書かないとなって思ってます(´・ω・`)


とりあえず書いてみるかで書き始めたのであらすじが雑…


それに伴いタイトルも変更せねばなと…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ