家族会議
ここから少しの間目線が変わります
渚と響、蒼海は家に帰ってきたあと蒼空のことで話し合っていた。
蒼空の意識が戻った事を再確認して三人で喜び合い、障害があるかもしれないというのを蒼海にもわかるように話した。
そして今後のことについて。
先生からは今後リハビリが必要にってくると響と渚は伝えられていた。蒼海はまだリハビリの意味がよくわかってなかったが動ける様になる練習ということで理解してくれていた。
「とりあえず、明日から毎日常に蒼空くんの所に俺か渚のどちらかがいようと思うんだ。」
響がそう話始めた。
「そうね。……というより、私と響の2人が一緒に朝から毎日病院に行けば…」
「いや、ダメだよ渚。仕事があるだろ?そこはしっかりしないと。」
「で、でも事情を話せば会社だって理解してくれ―――」
「だからこそだよ。蒼空くんが眠ってから渚の会社にはかなり迷惑をかけたんだ。それに、いくら貯金があると言っても底があるんだ。これから先蒼空くんのことで予想以上に出費があるかもしれない。だから、渚は仕事の事も大事にしないと。」
そう言うこと響の顔はすこし申し訳なさそうな顔をしていた。
「………そうよね。私が稼いでこないとみんなを支えてあげられないものね。蒼空くんとずっと一緒に居られないのは寂しいけど、家族四人の為にお仕事も頑張りますか!」
「…ありがとう、渚」
「いいのよ響。……あと、今響俺も仕事しようとか考えてたりしない?私にばっかり仕事させて…とか。」
「……うん。」
渚に言い当てられて響は少し動揺するも素直にうんと答えていた。
「ハァ……まったく。あのね?私は響に働いて欲しくないからこうしてるの。それに女の私が稼いでくるなんて世間の常識なんだからね?いくらパートしている主夫が多いからって、してない主夫がダメなんてことはないのよ?」
「それは…そうだけど…」
「それに、家事だってどうするのよ。言っておくけど私ほとんど出来ないわよ?響がしてくれないと。私に出来ない事を響にお願いしてるだけなの。だから仕事しようだとか、しないと悪いとか考えないように。いいわね?」
「……うん。ありがと。」
よし!と渚は笑顔を作り響へ向けた。響もその笑顔を返すように微笑んだ。
「ねぇー?私はー?私は学校休んでお兄ちゃんのお見舞い行ってもいいのー?」
蒼海が痺れを切らしてきいてきた。
「いや、ダメだよ蒼海ちゃん。学校はしっかりいかないと。」
響は蒼海にそういうが言われた本人は納得していない。
「えーーー!なんでダメなのぉ?パパは朝からずっとお兄ちゃんのところ行くんでしょ?ずーるーいー!」
蒼海は駄々をこね始める。基本的には物分りのいい蒼海なのだが蒼空のこととなると途端に頑固になり手がつけられなくなる。
こうなると説得するのが一苦労だぞ、と響が頭を悩ませようとすると渚が蒼海に話始めた。
「……蒼海ちゃん。ほんとに学校行かなくてお兄ちゃんのところに行ってもいいの?」
「え?!うんっ!!行きたい!行ってもいいのママ?!」
「ええ、言ってもいいわよ。でもいいのかしらねーーー。」
渚はそう言って溜めると蒼海にこう告げた。
「蒼空くんがちゃーんと喋れるようになった時に、蒼海ちゃんは学校に行ってないお馬鹿さんだって馬鹿にされちゃうかもねー蒼空くんに。」
「………………えっ?」
「だってそうでしょ?学校に行ってないんだから勉強できないじゃない?それを知ったら蒼空くんは何て思うかしらぁー?」
渚はそう嫌らしい顔をしながら蒼海に問う。
「わ、わたし……お兄ちゃんに嫌われちゃう……?」
蒼海は恐る恐る渚に聞く。渚は当然とばかりに答える。
「そりゃーお馬鹿さんの事は嫌いになっちゃうかもねぇ~。知ってる蒼海ちゃん?男の子はね、頭が良くて、綺麗でかっこいい女の子が好きなのよ?」
「っ!!!!!!!」
蒼海はそう言われて衝撃を受ける。学校に行かなければ蒼空に嫌われてしまう。しかし、学校に行って沢山勉強をし、頭が良くなれば蒼空に好きになってもらえると考えた。
「ママ!パパ!私絶対学校に行く!いっぱいいっぱい勉強するんだから!」
蒼海はバンッとテーブルを叩いてそう宣言した。幼い蒼海にはそれが渚によって言いくるめられたとは考えもしない。
響と渚は蒼海がそう気合いを入れている中で蒼海に聞こえないようにこそこそと言葉を交わす。
「……なぁ、ほんとにこれでいいのか?……」
「……大丈夫よ。こうして学校行くのにやる気満々じゃない……」
「……そうだけど…よく考えたなこんな事……」
「……ふふん。当然よ。だってあの子は私の娘よ?何が餌になるかなんて考えなくてもわかるんだから!……」
響はそう言って自信満々な顔をしている渚と、気合いを入れている蒼海を見て少し不安になる。
(蒼海ちゃんも渚みたいになるのか……)
「……でもね、パパママ。学校から帰ってきたらお見舞いに行っていいでしょ?」
蒼海は二人にそうお願いした。
「うん。それはもちろん大丈夫だよ。蒼空くんも妹の顔は見たいと思うしね。」
「そうね。それじゃ蒼海ちゃんはママが仕事から帰ってきたら二人で一緒に行くことにしましょうか?」
「うん!一緒に行く!」
「よーし。これで決まりだな。あとは……」
そう響が話を変えようとした時、渚が待ったと声をかける。
「まだ決まってないことがあるわ……ねぇ?響?響は一体朝から何時まで病院にいるつもりかのかしら……」
渚がそう言うと響はギクリとする。
「そ、それは当然夜まで……だけど…」
「へぇ〜?私と蒼海ちゃんは半日も一緒にいられないのに、響は丸々1日一緒にいるつもりなんだ?」
渚はじとっとした目で響を見る。
「い、いやほらだって!家事なら朝早くから終わらせられるし!渚と蒼海ちゃんが出て行ってからなら俺は余裕がっ…」
「……ねぇ?響?私、夜ご飯は病院から帰ってきてからすぐに食べたいなぁ。それも、出来立てのやつ。熱々で美味しいのね。」
「うっ…」
「でもでもぉ〜もし響が私達と同じ時間まで病院に居たらぁ〜すぐにはご飯食べられないわよねぇ〜?」
「ううっっ」
「それにすぐ食べられる用意してたとしても、それは作り置きとかでしょー?熱々で食べたいなぁ私は。」
「………わ、わかったよ……」
「ん?どうしたの響?何がわかったって?」
「渚と蒼海ちゃんが病院に来たら、俺は帰るよ…。美味しいご飯作って待ってるからちゃんと帰ってくるんだぞ?」
「あら!なんかごめんなさいね響ぃ。そうしてもらえると私も蒼海ちゃんも嬉しいわっ。」
そう言って渚は響を言いくるめた。いや、この場合響も部が悪かった。
(ほぇ〜)
そんな2人の会話を見て蒼海は思っていた。
(パパがママにこんなこと言われてるの、初めて見た…)
「よしっ!それじゃあ蒼空くんのお見舞い分担はこれで決まりね!」
「……はぁーい…」
「はいっ!」
渚の声に、元気に反応する蒼海と残念そうにする響。
その後も蒼空に誰が初めに名前を呼んでもらえるか、誰が初めに蒼空と言葉を交わすかなどを話し合いながら夜は老けていった。
コメントやメッセージ頂いた結果リハビリ中の家族目線書いていくことにしました。
そこまで長くはなりませんが少しこの目線続きます




