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再会


お腹の中の子の名前が蒼海に決まってから4ヶ月後、無事に渚は出産できた。


産まれたばかりの蒼海を抱き、愛おしそうに見つめる渚。

なんてデジャヴだろうか。俺は同じ光景を1年ほど前に見ている。


俺は蒼海に父乳を飲ませる。

元気な女の子だ。蒼空ちゃん…いや、もう妹がいるんだ。蒼空くんって呼ばないとな。

蒼空くんの時より力強く飲んでいる。


二人目の我が子。俺はしっかりと育てられるだろうか?蒼空くんのことを隠しながら…






蒼海ちゃんが生まれてから三ヶ月が経った。さすがは女の子と言ったところで、特に病気にもなることなくすくすくと成長している。


蒼海ちゃんが生まれてから渚の束縛はほとんどなくなった。外出も特に抑えろと言われていない。

それでもまだ光さんには会わせてもらえていないが、近いうちに会えるようになるだろう。


そして今日俺は蒼海ちゃんを連れて病院に来ている。3ヶ月検診というやつだ。

平日だったので渚は仕事に行っている。


検診が始まり蒼海ちゃんを先生に任せる。俺はその間、蒼空くんに会いに行った。

約1年ぶりの蒼空くん。

光さんからは定期的に蒼空くんの写真が携帯で送られてきたが実際に会うのは1年ぶり。


「蒼空くん。パパだよ。わかるかな?……約束破ってごめんな……」


そう、眠っている蒼空くんに謝る。


実際に会うとやはり変わっている。確実に成長していた。

身体も大きくなっているし、髪も伸びている。


「あ、野上さん。お久しぶりです。」

先生が来た。先生とも1年ぶりになる。


「先生…お久しぶりです。本当に申し訳ありませんでした」

先生へ謝罪する。毎日来ると、必ず面倒を見ると言ったのにあのざまだったのだ。謝罪は当然。


「いえいえ、仕方の無かったことですから。こちらこそ協力できずに申し訳ありませんでした。………どうですか?久々にあった息子さんは」


「ありがとうございます………はい、成長…してくれてます…」


先生に謝れた事で安心したのか、俺は涙が出てきた。

蒼空くんの成長を直接確認できたのも相まってるんだろう。


「はい、元気に成長してくれています。この分ですと後半年しないで人工呼吸器も取り外せるでしょう。」


「ほ、本当ですか?そこまで回復を?!」

驚いた。この先人工呼吸器は取り外せないと言われていたから。


「はい。成長につれ呼吸器官が機能を取り戻しつつあります。これなら自発呼吸も問題なく行えるでしょう。」


よかった…本当によかった…。


「先生、これからも蒼空くんを宜しくお願いします。俺もこれからは定期的には来れると思いますので」


「それはもちろん。責任をもって預からせてもらいますよ。野上さんも、無理をなさらず」


「はい…。あの、もう一つベッドがあると思うんですけどそれは?」

そう、蒼空くんの病室は小児科病棟に移されており部屋は2人部屋だったのだ。


「あぁ、それはですね。骨折した女の子が入院しているんですよ。本来なら骨折では入院は必要ないんですが、年齢が…」


「年齢がなにか問題あったんですか?」


「まぁそうですね。年齢は蒼空くんと同い年で1歳迎えたばかりのお子さんなんですよ。その年齢ですと怪我が治る速度自体は早いのですが、その分変な骨のつながり方になってしまうと後遺症が残ってしまうので入院して確実に、と」


「なるほど、そう言う事だったんですか。1歳で骨折だなんて可哀想に…」


「全くです。それに、骨折をした理由がまた…」


「?何だったんです?」


「えぇっと…患者さんの個人情報なのであまり他言しないでいただきたいんですが……その子、積み木を自分の足に叩きつけていたんです。骨が折れるまで…」

馬鹿な。…そんな子供本当にありえるのか?


「え、それは本当ですか?」


「はい。本当です。…障害があるわけでもなく至って健康な女の子なんですが。本来大人ですら自分の骨が折れるまで叩くなんて事できないはずなのに、その子の足には何度も積み木を叩きつけた跡があったんです。」


「虐待…では?」

率直にそう思った。子供が自分でそんなことするはずないと。


「私もそう思いました。しかし、骨折した場所は保育園。保育園で幼い子供が大勢で積み木で遊んでいたそうなんですが、その子は保育士の死角で叩きつけていたんです。…もちろん保育士の虐待を疑いましたが保育園には監視カメラがついていたんです。警察が確認したところ、自分でやっていた。と」

少し寒気がした。

その子は何を思ってそんな事をしたのか。足を折らねばならない理由があったのか…


「それでその子、偶然にも蒼空くんと誕生日が1日違いなんですよ。」


「え、そうだったんですか?偶然ですね。」


「はい。出産もこの病院だったので、多分産まれてから蒼空くんとは会ったことがある筈なんですが」


「そこまで一緒だったんですね。お名前はなんていうんですか?」


「はい。名前は――――――」













岡部舞桜。


狂気の歯車は俺の知らないところで動き始めていた。



久しぶりにヒロイン登場

名前だけだけど

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