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市長の娘。おそらくそれが理由で掴魅会長の補習事案は通ったんだろう。どの世界でも権力ってのはあまりいい使い方されないんだなと思う。


「ねぇ、蒼空くん?夏休み補習になるって本当なの?」


「んーまだ決まった訳じゃないよ母さん。テストの点数次第かな?」


「そう!なら問題ないわね!蒼空くん頭いいから!」


そう言って母さんはルンルンと旅行会社のパンフレットを見ている。


「どこか旅行行くの?」


「えぇ!だって今年は蒼海ちゃんもいるし、久々に家族4人で旅行へ行けるんだもん!母さん張り切って計画しちゃうわよ!」


目を輝かせてパンフレットを覗く母さんはまるで学生のよう。若いなぁと息子の僕が見ても思う。


「私、お兄ちゃんと2人がいい」


「こら、蒼海ちゃんそんなこと言わないの。僕とだけじゃなく家族で行くから意味があるんだよ?」


相変わらずの蒼海ちゃん。早急にどうにかしないと母さん達のメンタルがやばいと感じる。


「……蒼海ちゃんは僕と旅行いきたい?」


「うん!行きたい!行ってくれるの?!」


「母さん達と普通に話せたら考えてあげる。」


「……なら、我慢する。」


「いいの?2人でもいいんだよ?」


「うん。それでも、我慢する」


思っていたより蒼海ちゃんの気持ちは重いようでこんな簡単な釣りでは変えられなかった。じっくりとやっていかないとかぁ。





そして、ついにやってくる期末テスト。

クラスの雰囲気はかなりピリピリとしている。それもそのはず、80点以下なら実質夏休み無しなのだ。学生全員が気合いを入れていく。

そんな中非常にまずい状況に陥っている人がいる。僕だ。


その緊張感に当てられたのかとてもお腹が痛い。冷や汗が滲み出てくるほどに。あぁ、問題は簡単なのにペンを持つ手が震える。

ゆっくりと腹痛に耐えながら答案を埋めていき7割型埋まったところでチャイム。

あまりにも、あまりにも情けない理由で僕は補習への参加が確実のものとなっていた。


「蒼空くん?大丈夫?顔色悪いよ?」


「う、うん。ちょっと、トイレ行ってくるよ……」


舞桜ちゃんに心配されながらトイレへ向かう。

ごめんなさい母さん。帰ったらあやまらないと。旅行、行けそうにないや……


「よう!蒼空!テストどうだった?」


「ぁ、正人。うん、終わった。確実に」


「え?!蒼空が?!もしかしてそんな難しい問題だったのか?!やべぇ俺全問ミスってるのかも……」


「あぁ違うんだ。ちょっと、緊張してお腹痛くって。7割しか回答書けなかったんだ。」


「そりゃ……なんていうか、お疲れ様。そうだ。一騎はどうだった?」


「ぼ、ぼくは普通かな?たぶん、うん。平気だと思う。」


「おーさすが一騎。でも蒼空補習となると大変だなぁ。多分ほとんど女だぜ?」


「そうなのかな?うーん、知り合い居てくれればいいんだけど。」


「まぁとりあえずテスト結果待ちだな!」


後日、テスト返却。案の定お腹が痛かった時の教科は80点未満。補習確定。



「……はぁ。」


「蒼空くん?どうしたの?」


「いや、うん。補習確定みたいでさ……」


「……ほんとに?蒼空くんが?」


「うん。残念だけど夏休み無しだね……」


「……大丈夫?」


「まぁしょうがないよ。超えられなかったのは事実だしね。大人しく補習に参加することにするよ。」


「補習って、後で通知きたりするの?」


「なんか後で先生が対象者にだけプリント渡すって。」


「そっかぁ……。蒼空くん、今日は放課後なにか予定ある?」


「今日?テスト終わったから部活行かなくちゃじゃない?」


「あ、そうだよね、うん。ごめんね、私今日用事で部活出られないんだ。一緒に帰れない。」


「うん、了解。それじゃ明日からだね」


「うん。ごめんね」



そうして放課後、珍しく舞桜ちゃんは僕と一緒に行動せず1人で用事へと向かった。

なんだか1人で居るのが凄く久々な気がする。

そんな新鮮味を味わいつつ剣道場へ向かう。中からは既に稽古が始まっているのか声が聞こえてくる。


「すいません。遅くなりました!」


「おぉ!蒼空くん!1人で来るなんて珍しい!」


元気良く話しかけてきたのは部長の要真矢(かなめまや)先輩。明るく元気な人で、部活のムードメーカー。


「それじゃ着替えてきますね。」


「あぁ!今日は久々の部活だ!いつもより厳しくいくぞ!」


「はい!お手柔らかにお願いします!」


夏休みへの不満を晴らすように僕は竹刀を振るって取り組む。久しぶりの道着は重く竹刀も重く感じたが、その分汗を流し集中できた。


部活で僕が汗だくになりながら要部長にしごかれる中、別のところで冷や汗をかかされている会長がいたなんて僕は気づくわけなかったのだった。

別の作品投稿始めました。

異世界姫プレイ日記ってやつです。

とりあえず6月中はそっちをメインで更新していくんでこっちは毎日更新ってわけにはいかなくなりそうですすんません。


でも書きたかったんだ異世界

かるーいギャグっぽいの書きたかったんだ

かるーいヤンデレも書きたいのん

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