44話 嘘の告白
「香さん!!」
私が玄関を開けて呼びかけると香さんは振り返ってニコニコしながらこっちに寄ってきた。
「どうしたの?彩華ちゃん?もしかして!!秋羅にプロポーズされた?」
ニコニコしている香さんをこれから傷つけるかもしれないと思うと怖くて声が出なくて首を左右に振ることしかできない。
「もしかして……秋羅が暴力??」
「ちがいます!!ちがいます!!」
私は香さんお素っ頓狂な発言にすごい勢いで首をふる。
「じゃあどうしたの?」
香さんは秋羅さんによく似た優しい表情で私に聞いてくれる。
「わたし……香さんや秋羅さんに嘘をついてました。」
「そうなの?」
私の発言に香さんはまるで知っていたかのようにあっけらかんとしながら質問してくる。
「わたし……実は美穂さんの隠し子なんです!!」
「えっ……え~~~~~!!!!」
わたしが頭を下げながら真実を言うとさすがに香さんは驚いたようで大声でさけびだす。
「ちょっと待って!それって秋羅は知ってるの?」
「はい……実は昨日パパが私を取り返しにこの家にきて、パパの策略で身売りされそうなところを秋羅さんに助けてもらいました。」
自分で昨日のことを説明していて顔が火照っていくのを感じる。
「そんなことがあったのね……はぁ……秋羅の母としても彩華ちゃんを応援するおばさんとしても……一度美穂さんには怒りたいけど……もう怒れないわね。」
「ママは立派なママでした。」
香さんのママへの怒りを感じて私はママを悪く言われるのが嫌で否定してしまう。
「確かに……美穂さんはとても器用で頑張り屋さんだったから……秋羅や翔真ちゃんだけじゃなくて彩華ちゃんのお父さんや彩華ちゃんのことだって幸せにできていたのかもしれない……でもね、美穂さんがしたことは人をだましたり、裏切ったりする悪いことなの、だからね……本人たちが許してしまっていても第三者の私が許せないこともあるのよ……。」
香さんの諭すような言葉はあたしの胸に突き刺さり、私は何も言い返せなくなってしまう。
「それで?彩華ちゃんはこれからどうしたいの?」
香さんのこの言葉はなぜか試されているような気がして緊張が私の体に走る。
「正直……わからないです。娘になるべきなのか結婚していいのか……私たちではまだ答えが出なくて……とりあえず家族として居れたらなって思っていまっす。」
私は自分たちの答えが合っているかなんてわからなくてどんどんと自信がなくなっていく。
「そうよね……私もそれで今はいいと思う……関係なんてゆっくり構築してもいいものなのだから。」
香さんは私の頭を優しくなでながら応援の気持ちが伝わる言葉をくれた。
「でも!もし彩華ちゃんが秋羅の妻になりたいと思うのであれば、同じ妻仲間として忠告するわ!」
「なんですか?」
優しかった香さんの声が厳しいものに代わり私は背筋がピンとなる。
「もう少し周りを見るようにしなさい!!彼女になるっていうならいいけど妻になるってなれば二人だけじゃ乗り越えられない壁だってあるんだから。」
「はい……」
私は香さんの強い視線に気圧されて返事をするのが精いっぱいだった。
「あら!こんな時間!!早く帰って旦那に朝食作らないと!!じゃあ!私帰るわね!!彩華ちゃん!秋羅や翔真ちゃんをよろしくね!私は応援してるから」
香さんはそういうと嵐のように去っていった。
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明日、朝6時に45話を投稿します!45話も読んでいただけるとありがたいです。
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