42話 朝のみそ汁
「おはよう!!」
俺が朝起きると、家の中には朝食のいい香りが漂っていた。
「秋羅さん!おはようございます!ごめんなさい!昨日は寝ちゃって!部屋まで運んでくれたんですか?」
彩華ちゃんは朝だというのにハイテンションですごい勢いで会話をぶつけてくる。
「あぁ……別にいいよ……気にしないでくれ!」
「それで??運んでくれたんですか?」
彩華ちゃんはやけに強調しながら質問してくる。
「あぁ……運んだ……」
「どうやって運んだんですか??」
彩華ちゃんはコンロの火を止めて嬉しそうにこっちに来ながら聞いてくる。
「普通にだよ!」
「普通にじゃわからないですよ!!ほらほら!!再現してみてください!!」
そう言って彩華ちゃんが俺に寄りかかってくる。
(ピンっ!!)
「痛ったぁ~朝からひどいです!!どうやって運んだのか聞いただけなのに!!」
俺が寄りかかってきた彩華ちゃんの額にいつも通りデコピンをするとそれこそいつも通りのオーバーリアクションで彩華ちゃんは額を抑えながら床にぺたんと座り込む。
「普通にお姫様抱っこしただけだ!わかったか!?」
「えへへ~やっぱりぃ!!今度は起きてるときにしてくださいね!!」
彩華ちゃんはデコピンをされたのをもう忘れたかのようなニヘラっとした笑顔を向けてくる。
「絶対やらん!!」
「え~じゃあ今度は秋羅さんの隣で寝たふりしよ~!!」
彩華ちゃんの要望に俺が拒否をすると、彩華ちゃんは不服そうに頬を膨らませながら計画を明るみにする。
「そんなことするならもう運んでやらないぞ!!」
「うそうそ!冗談ですよ!!でも!お姫様抱っこしてほしいっていうのは本当ですからね!」
彩華ちゃんは大げさなジェスチャーをした後、わざとらしく上目遣いをしてくる。
「気が向いたらな!!」
「やったぁ!!!」
まぁ……美少女の上目遣いを断れる男はいない。
俺の了承を胸にルンルンでキッチンに戻った彩華ちゃんが慣れた手つきでどんどんと朝食を並べていく。
「今日もおいしそうだな!!」
「うふふ~今日の朝食は一味違いますよ!!」
彩華ちゃん何かを企んでいるような顔でこっちを見てくる。
「なんかしたのか?」
「いただきまーす!!」
俺が質問をするが、彩華ちゃんはそれを無視してみそ汁をおいしそうに飲む。
「彩華さんなんかしたんですか?」
「いやー今日の料理はおいしいなー!!」
彩華ちゃんは俺の質問を無視しながら朝食を食べ進める。
「はぁ……いただきます」
俺は諦めてみそ汁を手に取ってすする。
「ん?……」
「どうです?」
俺が少し理解できなくて頭にクエスチョンマークを出していると彩華ちゃんが味の感想を聞いてくる。
「薄くないか?」
「うわぁ~!!秋羅さんデリカシーない~!!女の子の手料理はいつもおいしいって言わなきゃダメなんですよ!!」
彩華ちゃんはやけに楽しそうに指を突き立てながら生徒を諭す先生のように説教してくる。
「いやいやいや!!昨日の夜までちょうどいい味付けだったじゃんか!!」
「昨日まではママの料理の味に寄せて作ってましたけど!私はほんとはこのくらいの味付けが好きなんですよね!!」
おいしそうにみそ汁を飲みながら終始彩華ちゃんは嬉しそうにしている。
「俺はもっと濃いほうが好きなんだが……」
(ドンっ!!)
濃いほうがいいと言った俺の前に置かれたのはみそと醤油だった。
「そう思うなら自分で味を足してください」
そういう彩華ちゃんにはかなりの圧があった。
「いや、翔真だって濃いほうが好きだと思うんだよ!!それに翔真は自分じゃ味を調えられないだろ?」
「ちっちっち~!!翔真くんこそまだ子供なんですから今のうちから濃いものばっかり食べていると将来病気になったり味覚が鈍くなったりしちゃうんです!!だから!翔真くんの為にも薄味にしたんです。」
彩華ちゃんは俺の翔真を盾にした抗議に待ってましたという勢いで胸を張りながら説得してきた。
「それもそうだなw……わかったよ」
俺は降参の合図として両手を挙げたあとみそ汁を口に運ぶ。
「あれっ?みそと醤油使わないんですか?」
「俺だって高血圧とか怖いからな……それに……これはこれでおいしいし」
「えへへ~よかったです」
内からこみ上げる羞恥心に俺がそっぽを向いていると彩華ちゃんのほうからはとろけるような喜ぶ声が聞こえた。
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明日、朝6時に43話を投稿します!43話も読んでいただけるとありがたいです。
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