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28話 少女の遊園地その⑤

「なんでそんな顔をしてるんですか~?」


 観覧車から降りた私はいまだにそっぽ向きながら頬をかいて恥ずかしそうにしている秋羅さんのことを私はからかう。


 「あんまりからかわないでくれ……あの時はちょっと感じたことを言っただけなのに翔真も美穂も感動したって言ってきて、それをぶり返すどころか彩華ちゃんまで感動したとか言われても恥ずかしいだけだ……もう半分黒歴史だよ!」


 秋羅さんはようやくこっちを向いたと思えばはにかむような笑顔を浮かべながら私に言ってくる。


 その笑顔には確かに恥ずかしさが表に出ていたがその裏側に懐かしさがにじみ出ていた。


 やっぱりママはかなりの強敵だ……これからどこに行ったって何をしたって秋羅さん……それに翔真くんの心の中にはママがべったりと媚びりついているのだろう。


 わたしがそんなことを考えて、足を止めると前を歩いていた秋羅さんはこちらを振り返るといつもの優しい心配するような顔を浮かべている。


 秋羅さんにつられた翔真君がこっちを振り返り、不思議そうに私のほうをみている。


 ……きっとこの二人からこびりついたママを剥がすのは無理だろう、でも塗り替えることはできる……ほんとのことを言えばいいのだから……でも……それをしたらきっとこの優しい秋羅さんも笑顔の翔真くんもいなくなってしまう。


 私の憧れる幸せの家庭は崩れてしまう。


(ベシッ!!)


 私は自分の頬を両手のひらではたく。


 その衝撃音に秋羅さんと翔真くんは顔に驚きを浮かべている。


 別に無理に2人の中のママを消そうとなんてしなくていい……きっと心の広い2人の心にはまだ沢山の余白があるはずだから……だから残りの余白を私で埋め尽くせばいい。


「どうしたんだ?大丈夫か?」


 叩いたことで赤く染っている私の頬を心配そうに見ながら秋羅さんがこちらを見ていくる。


「大丈夫です!ただ秋羅さんがカッコよすぎてぼーっとしちゃったので喝をいれただけです!」


 私は別な意味でも頬を赤く染めながらいつものように冗談を吐く。


「だからあんまり大人をからかうな!」


 秋羅さんはいつものように私を叱る。


「えぇーからかってないのにー」


 楽しいやりとりと共に私はまた歩き出す、嘘や冗談が上手くなってきている自分が産んだ罪悪感に後ろ髪を引っ張られながら。

お読みいただきありがとうございます!!


明日、朝6時に29話を投稿します!29話も読んでいただけるとありがたいです。


また、面白いと思っていただけのなら評価・レビューいただけたら幸いです。

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