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29話 少女の遊園地その⑥

それから私達は隠れモンキーを探したり、お土産を買ったりして翔真くんに振り回されながらも最高に幸せな夢みたいな時間を過ごした。


 「19時30分よりモンキーナイトパレードを行います!」


 幸せで詰まっている私の耳にそんなアナウンスが入り込んでくる。


 モンキーナイトパレード……それはモンキーランドの名物とも言えるモンキーランドのキャラクターやキャストさんたちがパレードフロートに乗りながら音楽に合わせながら踊ったり話をしたりするショーである。


 正直遊園地に遠足くらいでしか来たことがない私は夜までモンキーランドに居たことがないのでモンキーナイトパレードを見たことがない。


 友人達からモンキーナイトパレードは感動するとか言われたことはあるけど正直あんまり理解ができていない。


「パパ!!彩華お姉ちゃん!モンキーナイトパレードだよ!いこいこ!!!」


 翔真くんはアナウンスが耳に入ってこれから起こることを頭で予想したのかウキウキした様子で私達の手を引っ張る。


 まだパレードの19時30分まで時間はあるというのに翔真くんの勢いにやられてパレードが行われる通路の方へ歩いて行く。


 ……正直私はモンキーナイトパレードを甘く見ていた。


 パレードまでまだ1時間以上あるというのにそこには場所取りをする人達でいっぱいだった。


「すごい人ですね……」


「まぁーモンキーナイトパレードはモンキーランドの目玉のひとつだからね」


 私が呆気に取られていると秋羅さんが補足してくれる。


「パパ!あそこ前の方空いてる!」


 翔真くんの掛け声でどうにか空いていた前の方の場所に私達は陣取り、パレードが始まるその時まで今日の感想をみんなで話し合って早めの感想会をしていた。


「皆様お待たせ致しました!モンキーくん達の準備が出来たようなのでモンキーナイトパレードを開始します!それでは皆さんカウンドダウンお願いします」


 感想会をして居るとあっという間に時刻は19時30分になっていて元気な女性のアナウンスが遊園地内に響き渡る。


「「「「「10.9.8.7.6.5.4.3.2.1」」」」」


 モンキーナイトパレードに慣れている人達がアナウンスのタイミングに合わせて10からカウンドダウンを始め、私も8くらいから一緒に数え始める。


「レッツモンキーパレード!」


「「「レッツモンキーパレードー!!」」」


 カウンドダウンが終わった瞬間アナウンスが今までよりも元気な声でモンキーナイトパレードの開始を宣言し、それに合わせて観客たちがみんなパレードの開始を宣言する。


 次の瞬間朝から閉ざされていた奥の方の扉が開き大きな音で鳴り響く音楽たちと共にキャラクターやキャストが乗ったパレードフロートが眩い光を放ちながら続々と列をなして登場してくる。


 圧巻!私の中に最初に衝撃を与えた感情はそれだったが、パレードフロートから鳴り響くココロオドルリズムに感化されてふつふつと楽しい感情が湧き上がる。


 奥の方で音を鳴らしていたパレードフロートが近づいて来るとその上で元気に踊るモンキーくんやキャストだったり、優雅に踊るモンチーちゃんやキャストだったり、踊り狂っているモンス親方とキャストだったり、そのキャラクター達にあった音楽や光やダンスが各パレードフロートで行われていて、それらが途中交わるのにそれが不快ではなくより一層心を踊らせた。


「彩華ちゃんモンキーナイトパレード見るの初めて?」


 初めてのモンキーナイトパレードに心だけを踊らせて惚けていると隣から優しい声が私にかかる。


「そうですけど……悪いですか!」


 私は何故か恥ずかしくなって仏頂面で答える。


「いや……不快にさせたならごめん……でもこれみて!」


 そう言って秋羅さんは肩車している翔真くんの方へ指を指す。


 そこには目をこれでもかと輝かせながら手を揺らしたり体を動かしたりしてリズムに乗るかわいい翔真くんがいた。


「翔真も初めてモンキーナイトパレードを見た時は今の彩華ちゃん見ないな表情してたんだけど今ではこうやって体まで動かして……初めて見た時から楽しそうではあったけど毎回違う動きだったり表情を見せてくれるんだ……それが俺の楽しみでね……また見たいって……次はどんな姿を見せてくれるんだって思ってるんだ!」


 やっぱり秋羅さんの言葉は不思議だ……すっごく共感できて……私も次モンキーナイトパレードを見る翔真くんの姿も見たいし、今の翔真くんの姿も焼き付けたくなる。


 さっきまでパレードのことでいっぱいだった脳と心が翔真くんに移り変っていく。


 そしてそんな私の方を秋羅さんは指さしてくる。


「……っへぇ?」


 私は突然のことに変な声が出ててしまう。


「そして今度は楽しみがもう一つ増えたよw」


 ……っつ!!かぁぁー!!


 少し照れくさそうに微笑む秋羅さんの意図がわかった私は視線をパレードに戻してパレードに集中し始める。


 別に……無性に恥ずかしくて秋羅さんの方が見れなかった訳じゃない!!けっして!


 なぜだかパレードのリズムより鼓動が強く早く波打つが……私はそんな自分が心地よくて仕方なかった。

お読みいただきありがとうございます!!


明日、朝6時に30話を投稿します!30話も読んでいただけるとありがたいです。


また、面白いと思っていただけのなら評価・レビューいただけたら幸いです。

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