18話 少女の食事情
彩華ちゃんを追うように俺がリビングに入ると、彩華ちゃんは椅子に座りながらスマホをいじっており、そのぷっくり膨れたほっぺたが、感情を表していた。
「ちょっとやりすぎたかな……」
先程の自分の行動に反省はしたもののアラサーのサラリーマンに女子大生の機嫌の取り方なんてわかるはずもなく、逃げるように冷蔵庫へと向かい、冷たいビールを求めて冷蔵庫を開ける。
「ん??」
冷蔵庫の中身を見た俺にある疑問が浮かび、机の上に視線を送る。
「机の上に置いたお金使ったのか?」
俺が疑問を彩華ちゃんに投げかけると、彩華ちゃんはガバッと立ち上がりテレビ台の引き出しを開けると一つの封筒を取り出して持ってくる。
「使ってません!!机の上に置きっぱなしはよくないと思って引き出しに入れておきました。」
彩華ちゃんはいまだに少しムスッとしながら当たり前のことのように言い放つ。
「昨日はどこかに食べに行ったのかい?」
俺の中に1つの可能性が浮上し、質問を続ける。
「いや?家で食べましたよ?」
彩華ちゃんは俺の意図が分からないようで首をかしげながら答えてくれる。
「出前でもとったのかい?」
「自分で料理して食べましたよ?」
この時……可能性が当たっていることが俺の中で確信してしまう。
「一応聞くけど……彩華ちゃんはダイエット中とかじゃないよね?」
「違いますけど……えっ!!?もしかして!私痩せたほうがいいですかね!?」
彩華ちゃんはそういうと焦ったように自分のお腹をさすり始める。
彩華ちゃんはかなりスタイルがよく太ってるなんてことはない、逆に痩せすぎな気がする。
「いや……彩華ちゃんのスタイルはいいと思うから安心してくれ」
俺がそういうと彩華ちゃんの頬が赤く染まる。
「聞きたいことがあるんだけど!!いいかい??」
この後俺が話そうとしていることを言う前に事前の説明をすると、彩華ちゃんは別に小食じゃない!
よくもったいないと言って翔真が残したご飯を食べているし、前彩華ちゃんの入居祝いとして寿司を出前した時は頼みすぎて残った寿司も全部食べていた。
そう、彩華ちゃんは大食いなほうなのである。
「聞きたいことがあるんだけど!!いいかい??」
「この質問攻めなんなんですか?私に答えられることなら答えますけど……」
「昨日の朝から今まで……今が夕方5時だから、朝ごはん2回と昼ごはん2回と夜ご飯1回食べてるはずなんでけど……何を食べたか聞いてもいいかい?」
俺の言葉には自然と圧が込められる。
「えっ……えっと昨日の朝は翔真君と目玉焼きとウインナーとみそ汁とご飯を食べて、お昼は塩おにぎり1つ食べて、夜ご飯は卵焼きとご飯を食べて、今日の朝は昨日三人分炊いてたご飯が余ってしまったのでチャーハンを作って食べて、……お昼は、チャーハンおにぎりを食べましたけど。」
そう……彩華ちゃんが言った通り冷蔵庫からは卵が4個とウインナー1袋だけが減っていた。
「少なすぎるだろ!!」
俺は彩華ちゃんの献立を聞きながらもう一度冷蔵庫の中に視線を送り、彩華ちゃんの献立を確認すると叫ぶように言う。
「へぇ!?」
彩華ちゃんは俺が怒鳴ったことに驚いたようで変な声と一緒に肩を震わせる。
「遠慮してるのかい?」
俺が静かな口調で言うと彩華ちゃんは困った顔を作る。
「いやーまぁ遠慮してるって言うのも確かに少しはあるんですけど……どちらかというと私の中ではこの量が当たり前というか……」
そういう彩華ちゃんの顔は少しずつ下を向いていき、顔色は暗くなっていく。
「どういうことだい?」
「家の冷蔵庫にはそんなに食材が入ってなくて、おこずかいもそんなにもらえなかったので……」
彩華ちゃんの顔は完全に下を向いたまま、消えそうな声で話してくれた。
「それって……叔父さんの家での話かい?」
俺はあったこともない彩華ちゃんの叔父さんに腹を立てながら確認する。
「あっ……はい!そうです!それに!叔父の家を出た後も友人の家で遠慮せずにご飯食べるわけにもいかないですし……バイト代だけじゃそんなに豪遊はできないので!!」
彩華ちゃんはなぜか勢いよく言い切った。
「はぁ……飯!行こう!」
「えっ!!ちょっ!このまま??」
俺は彩華ちゃんの手を掴むとそのまま外に出て、途中翔真の迎えに行きながら三人で焼肉食べ放題に向かった。
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明日、朝6時に19話を投稿します!19話も読んでいただけるとありがたいです。
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