11話 息子と少女の対談
「よし!彩ちゃんこれからここで暮すんだもの!まずは翔真ちゃんに紹介しないとね!!」
母さんはそういうと翔真が居る部屋に向かってスキップしながら向かっていく。
「翔真ちゃ~ん!」
母さんのあまりの上機嫌な姿に俺と彩華ちゃんは顔を合わせて苦笑いする。
「はいはい!みんなで自己紹介し合うわよ!秋羅も彩ちゃんも座って!翔真ちゃんはばぁばの隣に座りましょうね!」
「うん……」
翔真は彩華ちゃんのことを警戒してるようで母さんの後ろに隠れながら回りこむように母さんが座った席の隣に座る。
「……パパ……この綺麗なお姉さんは誰?」
意外にも一番最初に言葉を発したのは翔真であり、そのことに驚いて俺は翔真のほうを見る。
「えっと……」
「私はね!さとう さやかって言うの!美穂さんのお葬式で秋羅さんに会って一目ぼれをしちゃったの!そこでね!秋羅さんのお嫁さんになりたくてここに来たの!翔真くん!お姉さんを応援してくれる?」
どうやって彩華のことを子供に伝えるか考えていると、彩華ちゃんがわかりやすくストレートに伝えた。
「ダメ……パパにはママがいるもん!」
翔真は顔を伏せ、まるで自分に言い聞かせるかのようにつぶやく。
「翔真……」「翔真ちゃん……」
これには俺も母さんも翔真に同情して何も言えなくなる。
「そうだね……確かに美穂さんと秋羅さんは愛し合ってたし幸せを築いてたと思うの……翔真くんも幸せだったでしょ?」
俺と母さんが黙ってしまったなか、彩華ちゃんは暖かな口調で翔真に語り掛け始める。
「うん……」
「でもね……美穂さんは秋羅さんも翔真君もすぐには会えない場所に行っちゃたの……」
優しく語り掛ける彩華ちゃんの温かさに俺は迫りくる懐かしさを感じていた。
「うん……パパも言ってた。」
「あのね!お姉さんは知ってるから特別翔真君に教えてあげるんだけど!秋羅さんと翔真くんがまた美穂さんに会うには何十年もかかるの!」
「えー!!そんなにかかるの!?……早く会えないの……」
なぜだか二人のやり取りを見ていた俺の目頭が温かくなっていく。
「美穂さんはすっごくいい人だったから神様から普通には行けない場所に行くチケットをもらって行ったの!、その場所に行く許可をもらえるのには私もはっきりはわからないけど何十年もかかるの!だからね!翔真くんもいいことをたくさんしてれば神様が早くチケットをくれるかもね!」
「わかった!僕!いいこと沢山する!」
「うんうん!私も手伝うから沢山いいことしようね!」
「うん!お姉さんありがとう!」
「それでね!秋羅さんと翔真くんが美穂さんに会えない何十年もの時間を美穂さんが居た場所が空いたままだと寂しいと思わない?」
「確かに……最近パパすっごく寂しそう。」
「でしょ!だからね!美穂さんに2人が会えるまでの間、美穂さんの代わりに私がそこに居ちゃだめかな?」
「……美穂……」
二人の会話を聞いていた俺の中にはなぜか美穂との子育ての日々がフラッシュバックしており、目元からこぼれるしずくと共にかすれた小さな声が零れ落ちる。
「うーん……いいよぉ……でも!ママはダメ!お姉ちゃんはお姉ちゃんね!!」
先程まで感じていた懐かしい感じがない元々の彩華の姿に戻りっており俺の目元から流れていた雫の第2陣は引っ込んでいった。
「えぇ~!!まぁーママって呼ばせるのは追々かぁ~うん!とりあえず私のことは彩お姉ちゃんって呼んでね!」
「よろしくね!彩お姉ちゃん!」
「うん!よろしくね!翔真くん!」
彩華ちゃんは翔真の前に手をかざし、その手を翔真は心良く手を取って握り合う。
「ママとは言わないけどねぇ~」
「なんだとぉ~」
翔真は彩華ちゃんの手を放した瞬間にこっと笑うと彩華ちゃんに仕掛けると机から立ち上がり彩華ちゃんから逃げ始める。
それに対して黙っている彩華ちゃんではなく彩華ちゃんも立ち上がると追いかけ始める。
「うわぁ~!!大魔王さぁやが襲ってくる~」
「待て待て~!!勇者翔真よ!吾輩をママとよべぇ~!!」
「あはは!私ことウルトラビューティーな美魔女カオリンもまぜてぇ~~~!!」
「ほら!国王アキーラも参加しよ!?」
彩華ちゃんがカオスな設定を入れたせいと、母さんが乱入したせいでリビング内はしっちゃかめっちゃかになっていて、もう何が何だかわからなかったが、なぜかすごく楽しかった。
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明日、朝6時に12話を投稿します!12話も読んでいただけるとありがたいです。
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