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転生したトリマーがもふもふ尻尾なケモ耳娘と旅に出る  作者: ひょーう.CNP


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34話 野ウサギの大群とドラゴンブレス

 ドラゴン形態による飛行によって、野ウサギが現れるだろう区域に予定より早く到着した。

 昼食を取りつつ、カエデから通常テイムのやり方を本を見つつ説明してもらったので、野ウサギや害のない動物を見かけ次第、練習を開始しようと思う。


「しっかし、見かけるのは鳥ばっかりだな」


 周りを見渡しても見つかるのは鳥ばかりであり、肝心の野ウサギの姿は見受けられない。


「コウガ様、鳥をテイムしてはどうかしら?」

「鳥をか?」

「えぇ、鳥を何羽かテイムして野ウサギを空から探してもらうのよ。2人のテイム練習にもなるし、丁度いいと思わない?」

「確かに、空から探すほうが見つけやすいな。カエデ、やるぞ!」

「了解!」


 俺はドラゴン族から狼人族へ変身を切り替える。

 手を鳥に向けて伸ばし魔力を飛ばすと、鳥の胴体を縛るかのように魔法陣が現れる。魔力が上手く鳥に当たったようだ。


「テイム」


 そう言い放つと、鳥の周りにあった魔法陣が鳥を包み込み光り出す。

 すると、鳥がこちらにやって来て手の上に乗った。


「よし、成功だ!」

「私も成功した!」


 隣を見ると、カエデの手にも鳥が乗りに来ていた。


「でも、1羽テイムするだけで魔力が結構少なくなっちゃったみたい。シェミィ、少しだけ魔力借りるね」

「にゃう」


 カエデがシェミィのテイム紋に左手をかざすと、俺からでも分かるくらいの魔力の流れを感じた。


「これがシェミィの魔力……すっごい、一瞬で魔力が満タンになっちゃったよ。いや、満タンどころか2倍以上にまで膨れ上がってる」


 魔力総量ってそんな簡単に超えるもんなのだろうか? 人体に貯えられる魔力量って上限があると思うんだが……もしや、ただ単に魔力を借りたり出来るだけじゃないのか?


「これだけの魔力があれば、もう2~3匹くらいならテイム出来そうかも!」

「よし、もう少しテイム数を増やしてみようか」


 1羽に仲間を呼んで来て欲しいと伝えると、バサバサッと空へと飛び立っていった。

 暫く待つこと十数分後、6羽を連れて戻ってきた。

 先程テイムを成功させた2羽を含めると、今ここには8羽が居る事になるな。


「6羽か。カエデ、あと何羽テイム出来るか試してみてくれるか?」

「うん!」


 カエデが鳥に向けて片手を突き出し、1羽ずつに魔力を飛ばしていく。

 結果的には既に1羽テイムしているのを含め、計2羽のテイムが限界だった。

 まだ魔力が残っているにも関わらず、3匹目のテイムが成功しなかったのだ。


「うーん、2羽が限界かぁ……これが限界なのかなぁ」

「テイム出来る数に上限があるのかもしれないな。試しに俺もテイムしてみるか、何羽出来るんだろ?」


 残りの5羽にテイムを試してみた所、なんと全羽テイムに成功してしまった。


「全羽テイム出来たな……」

「何で私は2羽しか出来なかったんだろう? シェミィを既にテイムしてるから?」

「その可能性もあるよな。そのテイムの本に書いてたりしないか?」

「まだ見てない所もあるし、探してみる」


 カエデは再度本を開き、テイム上限に関する記述がないか探していく。

 その間に俺はテイムした鳥達に野ウサギの捜索を指示し、見付けたら呼びに来るようお願いした。

 カエデの2羽と俺の6羽合わせて8羽は一斉に飛び立ち、多方面に散らばって行った。


 暫く待っていると、野ウサギを探しに行っていた鳥が1羽戻ってきた。

 どうやら俺がテイムした1羽のようで、俺の前でピーピーと鳴いている。

 どうやら見付けたようだ。


「見付けたみたいだな」

「付いて行きましょうか」


 移動する為にドラゴン族へ変身するも、テイムした鳥は案内を続けてくれている。

 他の種族に変身してもテイムは解除されない仕様のようだ。


 移動している内に多方面へ探しに行っていた鳥達も帰って来たようで、先頭で案内してくれている1羽に群がるように飛び始めた。


「ピー!」


 鳥達が移動を止めて鳴き始めたのでその先を見てみると、そこには野ウサギの大群が。


「えぇ……こんなに居るのか?」

「何匹居るのよ? 道すら埋め尽くされてるじゃない」


 見渡す限り野ウサギ、野ウサギ、野ウサギ。

 数百は下らない程の量だと思われる。


「ご主人様、どうする?」

「うーん……1匹ずつ仕留めてたらキリがないな、これ。なぁメイラン、ドラゴン族の特性で炎吐けるよな?」

「ええ、吐けるわよ。ヤっちゃいましょうか?」

「それでも良いんだが、俺もドラゴン形態になっていれば火を吐けたりするのか?」

「ドラゴン族の特性も引き継ぐんだったわよね? であれば出来るんじゃないかしら? 見ててね」


 メイランが口を開けると炎がどんどん集まっていき、火球が出来上がる。

 それを解き放つと、火球が野ウサギの大群に飛び込み爆風が起きる。


「こうして、口に火を集めるイメージすればコウガ様でも出来ると思うわ。火球を作るイメージじゃなくとも、火を集めてそのまま吐き出せば広範囲に炎を吐けるわよ、こんな風にね」


 メイランが空気を吸い込み、吐き出すと炎が広がる。炎のブレスだ。

 ブレスによってどんどん丸焼きの野ウサギが出来上がるものの、1度のブレスでは全体には攻撃が届かず、驚いた野ウサギが四方八方へと逃げ出していく。

 それを見たシェミィとカエデは、2手で回り込んだりして食い止める。


「火球が威力、ブレスが範囲って感じで使い分けるの。ドラゴン族特性を引き継いでるなら熱さは感じないはずよ」

「なるほど、やってみる」


 俺はメイランが見せてくれたブレスのイメージをしっかり頭に描く、思いっ切り空気を吸い込むと火が口に集まってくるのを感じた。

 それを全て吐き出すと炎のブレスが周囲を焼き焦していく。


「すげぇ……出来た」

「さすがコウガ様! お見事ね」

「カエデ! シェミィと協力して野ウサギを1ヶ所に集めてくれ!」

「了解! シェミィ!」

「にゃ!」


 シェミィとカエデが自慢のスピードを活かし、野ウサギを討伐しつつも1ヶ所に集めてくれる。


「もう1度!」


 俺とメイランの2人でブレスを吐き出し、周辺を思いっ切り焼き焦がす。

 逃がしてしまった野ウサギもいるが、あの大群の6割くらいは討伐する事に成功した。


「よし、逃げ出した野ウサギも追い掛けるぞ!」

「「了解!」」


 俺とカエデ&シェミィとメイランの3人で手分けをし、逃がした野ウサギを討伐していく。


 かなりの数の野ウサギを討伐した頃には夕刻になり、これ以上の捜索は危ないと踏んで撤収。

 近くにミルト村という小さな村があるみたいなので、そこで1泊する事にしたのだった。

ご覧頂きありがとうございます。

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