夏日の狂想曲(サマーデイズラプソディ)-2
セーイ・ブリュンヒルデは夜に輝く“それ”に視線を向けた。
警察の白いWLとは異なる、白いAL。
そのALの右腕から発している銀色の光にセーイは注視する。
銀色に輝く巨大な腕から発する光は優しさと恐ろしさを感じさせる、そんな感覚をセーイに抱かせた。
アレは危険だ、【ヘカトンケイル】と接続している故に六感が通常よりも高まっているからこその危機感なのもかもしれない。
あのALに乗っているのは間違いなく、秋桜マキナ―――――【ノーリ・ブリュンヒルデ】なのは間違いないだろう。
何故か一瞬だけ美神ミカサのことがセーイの脳裏を掠める様に思い浮かんだ。
自分には関係ない――――ミカサのことに関してはノーリ・・・マキナの事柄でしかなく、己の在り方に関係などない。
だと言うのに何故かノイズの様な感じが強まっているのはどういうことか。
今更詮索する必要などない自分にとって今のこの姿がこれなのだ。
しかし、それはそれとして苛立ちがあるのは事実だから―――――
セーイ:(憂さ晴らしがしたい―――――)
何故かは知らないがそんな気持ちも沸き立つ。
この込み上がる感情は何なのか?
なんで今になって私に湧き上がっているのかわからない。
そしてそれが苛立ちに直結しているのもセーイはわかっていない。
理由はなに?この苛立ちはマキナのせいなのかそれとも【ヘカトンケイル】との接続への負荷なのか。
どちらにせよ・・・この苛立ちを発散しなければならないのは確かだ。
マキナ:(どうしたものか――――)
マキナは【ガンクロウ】のカメラを介してのモニターで【ヘカトンケイル】を見据える。
【アガートラーム】の力であの巨大な【ギガースレイヴン】への対抗手段は出来たがそれとは別の問題がある。
ミカサが言っていたオペレーターであるセーイ・ブリュンヒルデへの対話だ。
【アガートラーム】を有する今の【ガンクロウ】は可能だろうが問題は通信に関してである。
接触通信を図るにしてもあの無数のアームを有する巨人が手をこまねく訳でもない。
更に今でも攻撃を続けている警察の【ワークスレイヴン】のこともある。
あちらに関してはロングスカウターらに任せるしかない。
どちらにせよ、自分はミカサから課せられた任務を果たすしかないのが実情である。
クロウ:『少尉殿』
マキナ:「―――時間も選択もないわね・・・」




