第19話 夏日の狂想曲(サマーデイズラプソディ)-1
――――何が起きた?
タンゴは一瞬だが思考が混乱し、停止していた。
自分はまず間違いなく白いAL【ガンクロウ】へ向けて突撃していたのだ。
“白いヤツ”の右腕に付いた新しい装備・・・アレは厄介なものだとタンゴは直感を働かせてそれを排除しようと動く。
無論、“白いヤツ”もそれに気づいて右腕に構えると同時に右腕に粒子の光と言うべきか輝き始めた。
こけおどしを!とも思ったが自分の直感からしてあの光がヤバさの原因であると気付く。
だからこそ暴れ回る前に壊すと判断したタンゴは機体を動かして仕掛けたのだったのだが・・・・・・
気付いた瞬間、自機である【ダークサイクロプス改】の右脚の下の部分が機体から離れていた。
機体同士が交差する瞬間、白いヤツ・・・【ガンクロウ】の装備し延長された巨大な腕部ユニットを掠める様に避けたはず。
しかし、それが結果的に己の愛機の右脚を溶解・切断へと至るとはさしものタンゴも予想だにしていなかった。
タンゴ:「チキショウ・・・!動きやがれ!!」
地面へと倒れ伏した機体を動かそうとタンゴは足掻く。
しかし、操縦席内には警告用のアラートが鳴り響き、機体はピクリとも動かない。
先程の衝撃を受けたのかOSを含めたシステム関連にエラーが生じてしまっている様だ。
一連の操作を試すもAIなど機体の機能は全て彼女の操作すら受け付けない状態になってしまっている。
唯一生きていた外部カメラだけは動き、近くに立っていた“白いヤツ”はこちらに見向きもしていない様子。
自分はあくまでも邪魔物でしかないと云うような感じなのか視線を更に先にいる【ヘカトンケイル】に向けていた。
タンゴ:「――――舐めやがって!!」
なんとか動かそうとしたがエラーメッセージのみで全くオペレーターの操作を受け付けない。
怒りに身を任せてコンソールに拳を振り下ろすタンゴ。
向こうよりもこちらの方が“技術的に先を行っている”はずなのにそれを覆されたことへの苛立ちと自分を敵と認識せず、視野にすら入れていない秋桜マキナへの態度にも怒りを表していた。
とにかく怒鳴り散らすタンゴに唯一生きていた通信機を受けていた部下はそのがなり立てるタンゴの怒声に耳がつんざく様な大ダメージを負うこととなったのだがそんなことはタンゴには知らぬ存ぜぬでしかなかった。
そして巨大なレイヴンのオペレーターであるセーイは一つの激しい光を発見し、そちらへと機体ごと視線を向けるのであった。




