闇夜に輝く銀の腕-10
タンゴは【ダークサイクロプス改】に備えていたナイフ型の実体剣に手を掛けた。
元々武装特に銃火器の使用に関してはイブリースからも最低限に留める様に釘を刺されている。
とはいえ、実体剣などに関しては制限こそ課せられているがナイフ型であれば問題ないということを失念していたのは確かだ。
マシンガンなどで暴れられないのはストレスだがこれ以上、下手にイブリースに迷惑を掛けるのはタンゴ的にも不味いと感じており、我慢を通している。
タンゴ:「マシンガンやアサルトライフルならFPS感覚でやれるけどもナイフとかはあんまりアガらないんだよねアタシ的には・・・」
音声スピーカーをオフにしている為、声が外部に漏れることはないがほんの少しだけ愚痴をこぼすタンゴ。
相手が理由は不明だが動きがぎこちなくなっており、先ほどまでの機敏さは失っている。
バイク型のマシンに乗っているのが厄介だが反応速度はさっきと比べれば明らかに悪くなっていたのは素人でもわかること。
弱い者イジメは正直、趣味ではない上にテンションもアガらないのだが任務のことを考慮すれば仕方ない。
タンゴ:「ま、要は“自分の不幸を呪え”ってヤツで勘弁しろよな~」
どこか男性っぽい口調でそんなセリフを言いながら【ダークサイクロプス改】の右手に持っているコンバットナイフ型実体剣【アサルトリッパー】を逆手に構えてALへと突撃させる。
回避は無理と考えた白いAL【ガンクロウ】は飛び降りる様にバイク型のマシンから離れてこちらの攻撃を避けた。
マキナ:「クッ!!」
転倒する様に転がる【ガンクロウ】の中でマキナは苦悶の声を上げる。
【Abyss】による重力制御のお陰である程度の衝撃などをショックアブソーバーの要領で軽減することは出来ているがそれでも完全に相殺出来ている訳ではない。
オペレートスーツによる補助もあって衝撃によるダメージはそこまでではないがそれでも感情ばかりはそうはいかないものである。
マキナ:「――――【クロウ】・・・まだですか!?」
今だ沈黙を守っている相方に思わず呼び掛ける。
そろそろインストールも完了する頃合いの時間だと思われるがそれを確認している暇は現状ない。
目の前に立ちはだかる黒い【サイクロプス】が動きの鈍い【ガンクロウ】を捉えようとナイフ型の武装を構えてすぐにでも飛びかかろうとしている。
迎撃は可能だが動きが鈍く【ストームブレイカー】から降りている現状ではそうはいかない。
【ヴァリアントガン】も無く、それ以外の飛び道具が無いため、今の所は回避する以外に手はないのである。
まだか、と心の中で相棒であるAIのインストール完了を願う中、黒いALが一つ目を光らせてこちらへと向かって突撃してきた。
タンゴ:「そろそろ、終わりとしようぜぇ!!」




