闇夜に輝く銀の腕-8
タンゴは文句を言う部下を抑えて再び目の前の白いヤツに視線を向ける。
ほぼ勢いで外部スピーカーを介して音声オンライン機能を外に発したがはっきり言ってむしゃくしゃしていた為にやったのは事実だ。
反省もしてないし、後悔もしていないが後でガルダルフ達に叱られるのだけはちょっと困ることではある。
とはいえ、スッキリとしたのまた変わらぬ事実。
イライラしていた気分がほんの少しスッとせいせいとしたのもあってかちょっと頭も冷えたタンゴ。
音声スピーカーの外部機能をオフラインにして部下と会話を続けた。
タンゴ:「わぁ~たよ、まあ、ちょっと叫べて気分はスッキリしたがな」
ヴェノム構成員F:『頼みますよ・・・いきなり叫んだ時は肝冷やしたんですから・・・』
タンゴ:「メンゴメンゴ。まあ、とりあえずおまえらはケーサツと一緒にデカブツをどうにかしろ。これ以上暴れられる前にケリ着けろや」
ヴェノム構成員F:『タンゴさんは?』
タンゴ:「決まってンだろ」
チラりと改造アームズレイヴン【ダークサイクロプス改】のアイカメラを介しながらモニター越しに白いヤツ――――【ガンクロウ】を視る。
直接見るのは今回が初めてであるタンゴ。
性能面や戦闘面としての記録としては何度か面倒ではあったものの一応は目を通してはいた。
単純なスペックとして観るのならば出回っている第2世代や“一般的”な第3世代の【アームズレイヴン】を上回っている性能なのは確か。
しかし、スペック的な意味では【ヴェノム】が開発を進めている【ダイモーン】の方がはるかに上なのをタンゴは知っている。
先日のモーターショーでは直接的な対決はしなかったがガルダルフとの腕を合わせれば余裕で勝利をもぎ取れるのは当然だった。
なら何故それをしなかったのか・・・タンゴ的にも納得いっていないが組織内の“しがらみ”が原因にある。
個人的にはどうでもよく、そして足枷になっていること極まりないのもあってか彼女が苛立ちを募らせている要因でもあった。
本来ならばそれなりに数が揃いつつある【ダイモーン】を回して貰えていれば面倒なことは大体片付いている。
だが、【ヴィクティムグループ】上層部のアレコレな所謂大人の事情に引っかかり、ガルダルフの機体以外の運用に制限が掛けられているからだ。
流石に抗議もしたのが作戦の極秘性もあってか結局はなし崩し的に強引に納得させられてたのだが当然タンゴ的に納得しているはずもなく、
タンゴ:「色々鬱憤も溜まってんだ。そこら辺のストレス発散の兼ねてやらしてもらうぜ!!」
不敵な笑みを浮かべながら【ガンクロウ】を見やるタンゴ。
肝心の相手は何かしらのトラブルか知らないが機能が低下して先ほどまでの調子では無くなっている模様。
相手を基本、いびり倒すのが好きなタンゴとしては嗜虐的好奇心をくすぐられているのも無理はない話なのだろう。
だからこそ“時間の許す限り”いじり倒すことを決めたのだ。
タンゴ:「さあ、ワタシを楽しませてくれよ~マキナちゃ~ん♪」




