闇夜に輝く銀の腕-6
マキナ:「【クロウ】!【アガートラーム】のセッティングを始めるわ!」
クロウ:『距離はこのままで良いのですか?もう少し離れることを推奨しますが』
マキナ:「そうも言ってられないから・・・」
【クロウ】からの疑問にそう答えるマキナ。
距離感的にも【ヘカトンケイル】からの攻撃が来る可能性を考慮した場合、まだ距離を離した方が理想的なのは確かである。
【ストームブレイカー】の移動力を考えれば最悪、湾港から離れるのも一つの手なのも確かだ。
だが、警察が現着したことでそれは完全に選択肢からは消えている。
このまま時間を掛ければいずれ応援がやってきて事態はより混乱に陥る可能性もあり得るだろう。
そうであるならば余裕はもはやない。
クロウ:『プログラムのインストールを開始します。それに伴って【ガンクロウ】のメインシステムも一時的にダウンします。サブシステムでの運用は可能ですがワタシ含めてサポートは限定的になりますのでご注意を』
マキナ:「わかってる――――60秒、耐えてみませす」
クロウ:『後はお願いします少尉』
そう言うと同時に【クロウ】がシャットダウンし、【ガンクロウ】の一部システムを除いてメインシステムがダウンする音が聞こえる。
機体そのものは動かすことは出来るがブレインでもある【クロウ】とそれを補佐するメインシステム周りが機能を停止してしまうと【ガンクロウ】の機敏さが発揮出来ず、OSの対応も普段の1/4程度にまでダウンしてしまうなど問題も多い。
今後の技術進歩でこういった問題の解決はいずれされるだろうが今はとにかく最低限の動作で【クロウ】の再起動まで耐えるしかないのが実情。
現状、【ヘカトンケイル】はターゲットを警察の【ピースキーパー】に集中しているのもあってか最大の懸念点は当面問題ないのは朗報とも云える。
問題は――――それ以外のレイヴン――――黒い【サイクロプス】たちだ。
あれらがこちらの現状を把握しているのならば、おそらくは――――
そう思っていた矢先、隊長機と思しき黒い【サイクロプス】がこちらの死角を襲う様に飛びかかってきた。
マキナ:「クッ!!?」
咄嗟に除けようとしたマキナだが機体の動作が重く、いつも通りの反応が出来ず遅れて回避してしまう。
幸い、そのまま【ストームブレイカー】を走らせたので攻撃そのものは未然に防ぐことはできた。
タンゴ:『チッ―――、なんかやろうとしているからサッサと潰そうとしたんだけどな・・・思ったよりもやるじゃないか“白いの”!!』




