ぎこちない笑顔
「もうこの学園は終わりだ…。あのバケモンにぶっ壊されるんだ…!!」
「ヤクザや殺し屋と闘った…!?なんで学園長はそんなヤバいやつを受け入れたんだ…!!」
クラスメイト達が俺に恐怖や哀れみの視線を向ける中、俺は特別席から立ち上がり言葉を放った。
「……俺は確かに裏社会から恐れられ、数々の殺し屋、ヤクザ達と闘ってきた紛れもない暴君竜だ。だが安心しろ。向こうから喧嘩を振って来ねェ限り、この学園にいる人間には誰にも危害を加えたりしねェよ…」
俺の発言に教室の雰囲気が再び静まり返った。が、その空気を最初に破壊したのは恵梨香だった。
「ちょっと、アンタ達。この放送だけ聴いて武龍のことを決めつけるつもり?
武龍は確かに、昔は不良してたかもしれない…けどっ!今はちゃんと更生して普通に学園生活を送ってるじゃない!」
恵梨香に続き、竜也が口を開いた。
「お前らさぁ。俺、昨日から武龍と普通に話してるけど、コイツが校内で誰かを殴るところなんて見たことねーよな?」
恵梨香と竜也が擁護してもクラスメイト達は変わらず下を俯いていた。このままじゃクラス内の雰囲気が悪くなると思ったのか、越谷先生が涙目になりながら訴えた。
「さきほどの放送を聴いた方にはまだ分からないかと思うのですが、さ…三条君は本当に礼儀正しくていい子なんです…!どうか怖がらずに接してあげてください…!!」
クラスメイトA
「いやだね、オレはさっきの放送を聴いて、あのバケモノのことがさらに嫌いになった。正直、もう顔も見たくないな」
クラスメイトB
「皆んな本当は礼儀正しいとか、優しいとか言ってるけど…ウチは危険すぎて関わりたくないね。何か重大な事件とかに巻き込まれなくないし」
クラスメイトC
「キレたら食われそうだから、僕はあまり近づかないようにするよ」
クラスメイト達の発言を受けて俺は言った。
「別に俺と無理して関わらなくてもいい。それは個人の自由だからな。だろ?越谷先生…」
「わ、私は皆んなが三条君と仲良くなって欲しいから……」
「……そんな妄想は、通用しねェモンだぜ」
「うっ……うっ…」
越谷先生は教師としての厳しい現実を突きつけられたのだろう……。その場に崩れ落ちて泣いてしまった。
俺は泣き崩れている先生の前に歩み寄った。
「……泣くほどのことじゃねェ。俺は過去にそういうのを何度も経験してきた。けどよ、今の俺には恵梨香と竜也がいる。この学園で初めてできた友人だ。俺は、こいつらと一緒に過ごせてるだけですげぇ幸せなんだよ」
俺は越谷先生の前で初めてニヤリとぎこちない笑顔を見せた。越谷先生はさらに声を出して泣いてしまった。
5分後、越谷先生が泣き止んだことろでようやく教室内は活気に溢れるかと思ったが……いきなり教室から3年生と思われる人物が入ってきた。
「オイッ!三条武龍!!今すぐ屋上に来いって!俺たちブラックアウトローズと勝負しろー!」
「あぁ。構わねェ」




