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彗星に願いをこめて  作者: 姫
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デート、そして…

どの服がいいかな…

真央はタンスからいろんな服を取り出して考えていた。

映画を観ようということになったので、冬とはいえそこまで厚着をする必要はない。

うーん…やっぱりシンプルな感じで行こう!

シンプルなニットを着て、下はデニム、この上にダッフルコートを着ることにした。

こういう感じなので、メイクも必要最小限にしてナチュラル感を出す。

髪は…ポニーテールにしようかな。

こないだハーフアップにしたことで、

髪型もいろいろやってみようかなという気持ちになっていた。

「よし、行こう!」

あえて言葉に出して、自分自身に気合を入れ、「いってきまーす」と

真央は元気よく家を飛び出していった。

「なんか楽しそうだったな」

「そうね、デートだったりして」

雅子が呑気に笑っている。

父親の博幸は、さすがにもう真央を娘としか見ていないが、

デートとなるとまだ苦笑いだった。


待ち合わせ場所に少し早めに着いたため、まだ龍弥は来ていなかった。

そういえば、女になってから2人で遊ぶのって初めてだ…

ただの男同士の親友だったのに、今じゃわたしが女になって両想いだもん、不思議だな…

そんなことを考えていたら、後ろから声がしたので振り返る。

「お待たせ。行くか」

「あ、うん…」

いつものようにしれっと龍弥が歩き出すので、真央はそのあとをついて行った。

龍弥は特に緊張している感じはなく、まるで昔よく遊んでいたような感じだったので

真央もあまり意識しないことにした。

「なんの映画観るの?」

「ちょうど観たいのがあってさ」

龍弥が観たいといった映画は、バリバリのアクション映画だった。

そういえばアクション映画って全然観なくなったな…

真央も男の頃はアクション映画が大好きだったが、

なぜか女になってからは、あまり興味がなくなっていてほとんど観ていなかった。

まあ…たまにはいいか!

チケットを2枚買い、龍弥が中に入ろうとしたので「待って」と呼び止めた。

「トイレ?」

「違う、ポップコーン食べたいの」

「ああ、そうか。じゃ買うか」

売店まで行くと、結構混んでいたので並ぶことになった。

まわりは結構カップルが多い。

わたしたちもカップルに見えてるのかな…?

そう考えただけでドキドキしてきた。

「ポップコーンっていろんな種類があるんだな」

突然、龍弥がボソッと言ってきたので慌てて反応する。

「あ、そうだね。塩とキャラメルのほかにフレーバーとかもあるからね」

「真央はどれがいいの?俺、映画観るときあまりこういうの買わないからさ」

「んー…龍弥も食べるよね?だったら塩とキャラメルのハーフがいいな。ハーフはLサイズからで量が多いから」

なんか一つのポップコーンを一緒に食べるのって、恋人同士みたいだしね。

それが真央の一番の目的だった。

「あれバケツみたいな大きさだよな、ほかの人が食べてるの見たことあるよ」

そういって龍弥は笑っていた。

あれ…なんか焦点が違うような…まあいいか。

Lサイズのポップコーンと飲み物は龍弥がコーラ、真央はミルクティーをそれぞれ選び、

トレーに乗せてもらうと、それを龍弥が持って劇場の中に入った。

アクション映画だけあって、男性が圧倒的に多い。

数えてみると、女性は真央を含めて7人しかいなかった。

まあ、そうだよね…別にいいけど。

真央にとっては、観る映画の内容よりも龍弥と一緒、とういうのが大事だ。

席に座ると、龍弥はまだ始まってないのに早速ポップコーンを食べていた。

「まだ始まってないのに」

「持ってると食べちゃうでしょ。真央が持つ?」

「龍弥が持っててよ。こんな大きいの抱えてたら映画に集中できないもん」

「お前が食べたいって言ったんじゃないか」

「けど龍弥、食べてるじゃん」

まるで学校にいるときのような会話をしていたら、劇場内が暗くなって予告が流れ出した。

すると、龍弥が耳元に顔を近づけ、小声で話しかけてくる。

「これ面白そうじゃない?」

「始まったら観にくる?」

「そうだな。来月公開だから、そのときにくるか」

こういう会話を男女していると、まるで恋人のような気がしてくる。

やっぱりデートっていいなと真央は思った。

本編が始まり、さすがに真央も龍弥も映画に集中していた。

顔はスクリーンを向いているので、

手だけを龍弥の抱えているポップコーンに動かしていたら、同タイミングで龍弥がポップコーンを食べようとしていて、お互いの手が触れ合ってしまった。

「あっ…」

お互いが慌てて手を引っ込める。

ただ触れただけなのに、真央の鼓動はバクバクするほど高まっていた。

チラッと龍弥の顔を見ると、龍弥もちょうど見てきて、

すぐに視線をスクリーンのほうへ向けていた。

暗くてハッキリ顔は見えない。

でも今の反応からすると、同じように照れてるんだろうなと思い、クスクスと笑っていた。

「やっぱりあのラストのシーンが最高だったよ。めちゃくちゃカッコよかった」

映画が終わり、龍弥はずっと感想を話していた。

よほど面白かったらしい。

以前の真央だったら、同じような感想を持ったかもしれないが、

今の真央にはそこまで響かなかった。

わたしはやっぱりアクションより、ラブコメとかのほうが好きだな…でもいいや!

女になったことで映画の好みも変わってしまったが、

龍弥が楽しんだので、それはそれで満足だった。

「ねえ、ちょっとフラフラしようよ」

映画に付き合ったから、今度は真央の番だ。

いろんなお店に入っては、「これ可愛くない?」と龍弥に聞く。

「ああ、そうだな」

「さっきからそればっか!ちゃんと聞いてる?」

「聞いてるよ。けど、俺にはよくわかんないんだよ。その女が可愛いと思うものが」

龍弥はこういうところがイマイチだ。

でも男に女が可愛いと思うものを求めるのが間違っているのかもしれない。

そんなことを思いながらも、また「可愛いよね」と懲りずに聞く真央だった。

ウィンドウショッピングを楽しんでいたら、

真央の大好きなお店の前にたどり着いてしまった。

さすがに龍弥をここに連れていったら可哀そうだよね…

あえて気にしないようにして、シャーロットフランシスの前を通り過ぎ、

このあと文具などを見て時間を過ごした。

「もうこんな時間か、そろそろ帰るか」

「そだね…」

付き合おうとは言ってくれないんだ…

残念な気持ちのまま、2人でてくてくと歩いていく。

すると、龍弥がちょっとだけ散歩したいと言い出した。

これはひょっとすると…

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