誰???
駅の近くにある公園を少しだけ歩く。
12月ということもあり、この時間になると結構寒い。
それでも龍弥は緊張していて寒さはあまり気にならなかった。
真央をチラッと見ると、少し恥ずかしそうに微笑んでいた。
真央、やっぱりかわいいな。
付き合ってもいい…よな。もう3年も経ってるんだし、いつまでも気にする必要ないよな。
自分に言い聞かせて、辺りを見回してみる。
人もあまりいないので、シチュエーションはバッチリだ。
無言のまま、ちょうど公園の真ん中あたりまで歩いて、そこで足を止めた。
よし、言うぞ!
龍弥は大きく深呼吸して気合を入れた。
ついに…
真央は覚悟を決めて龍弥を見つめると、龍弥も真央のことをジッと見つめていた。
緊張して胸が高まってくる。
大きく深呼吸してから、龍弥は口を開いた。
「真央、俺と…」
「龍弥くん?」
突然横から声が聞こえてきて、2人とも思わずそっちを見てしまった。
すると、そこには同い年くらいの女の子が立っていた。
誰…?
真央は見たことがない子だった。
ところが、龍弥は「あっ」と声を上げていた。
「やっぱり龍弥くんだ!久しぶりだね、元気だった?」
その女の子は親しげに龍弥に話しかけている。
知り合いなのは間違いなかったが、真央はなんとなく気分が悪くなった。
今はわたしといるのに…しかももうちょっとで付き合うところだったのに邪魔して。
「お前…なんでいるんだよ?」
「こっちに引っ越してきたの。だからまたいつでも会えるんだよ。昔みたいに」
いつでも会えるってなに?どういう関係なの?
真央は龍弥に問い詰めたい気分だった。
「龍弥…」
真央が話しかけると、龍弥は慌てたように「悪い、今日は帰る」と言い出して、
逃げるように歩き出していた。
「ちょっと龍弥!」
真央が呼び止めても龍弥は「悪い」と言って立ち止ることなく、
速足でいなくなってしまった。
なんなの一体…
今は、よくわからない女の子と2人だけだ。
この子のせいで…
真央がキッと睨むと、「龍弥くんの友達?」と聞いてきた。
彼女と言いたかったが、まだ付き合ってないので両想いであっても彼女ではない。
本当なら彼女になったはずなのに…
「友達…そっちは?」
「内緒。じゃあね」
「は?ちょっと待ってよ!」
その子は真央を無視して鼻歌を歌いながら歩いて行ってしまった。
なんなのこれ…意味わかんない!
あまりに唐突すぎて、真央は思考が追い付かなかった。




