ゴブリンキング
洞窟方面から急いで街まで戻っていく中でようやく門が見えて来たのだが少ない数ではあるがゴブリン達と戦っているプレイヤーが見えた。
「ソラウミさーん!」
「え、アリアさん」
門の近くまで来た時に知っている人がこちらに手を振っているのだ。
「プリルさんから話を聞いて待ってたんです」
「えーと・・・何で待ってたんですか?」
「ソラウミさんが来たら前線に案内するように言われているんですよ。皆の士気を高めるために」
・・・いったい何を言っているんだ?皆って最前線の人達の事なのはわかるが俺が言ったら何でやる気が上がるんだ?そんな疑問を持ちながらもアリアさんは急がせるように俺を案内していく。大きな街でも直進して進むなら案外早く北門まで来ることが出来そこで繰り広げられている戦いは凄まじい物だった。魔法が飛びかい前線ではタンクとアタッカーがゴブリンに果敢に挑んでいる。
「これは凄いな」
「グァー」
多くのプレイヤーがいろんな場所で戦っている光景は携帯ゲームしか知らない俺からしたら新鮮な光景だ。俺が来たことを確認したGOGがこちらに向かって来ている。
「さっきは通信越しでしたっすね。どうもGOGっす」
「あ、どうもソラウミです。それで俺を待っていたようなことを言っていたんですけど何かあったんですか?」
呼ばれた理由がよくわからなかったのだがGOG呼んだ理由をとっても簡単なものだった。
「簡単っすよ。ちょっとここにいてくれればいいっす。それとこれからちょっとした演出に付き合ってくださいっす」
「演出?別に構いませんけど」
何をするんだろうと思っているとGOGさんは声を上げてプレイヤー達に聞こえるように叫んだ。
「皆さーん!ソラウミさんが駆け付けてくれたっすよー!さらにテンション上げていくっすよーー!」
「ええ!?」
「ス!?」
「グァ!」
「ーーー!」
GOGさんのいきなりの言葉に俺だけではなくゴウカ達も驚いている。そんなことをしてやる気が上がるとも思えないんだがとそんなことを考えていたのだが思っていたのと違い周りの反応は
「え、あの人が白蒼の冒険者」
「ドラゴンちゃんかわいいー」
「頭のあの子は一体何のモンスターなんだ」
「手乗りサイズの女の子・・・ありだな」
「あのフワフワしているのもなんなんだろう」
「マッスルーー!」
・・・なんか色んな反応があり過ぎでよくわからないのだが前見て!特にマッスルポーズとったタンクさん!前見て前!!
「何なんですかこの反応は?」
「ソラウミはプレイヤーにとっては尊敬と嫉妬の対象ですからね。最速最多の称号ホルダーでもありますしモンスターも色々なプレイヤーに愛されているっす」
「本職のテイマーですらないのだが・・・それに珍しいモンスターを連れているプレイヤーなんて結構いるだろ」
「それがそうでもないんっすよ」
テイマーが最初に手に入れれるモンスターは最初の街から第3エリア前の中からランダムで選出されるらしくβテストの時ですらドラゴンはいなかったとの事だ。これは明らかに特典版だけの限定モンスターでもある為ゴウカはすっごく人気になったらしい。
「特典版を買ったプレイヤーは大体が秘匿している人が多いしモンスターだけじゃなくて凄い装備とかもあるらしいっすからモンスターを選んでいる人とは会えないんすよ。今分かっているだけでは三称号って追われている白蒼、黄金、赤黒の三人だけなんっすよ」
「そんなにレアだったんだ」
「それだけじゃなくてスミンちゃんやアイン君にも結構なファンが出来ているらしいっす。このイベントが終わったらアロス君?にも着くんじゃないっすかね」
うーん・・・まあ、別にそれは構わないのだが50万に居るのに中でそんなことになっているのが凄くびっくりだ。まあ、皆さんがやる気になれたのならよかったのかな。
「てかそんなことよりどんな感じですか。キングいましたか?」
「いやーそれが数が多すぎてまだわかってないっす。魔除けのベルの範囲外にいる可能性もありますから」
確かに凄い数でありその中から見つけ出すのは至難の業なのだろう。
「目的はキングの発見ですよね。魔除けのベル使っていいですか」
「それなら最前線で今からまた使うはずっすよ」
「・・・それならここからでもわかるかな」
「?そうっすけど」
俺のつぶやきを聞き取れなかったGOGさんはそれを気にせず前にいるプレイヤーに魔除けのベルを使うように指示を出す。すぐに使われたベルから鳴り響く音を聞いてゴブリン達は一旦後ろに下がっていく。その軍の中から俺の目がある行動を見逃さなかった。
「・・・いた」
「え?」
「アイン!アロス!二人はここで皆さんの支援を頼むよ。ゴウカ!スミン!一気に駆けるぞ!」
「グァ!」
「スー!」
「ーーー!」
そして俺は肩と頭に二人を乗せて一気に走り出す。GOGさんが何か言っていたような気がするが今は俺の直感を信じて突き進む!前衛で頑張っていたタンクのプレイヤー達が一呼吸入れている横を通り逃げ惑うゴブリンの愛他を縫うように突き進む。そして俺の行動を見ていたゴブリンと目が合った。
「お前、さっき魔除けのベルを使う前から行動していたよな。シーフの顛末でも知ってたのか」
「・・・」
「これで外れていたらごめんなさい!ウイングショット!」
そのゴブリンに魔法を打ち込む砂ぼこりが巻き上がり相手が見えなくなるだがそのシュルエットだけはわかる。それは今までのゴブリンのサイズから徐々に大きくなっていく。大体4メートルぐらいの大きさになった影は砂ぼこりを一気に振り払いその姿を現す。
「この過去作では何度もあったことあるけどこのゲームでは初めましてだなゴブリンキングいやゴオクだったか」
「ゴォオオオオオオーーーーーーーーーーーー!!!!」
「早速で悪いんだが・・・遊ぼうか」




