最前線
北門前
森からやって来たゴブリン達の群れというよりはもはや軍と言っていい数がどんどん森から際限なく出てくる。魔法攻撃を隊列を組んで放っているので減ってはいるはずなのに減る速度よりも出てくる量が多く減っているように見えない。GOGはその場所についた時の状況はこのまま行けば倒せはするが門まで近づけられると予想が出来る状況だった。
「皆さん!隊列を組んで少しずつ対処するっす!」
GOGは戦火万来のクランで副長と言われている。彼はクラン内で2番目に強いプレイヤーでもあり気軽に話せるその気質からプレイヤー達からの信頼も厚いのだ。
「マジでこれは攻めて来た感じっすね・・・ソラウミの話が本当だと何処かにいるとは思うんっすけど」
通信を開始てソラウミから聞いた内容は推測ではあるが集まってゴブリンキングを探していた自分達にとって有益な情報でもあった。探索に出ている索敵系に優れているプレイヤー達からは全くキングに関する情報がなかったので何が条件があってそれを満たしていないのではと頭をひねって考えていた所に彼からの連絡があるとプリルから相談があった。行き詰っていた所にそんな話と今回の進行で推測は確信を帯びてきている。
「GOG副長!ここにいたんですね」
そんなことを考えているとクランのメンバーの一人がこちらに向かってきた。
「状況はどうっすか」
「数は多いですけどこのまま行けば少しの被害で終われるかと・・・でもこれからも出てくるならヤバいですね」
森から出てくる量は減る気配がない。確かに数が減らないと街に被害が出るだろう。
「作戦は話してあった魔寄せのベルで分断しながら各個撃破をしていくっす。それと魔除けのベルも使うっす」
「あれは街に近づいたときと街の中に入った時だけ使うのでは?」
「さっき情報が入ってきてあの群れ?軍?の中にキングがシーフのスキルでまぎれている可能性があるという情報を得たっす。それを確かめるためにやってみるっすよ」
街に近い状態でキングがいきなり出てきたら隊列も何もない。一気にポイントも持っていかれる恐れがある以上なるべく早く見つけるのが好ましい。
「ああ、それともし死に戻っているプレイヤーがいたらその人達から話を聞いてもらえないっすか」
「死に戻った人からですか?」
「そうっす。変なゴブリンがいたとかゴブリンのくせにやたら強かったとかそんな話が聞ければキングの可能性が極めて高いっすから」
「分かりました。知り合いの生産職に話を通しときますね」
そう言って街の方に消えていく仲間を見ながらGOGは戦場をもう一度見る。
「プレイヤーをまとめてくれたアーサーは3時間はまだ来れない、うちの隊長も5時間来れないしソラウミも今向かっているとはいえ来るまでにまだ時間がかかるっと・・・いや~見事にまとめてくれた人たちがいないっすね」
今回のイベントでは主にこの三人のおかげで上手く回っている所が非常に大きい、うちの隊長は最前線組でありながら協調性を重んじてくれる人ですしアーサーはそのプレイスタイルからNPCとプレイヤー両方に信頼が厚い、そしてソラウミは個人んでの称号獲得数とイベント前での精霊門開放で有名なためその人達が協力するならと周りのプレイヤー達も協力関係がすぐに築くことが出来た。この恩恵は非常に高く独占や横取りなどの被害も随分と少なくなっているのだ。
「三人が来るまでは何とか持たせてみるっすかね!」
そう意気込んで大きく息を吸い声を張って戦場にいるプレイヤー達に声をかける。
「プレイヤー全員に通達っす!現在、アーサー、クロガネ隊長は動けない状態ではあるっすが今、ソラウミがこちらに向かって来てくれているっす!ここまで来たらゴブリン達には一切ポイントをやらずに倒しつくっすと!!」
「「「おおおお!!!」」」
協力関係の恩恵で皆さんのやる気も凄く高い。調子のいいことを言うならばこのまま隊長たちも出し抜いちゃうのもありかもっす!
そんなこと考えながらGOGは最前線に出向くのであった。




