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事情聴取④

 ゲーンズに対する説明で、次は魔法学校で何があったかの話となった。

「ゲーンズ隊長。魔法学校でのことは私とリルフィリアは、始めハートと別々だった」とウィンクルム。

「?」ゲーンズが眉をわずかに上げる。

「私とリルフィリアが目を覚ましたのは、魔法学校の医務室だった。私は昼間の戦いで重傷を負ったはずだったが、彼女の回復魔法のおかげで体は普段通りになっていた」

 ウィンクルムが説明を続ける。

「目覚めたときはそこがどこだか分からなかったのだが、リルフィリアによるとそこはビブリアの魔法学校の医務室ということだった」

 ウィンクルムの説明に同調するようにリルフィリアもゲーンズに対して頷く。

「ただ、医務室には私たちの他には誰もおらず、ハートの姿も見えなかったので、私たちは医務室の外に出ようとしたのだが、そのとき部屋に何人もの兵士と女性の魔法教師が入ってきた」

「兵士?──それはビブリアの……我々の兵士か?」とゲーンズが訊ねる。

「装備といった見た目から思うに、そうだったと思う」

「いや、それについて我々も思い当たることがあるんだ」

 ゲーンズの発言にウィンクルムが首を傾げる。

「部下の報告によると、夜に城壁の一部を警備しているはずの兵士たちがその隊ごと行方をくらました──そして彼らは先ほどの魔法学校の訓練場で倒れていた」

「彼らは隊長の部下だったと……?」ウィンクルムが確認を求める。

「ああ」ゲーンズが頷く。「どうしてこんなことが起きたのか──あの場で何があったんだ?」 

 ゲーンズに問われ、ウィンクルムが答える。

「──先に私が言った、『賊』によるものかと」

「賊──何者だ?」

「青い髪をした少女だ──私とリルフィリアがその少女と合ったのは、兵士たちに医務室から連れ出されたあと……訓練場が初めてだった」

「少女……子どもがこの一連の騒ぎの首謀者なのか?」

 ゲーンズが怪訝な表情で訊ねる。

「首謀者までかはわからないが、下手人には間違いないかと──彼女は他人を操る術を駆使しているようだった」

「他人を、操る……?」

 ゲーンズがますます眉をひそめて訝しむ。

「あっ」 

 ここでハートが小さく手を挙げて、発言しようとした。

「そうだ──そのとき君は何をしていたのだ?」とゲーンズ。

「あの、俺は二人より先にその女の子──シャルロッテと会ってました」

「シャルロッテ──」

 ウィンクルムとゲーンズが反復する。ウィンクルムも彼女の名前までは知らなかったようだ。

「俺が目を覚ましたのは、魔法学校のどこかの先生の部屋みたいで──そこに女の子がいて、俺に話しかけてきました」

 ハートが説明する。

「その女の子はシャルロッテと名乗って、魔法学校の先生たちを操って俺を脅してきました──『ヒューマンテイム』とシャルロッテは言っていました」

「『ヒューマンテイム』……」

 初めて聞く言葉にゲーンズが困惑する。

「『テイム』は使役の魔法だから、人を操る術だと思います」とハート。

「そんな術を子どもが操っていたのか……しかし合点はいく……」

 ゲーンズのなかで、起きた出来事とハートたちの説明が結びつき始めたようだった。

「魔法学校の先生たちもその『ヒューマンテイム』で操られてしまっていて、俺はその先生たちと戦っていたんです」


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