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事情聴取③

「しかし、召喚術というのは、武器を召喚することがあるのか?」とゲーンズが質問する。

 それに対しリルフィリアは首を振った。

「私は聞いたことはありません。学校の先生も、そんなものがあるなんて教えてくれたことないです」

「そうか──すまない、その先の話を聞こう」

「──魔物を倒したあと、その剣は消えてしまって、ハートもいつものハートに戻りました。それから私たちは、無事な人はいないか探して、ウィンクルムさんに治癒魔法をかけました」

「治癒魔法──君がか?」

「はい……」控えめに頷くリルフィリア。

「治癒魔法を扱える者は稀少というが……」

「私も上手にはできなくて……ウィンクルムさんも回復できるかわからなくて、ずっと回復魔法をかけ続けました」

「しかし、おかげで私は助かった」ウィンクルムが補足する。

「でも、私はその後疲れて倒れてしまったので……」

 リルフィリアがハートのほうをちらりと見る。

「えっと」ハートが話の続きを引き受ける。

「それからは、俺一人でした……リルフィリアもウィンクルムさんも倒れてしまってたから……」

 このあたりの出来事はハートもかなり疲弊していたので曖昧だが、覚えている範囲で説明をする。

「一人じゃ何も出来なくて、ただその場にいただけなんですけど、夕方ぐらいに商人の人が俺たちのことを拾ってくれたんです」

「ああ」ゲーンズが頷く。「その商人のことは我々も承知している」

「助けられたときのことは、途切れ途切れしか覚えていないんですけど……商人さんがビブリアまで連れていってくれて」

「そうだな──商人がビブリアに到着したとき、君たちは皆意識を失っていた」

 今度はゲーンズが説明し始める。この時のことは気を失っていたハートたち三人はみんな、何があったか知らない。

「商人が、街道を進んだところで兵士が大勢倒れていたこと、そして君たちを拾ったことを城壁の門番をしていた兵士に伝え、我々は捜索隊を編成した。夜になりつつあったが、捜索隊はそのまま出発し、君たちは保護された。」

 ゲーンズはウィンクルムのほうを見る。

「気の毒だが、君の隊の兵士たちは皆、死亡が確認された──回収された遺体は、ビブリアで弔われることになるだろう」

「……」

 部下の死を告げられたウィンクルムは沈痛な表情をしたが、すぐに顔を上げた。

「いや、遺体が回収されただけでもよかった。感謝する、ゲーンズ隊長」

「……うむ」部下を預かる者同士で通じる辛さがあるのか、二人の間に気まずい空気が流れたあとゲーンズは話を戻した。

「君たちが魔物に襲われてビブリアに戻ってきた知らせは、すぐに魔法学校に伝えられた。しばらくして学校から教師が城壁までやってきて、君たち三人を我々に代わって預かった──我々は他の兵士たちの捜索と、万が一に備え、城壁の見張りを強化する必要があったからな」

 ハートたち三人は静かにゲーンズの説明を聞く。

「君たちには目立った外傷もなかったし、教師が言うには学校には設備も整っているとのことだったから、とりあえずは学校で保護し回復を待ってから話を聴くつもりだった──さっきの騒ぎが起こるまでは」


地の文ダイジェストにすればよかったです……

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