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決着

(なんだ──?!)

 交戦中のウィンクルムとシャルロッテであったが、上空に巨大な青の魔法陣が現れると両者は動きを止めた。

 互いの動向を注意しながらも、一体何が起きるのかと、上空の魔法陣を見遣る。

(──雨?)

 すると、魔法陣から輝く光の雫がポツポツと雨のように降ってきた。

 光が一粒、ウィンクルムの腕に落ちてきて波紋を広げる。

(これは──)

 ポツポツと光の粒を浴びたウィンクルムは、なんだか体が浄められたかのような不思議な心地に包まれた。


(雨……?それだけ?)

 一方シャルロッテは、空を覆った魔法陣に一瞬身構えたものの、拍子抜けの気持ちで首を傾げる。

 しかし、次第に周囲に広がっていく光の雨が、シャルロッテの体にも届きはじめ、そのうちの一粒が彼女の腕に付着した。

 その瞬間──

 ジュッ!

「あつっ──!」

 一粒の雫がシャルロッテの手の甲に落ちたかと思ったら、それはまるで酸の液のように白い煙を上げてシャルロッテの肌を焼いた。

(なに?!これはっ──)

 慌てるシャルロッテ。

 徐々に数を増す光の雫が、その間もジュッ、ジュッと彼女の体に煙を立てる。

「きゃっ──」

 酸の雨に晒されたシャルロッテは、堪らず自身の真上に腕を掲げ、魔力防壁を展開した。

 ジュッ──ジュッ──

 魔力防壁に光の雫が着弾し、波紋を広げる。するとその光を受けたシャルロッテの魔力防壁が揺らいだ。

 魔力防壁も、ダメージを受けているのだ。

(あいつは──あいつは何ともないの?!)

 シャルロッテは目の前の騎士のほうを睨む。

 目の前の敵は、この光の雨を受けても先と変わらない様子だ。

 自分だけが、なぜかダメージを受けている。

「ん──?」

 ウィンクルムがそんなシャルロッテの様子に気がついた。

「──覚悟!」

 好機と見たウィンクルムがシャルロッテに切りかかる。

 くそっ────

 こんな状態ではとても戦えない。魔力防壁で片腕が塞がれたシャルロッテは、後退を余儀なくされた。

 ウィンクルムの攻撃をかわし、足に集中させた魔法力で、強く地面を蹴るシャルロッテ。

「!?──待て!」

 追撃しようとするウィンクルムを尻目に、シャルロッテはびゅん、びゅんと大きく後ろに飛び退いて、魔法学校の校舎の陰に入り、光の雨から身を守る。

「くっ──」

 なおもウィンクルムは追おうとするが、シャルロッテは驚異的な跳躍でこの場から離れていく。

 すると、遠く離れたシャルロッテが、ウィンクルムのほうを振り返った。

「今日はここまでだね!──おばさん、あんたは必ず殺す!」

 敵の少女は笑みを浮かべてこそいるが、そこには悔しさと憎悪が滲んでいる。

「なにを──!!」

 シャルロッテの負け惜しみとも取れる捨て台詞に、ウィンクルムは眉間に皺を寄せる。

 まだ仇は取れていない──ウィンクルムは依然として戦う気でいたが、敵は次の瞬間には物陰の闇に姿を消してしまった。

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