女の子が好きなものって言ったら……これだよね?
「ただいまー」
「お邪魔します」
校内予選一日目終了。レシファを連れ帰宅した俺は、この世界で作る初めての料理ということで張り切っていた。
「帰ってきたのじゃ……おー、今日はレシファも一緒かの」
「すいません、いきなり来てご迷惑しませんか?」
レシファが申し訳なさそうに問う。
「何を言っておる、良いに決まっているじゃろう」
「そう言っていただき、とてもありがたいです」
「それに、今更であろう?」
「うっ、それは……」
くすくすとからかうようにリリィが笑う。
「いらっしゃいなの!」
どこかの部屋に行っていたのか、俺達が戻ったことに気づいたヴァンピィがこちらへパタパタ走ってきた。
「こんばんは、ヴァンピィさん」
「ただいま、今日も外……いい子にしてたか?」
ちなみにリリィと俺は、ヴァンピィが一応秘密にしている外でのお遊びを知っている。が、なんか大丈夫そうだったので黙認している。
ーーーしかも外出禁止とか言ってなかったしな
ーーー《そこまでいったら親バカにも程がありますよ》
流石に箱入り娘にはさせたくない。
「あっリリィ、今日ご飯作ってる?」
だとしても別にそれはそれで構わない。
ーーーその方が無難だしな
「うむ、作ってあるがどうかしたか?」
「いや、今日は俺が料理を作ろうと思ってたんだけど……」
「そ、それはまずいことしたな」
リリィが申し訳なさそうにしている。
「ううん、だとしたらそれでもいいんだ。俺は“特製のデザート”を作るからよ!」
「ほう、デザートとは!」
リリィが目をキラキラ輝かせている。
「でざーと?」
ヴァンピィが不思議そうな顔をしている。
「ああ、デザートだ。美味いぞー。ほっぺたが落ちそうになる程にな」
「ほ、ほっぺ落ちちゃうの!?」
言いながら自分の頬を抑えている。
「例えだよ、例え。それくらい美味しってこと」
「ほんと? よかったぁ」
ヴァンピィはほっと一安心している。
ーーー面白いな〜
と、そこでレシファが、
「で、デザートとは、甘味のことですか?」
「ええ、そうですけど」
俺がそう返すと、レシファは嬉しそうな、しかしそれを顔に出すのが恥ずかしいのかなんか複雑な表情をしていた。
「もしかして、甘いもの好きなんですか?」
「えっ、え、ええ……とてつもなく」
そう恥ずかしそうに、未だ戻っていない金髪ツインの尻尾をいじった。
ーーー女子! この人女の子だよ!!
ーーー《失礼極まりないですね》
「さっ! 俺は作って来ますね」
「期待しておるからのー」
「たのしみー!」
「が、頑張ってください」
みんなの期待を胸に、俺は厨房へと向かった。
▽
ーーーさて、作りましょうか
作るものはだいたい決まっている。
先ずはヴァンピィからだ。
「あの子にはアイスを作ろうかな」
人生初めてのアイスは、俺にとって忘れられない思い出だ。
口に入れた時、冷たさが口に広がりそしてアイスが溶けていく。
同時に甘さも広がってゆく。
ーーー感動だったよ
そう思い出にふけりながら作業を進める。
先ずは練乳から作ろう。
作り方はとても簡単だ。
鍋を用意して砂糖と牛乳を入れる。
そして火にかけ沸騰するのを待つ。
「……よし」
沸騰したら火を弱くして、ちょいちょい混ぜながら煮詰める。
「こんな感じかな?」
そうしたら冷やす。
「冷えてー」
熱々の鍋のに手をかざしそう言う。
すると、冷たすぎもせず弱すぎもせず、丁度いいくらいの温度までなべが冷えた。
「はい、取り敢えず完成」
作った練乳を別容器に移し替える。
次はカスタードクリーム。
これも簡単。
牛乳と砂糖、卵とあとは適当なのを入れて火にかけ混ぜる。
「はい完成〜」
ーーーちょっと多かったな
あとは先程作ったものをまぜまぜ。
「あ、牛乳いれんの忘れてた」
混ぜながら牛乳も加える。
そして冷やしてまぜて完成。
ーーーんー、アイスだけだと寂しいなぁ
「あ、そうだ」
先程作った少し余ってしまったカスタードクリームを、丸くすくって容器に移し替えたラクトアイスにかける。
そして次に作るもの、
「カラメルソース」
砂糖と水を鍋に入れ火にかける。
そして茶色くなるまで待つ。
ーーーべっこうあめの失敗したやつを作る感じかな
色がついたらお湯をちょっとかける。
そしてまぜまぜ。
最後にちょこっと煮て完成。
「そして出来たソースを」
カスタードクリームのかかったアイスにかける。
「出来た」
プリン風バニラアイスの完成だ。
ーーーあとはフルーツとかで誤魔化そう
残るは二人、時間かかりそう。
いつも読んでいただきありがとうございます。




