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ピリピリしてるよぉ……

 「取り敢えず入りましょうか」

 「ええ、そうですね」


 レオ様が居なくなり、なんかよく分かんない空気になったためそう促した。


 「それにしてもツダ君はどのようにして、レオ君と知り合ったのです?」


 レシファは不思議そうな顔をして聞いた。


ーーー()()()()()は言えないしなぁ


  「んー」

 「どうしたのです?」


ーーー《いつもの様に適当に誤魔化せば良いのでは?》


ーーー仕方ないかー


 「なんか、いきなり呼び出されて“レシファ様とだけじゃなくて俺とも遊ぼうぜ”って言われたんですよ」


ーーーよし、ほんの少し事実を交ぜたから罪悪感は減ったぜ!


 「あ、あらまぁ……」


 心無しか、レシファの顔に赤みがさしている。


ーーー《どうやら彼女、少々腐っていますね》


ーーー腐ってる? ……って、まさか!


 「そ、それより早く行きましょう! そろそろ時間ですよ」


 これ以上変な妄想はさせまいと必死な俺。


 「そ、そうですわね!」


ーーーふぅ……


ーーー《新たな一面発見! ですね》 


ーーーまぁ、これはこれで……ないわ!


  教室に着き、席に座ろうと椅子に手をかける。


 「ちっ」

 「ん?」


  そこに居たのは、レオ様だった。


ーーーそういや、地味に俺の後ろだったな。


 「あ? 何見てんだよ」

 「い、いや……ただ教室の空気がピリピリしてるなぁって」


 別に気にはならないのだが、建前としては間違ってはないだろう。


 「あたりめぇだろ、大会がちけぇんだ」

 「大会って、魔術大会のことですか?」


 そう聞くと、レオ様はそれ以外何があんだよとため息をついた。


 「大会はそんなに大事なんですか?」

 「そうだからこんな空気なんだろうが」

 「それもそうですね」

 「ちっ」


 なんだかんだ言って、しっかり会話をしてくれる。


ーーー根はいい人だな


ーーー《まあ、そういう類の者達はそれが一般的ですから》


 「また質問いいですか?」

 「んだよ」

 「大会って、一体何がそんなに重要なんですか?」

 「ああ? そんなことまで知らねぇのか」

 「すいません、色々と疎いもので」


 するとレオ様は、呆れたように頭をかいた。


 「ったく……いいか? この大会は一万年以上の歴史がある、年に一度開かれる大会なんだ」


ーーーおお、解説までしてくれんのか


 「大会の趣旨は各校の実力をぶつけ合い、交流を深めるというのが表向き何だが……」

 「だが?」

 「この大会には、魔王軍の一から九までの全ての隊長も観てんだ」

 「あっ、つまりその人たちにアピールするってこと?」

 「いや、それは少しちげぇな」


 と言ったレオ様の顔には、楽しげな笑みが浮かんでいた。


 「来るんだよ()()が」

 「あれ?」

 「んだよ、察しが悪ぃな」

 「すいません」


ーーーいや、察することは出来たよ? でもね、レオ様がなかなかに優しくてつい……ね?


ーーー《これでは、マスターが遂に目覚めてしまったように見えますね》


ーーーご、誤解はダメヨ


 「スカウトだよ、ス・カ・ウ・ト」

 「ああ、成程! 隊長さんとはいかなくても、軍の人から来る可能性があるんですね」


 第一、その隊長さんがこの学院で指導するのだから、そうでなくては駄目であろう。


 「ちっ、なんかムカつく野郎だぜ」

 「ありがとうございます」

 「ああ、だったらあっちいって自分の席座れや」


 しっしっと、面倒くさそうにそう言った。


 「と言われても、俺レオ様の前ですけどね」

 「ああ! そうだった……」


ーーーあ、俺めんどくさいやつに思われてる?


ーーー《まさか、自覚していなかった……とは言わないですよね?》


ーーーえ? う、嘘だろ……


 この時俺は、割と本気でショックを受けていた。


ーーー《まあ、今に始まったことではありませんので、いつもの様にウザさMAXで行きましょう》


ーーーうっ、ひぐっ……もうやめでぇええ!!


 「おわ! なんだそのきもい顔!」


 突然レオ様が、そんなことを言い出した。


 「え?」


 今の俺がどんな表情をしているのか全くわからない。


 「お、お前大丈夫か?」

 「そう見えますか?」

 「相談なら……乗ってやらなくもない」


 少々ぶっきらぼうに言っていたが、今の乙女のように脆い俺の心にはそれで十分だった。


 「レオ様……大好きぃ!」


 堕ちてしまった俺は、そのツンデレ系俺様美男子に飛びついた。

 

 そしてレオ様は、その少し長い金髪をかき揚げ、吸い寄せられるような黄金の目で俺を見つめ……



 「きめええええ!!」



 強烈な腹パンを俺に放った。


ーーーですよねぇ〜


ーーー《ふざけすぎるからそうなるのです……》


ーーーすいません、もうしません


 こうして俺は暫く、“勇敢なる変態”としてクラスに名を轟かせるのであった。


いつも読んでいただきありがとうございます!


あれ? こんな内容の予定だったかな、この話

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