↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/227

たまご!

あっ! 10万文字突破した!!

  『卵』……それは、俺にとってこの世界で最も口にする量が多かった食材。それが卵。リリィが初めて作ってくれた料理は全て卵で作られた。しかも、その量は尋常ではなかった。

  満腹だけど、美味い。だからさらに食べる。食べる。食べる……そしてとうとう丸一日寝込むほど食べていた。

  それから俺はたまごに軽くトラウマを覚えていた。


  そして今


  「その卵がここに……」


ーーーでもでかいしカラフルだし……ただの卵じゃないってのは確かだな


  「神様さんはこれを食べろと言うのか」


  俺のトラウマが呼び起こされる。


  「うぷっ」


  そして胃から何かがこみ上げてくる。


ーーーだ、だめだ……俺にはできっこない!


ーーー《おそらくこれは食材としてではなく、育てて孵化させるものではないのですか?》


ーーーそ、そうか。よかったぁ


  俺は心の底から安堵して、卵を鑑定した。


  «神秘なる器(ミステリアスエッグ)ーー持ち主の魔力の質、量、特性に応じて生まれてくる個体も変化する器»


ーーーああ、やっぱりクレルが言った通りだったな……で? どうやって孵化させんの?


ーーー《おそらく、その卵のような器とやらの中に魔力を注ぎ込むのだと思います》


ーーー俺そんなのやったことないんだけど……


ーーー《そこは……い、イメージですよ》


ーーー何でもかんでもイメージで誤魔化すなや


ーーー《ならやってみて下さい》


ーーーへいへい


  特に他の考えも無かったため、クレルの提案を呑んだ。


ーーーじゃあいくぞ……って、どんくらい流し込むんだ?


ーーー《男なら全力でやっちゃってください》

 

ーーーええ……


  と、言いつつも興味はあったのでやってみた。


  「ふぅ……」


  俺は卵に両手を当て、


ーーー魔力を……注入っと


  「おお」


  すると、俺の手から魔力が吸い取られていくのが分かる。


  「よし、このまま全開まで……」


  送る量をどんどん強めていく。


ーーーまだまだいけんな


  さらに強める。


ーーーまだ……まだ余裕だ


  またさらに強めていく。


 

  そして


 

  バリィィン!


  卵自体が俺の魔力に耐えきれずに割れてしまった。


  「あ……」


ーーーあああああああ!!


  俺は心の中で叫んだ。


ーーーどうしてくれんだよ! お前の提案で……って、実行した俺も俺だけどさぁ……


  そう嘆く俺に、


ーーー《いえ、どうやら成功したようです》


  クレルが言った。


 

  カラ……


  崩れた卵の破片が動いた。


  「ん? なんだ」


ーーー《何やら残骸の下に何かいるようです》


ーーーまじか


  そして出てきたものは……



  「んにゅ……」



  「………」


ーーー《………》


  それを見た俺とクレルは硬直した。


ーーーな、なぁクレル


ーーー《なんでしょう、マスター》

 

ーーー卵の中からさ、()()って生まれるもんなの?


ーーー《そんなの、有り得るはずがないでしょう》


  そう、産まれてきたものはなんと、見た目は五歳くらいの幼女だった。勿論真っ裸。

 

ーーーえ、でもこの女の子は……


ーーー《あれがただの幼女に見えますか?》


  そう言われ確認してみると、長い金髪に白い肌。口からはチロリと見える白い牙。


  そして何より特徴的なのは、


  「赤い目……」


ーーー魔物じゃ……ないよな


ーーー《ええ、魔物に近い存在ですが理性があります》


ーーー魔物に近い?


  俺はそう言われ、首を傾げる。


ーーー《吸血鬼です》


ーーーき、吸血鬼!?


  なんと、生まれてきたのは吸血鬼であった。


ーーー《吸血鬼は、もうこの世界には存在しないと言われております》


ーーーえ?


ーーー《吸血鬼は高い戦闘力を持ち、長く生きることが出来ますが、その繁殖能力は低く、他の種族に数で攻め込まれ絶滅していったと言われています》


ーーーそれが生まれた……俺の魔力で


ーーー《だから大切に育ててくださいね》


  「ええ……」


ーーーいきなり言われても……


  そう言われ戸惑うのだが、



  じー


  吸血鬼の幼女がこちらをじっと見つめ、


  「んみゅ!」


  にかっと笑った。


 

  その様子に俺は、


  「ぐはぁ」


  可愛らしくて目がやられた。


  「一生大事にします」


  そしてそう誓った。


 

  ▽


ーーーにしても、俺の周りに黒髪と言うよりも、幼女が多くないか?


ーーー《ええ、そうですね。そういう体質なのでは?》

 

ーーー体質!? ……まぁ、それももうないと思うけどさ


ーーーフラグ乙です。マスター


  俺がフラグをきっちり回収する事になるのは、ほんの少しだけ先の物語の話である。

 

 


 

いつも読んでいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。