リペア
遅くなりすみません!
言い訳をさせていただくと、データが吹っ飛んで二回もやり直しをしたということが起きまして……
すいません!
意識が覚醒した俺が見た光景……
それはまさに地獄。
小さな地獄がそこにあった。
ーーーひでぇな……
恐らく、人間の死体であろう。最早、元が何の部位だったのか判別出来ないほどにぐちゃぐちゃになったそれが、そこら辺に散らばっていた。
ーーー残ったのは二人か
男達には、逃げられないように足の腱を切っておいた。だが、這って逃げようとしたので、
「睡眠」
眠らせておいた。
ーーー《遅いですよマスター》
ーーーああ、ごめん
クレルは俺が戻ったことに気づいた。
ーーー《で、あの娘はどうするのです?》
そう言われ、俺は倒れているレシファを見る。
ーーーまだ息はある
ーーー《しかし、今の彼女の状態は危険ですよ》
クレルが言ったように、レシファの状態はかなりまずい。
意識を失っているが、まだ死んではいない。しかし、貫かれた腹からは血がどんどん溢れ、レシファの死は時間の問題だ。
ーーーうん
ーーー《マスター、今回はやけに落ち着いていますね》
ーーーそうだな
俺は自分でも不思議な程冷静でいられた。
ーーー《では、何か良い考えがあるのですね》
ーーー多分ね
俺がそう答えると、
ーーー《多分って、大丈夫なのです? 彼女は既に瀕死の状態なのですよ》
クレルがそう言った。
ーーーああ、だから一回で成功させる、レシファは絶対に死なせない。
そう言った俺は、レシファの横に座り、貫かれた腹の上に手を置いた。
ーーー《まさか、治癒魔術ですか》
ーーーそんな感じかな
ーーー《しかしご存じですか? 治癒魔術は存在しますが、その効果は弱く、せいぜいかすり傷を治すのが関の山でしょう》
そう解説したクレルに俺は、
ーーーなら、新しく魔術を作ればいいだけだろ
と答えた
ーーー《新しくって、そんな簡単に……》
ーーーまずは魔力を液体状にして……
クレルが何か言った気がするが、俺には聞こえていない。
ーーーそれを腹に流し込む
俺はレシファの穴のあいた腹に、液体状にした魔力を流し込んだ。
ーーーそして薄く広げた魔力で傷を塞ぐ
魔力を薄く広げ、傷口を塞いだ。
ーーーよし、液体状にした魔力をレシファさんの内蔵、血液、血管、筋肉、神経、骨に変化させる
すると、溢れていた血が止まった。
ーーー最後に皮膚を作って……
薄く広げた魔力で皮膚を完成させた。
そして、クレルの弱まっていた呼吸が正常になり、スースー寝息をたてていた。
「完了」
ーーー《まさか、魔力にこんな使い方があったとは》
なんか珍しくクレルが感心してる。
ーーーうん、魔力って火とか、水とかに変化させることが出来るでしょ? だから人の部位も作れると思って
ーーー《それは理解しました。しかし、体の部位のつくりのイメージなんて、ある程度の知識がなければ不可能では?》
クレルが言ったことはもっともだ。魔力は、火や水などの簡単にイメージすることが出来る物体は容易に作り出せるが、内蔵などの部分は、簡単にはイメージ出来ない。よって、作り出すのも難しいという訳だ。
ーーーでもね、何となくイメージ出来たんだよ。ぱっと浮かんだんだよ
ーーー《まさかそんな事は……》
ーーー俺もそう思った。でも、中学の頃に図書館で人体の本を読んだことがあるんだよ
ーーー《人体? 一体何故……って、あぁ……》
理解したクレルはドン引きしたようだ。
みんなも分かるだろ? 男の子は年頃になると人体の本が読みたくなるんだよ。
理由は……聞かなくてもわかるよな?
というわけで、俺は様々な物を治す(直す)新しい魔術……修復を習得した。
いつも読んでいただきありがとうございます!




