子供…助けた、魔法少女ですから
託亡になってから匠生は変わった。
死を経験して、あまり現実に興味を持たなくなった。
人を殺しても何も感じなかった。
せいぜいこんなもんか…くらいだ。
冷酷とはまた違って…どうせみんな死ぬじゃんみたいな感じ。
人は何かとんでもない経験をすると考え方や生き方が変わると僕は思ってる。
1番匠生の事を心配してるのはガミ。
託亡「お前に俺の幸せを奪わせるわけないやん」
捨て台詞を言って、耳に手を当てて、連絡した。
柔遺「お…繋がった…今忙しいか?」
託亡「全員倒しちゃいました…援軍がくるとか」
柔遺「おお!最初にしては上出来過ぎる!こりゃ報酬を弾ませないとあかんわ」
やった!
柔遺「さ!はよ救助して部下のとこ戻れ」
託亡「はい」
通信を切り、子供を探した。
カードキーを使って部屋に入った。
部屋は暗かった。
託亡「おーい!お茶!」
ヌイ「ふざけてんの?!」
ごめん。
託亡「助けにきたー!返事してくれー!」
んぁ…、と小さな声が聞こえた。
ヌイ「暗いな…これ、電気じゃない?」
カチッと音と共に明るくなった。
いた!
託亡「大丈夫か?」
彩芽「う〜ん、だれ?」
託亡「魔法少女です」
彩芽「あれ……?鍵を渡した人?」
鍵?何の事?
託亡「それ多分別の魔法少女だと思う」
ヌイ「ん〜?」
彩芽さんだかちゃんはヌイを見ている。
見えるのか?もしかしてピュアハート?
このケージをどうするか…そのまま運ぶか。
託亡「はい、持ち上げますよー」
俺はケージを持ち上げた。
ガミ「雑です!」
えぇ…。
託亡「このままは嫌?」
彩芽「なんでもいいよ」
じゃあこのままで。
託亡「ヌイ、話し相手になっといて」
ヌイ「分かった…」
流石にな、ここら辺、血がすごいからな。
流石に悪影響……あれ?
気のせいか…。
俺は2階にあがり、窓から出ようとしたが出れねぇ。
ケージがデカくて…天井に穴が開けるか。
萌え萌えビーム!
天井に穴を開けてそっから出る。
車が近くまで来ていたので乗り込んだ。
俺は耳に手を当てて、柔遺に報告した。
託亡「任務完了した」
柔遺「おけ、そんじゃ…戻ってもろてな!」
部下だが子分だかが車を発車した。
ふー疲れーたん。
託亡「そんで彩芽ちゃん…君はなんであそこに居たの?」
彩芽「ん?うーん…多分私が特別だから?」
なにそれ?自己中?いや、でも本当かも。
託亡「なんで特別なの?」
彩芽「じゃあ…耳に着けてるやつ何?」
え…急に?えーとワイヤレスイヤホン?って言ってた気がする。
託亡「ワイヤレスイヤホン?」
彩芽「ふん…ワイヤレスイヤホン…」
ん…?耳に違和感が…ワイヤレスイヤホンが外れた!
浮いてる…?世にも奇妙な……。
彩芽「私ね、ゆっくりだけど物を動かせるの」
え…?
彩芽「ちっちゃい奴だけだけど」
すごい…のか?
デモ「すげぇ!」
な!すげぇ!
彩芽「あの…ここから出して」
ええー、流石に無理よ?
だってビームは使っちゃったし、それに……ビームがあったとて絶対………ね。
託亡「もうちょい我慢してちょ」
部下だが子分「つきましたよ」
お!ありがてぇー。
俺は檻を持って車から降りた。
おりだけに!なんつって!!
ガミ「サム!なんか今寒気がしました……」
嘘…。
彩芽「ねぇ、おねぇさんはなんで小指がないの?」
え?
託亡「それはね…誰かのために動いたからだよ…人のために動くと、自分が傷つくんだよ、もし人を守りたいんだったら覚悟をしたほうがいい」
ヌイ「いや、あの時はたっくんが悪いのでは?」
うんうん…そうゆうこともあるよね。
柔遺「ご苦労さん」
お出迎えしてくれんの?
託亡「鬱かれさま」
柔遺「なんやそれ…ほなその子を保護するで、おい部下ども檻を運べ」
部下アンド部下「はっ!」
部下が失礼します、と言って俺から檻を奪った。
重そうだった、手伝う?
柔遺「報酬は渡さなあかんよな、罰当たりにはなりたない…部屋で待っとれ」
託亡「はぁーい!!」
部屋ではのびのびと待った。
柔遺「いろいろ聞きたいこともあるし、聞きたいこともあるやろ?」
託亡「ないです」
確かになんであの子がすごい力を使えるのとか、まぁ、いろいろ気になることはあるけど、今はパスタかなって。
柔遺「ほんまに?なんも気にならへんの?」
託亡「気にはなりますけど、どうでもいいです」
柔遺「そうかい、また気になったら教えてやるわ」
あざす。
ヌイ「ボクはもっちゃ気になる」
無理。
ガミ「やはり心配です…匠生さま」
ずっと心配させてるな…すまんねい。
柔遺「おっとそれと忘れるとこやった…地下の事…結構調べがついたで」
バター「え?」
まじが。
柔遺「なんでも地下捜索隊にはいる必要があるとか」
地下捜索隊…。
柔遺「託亡は地下に行きたいんやろ?」
託亡「そりゃ行きたいです」
柔遺「俺も地下は気になる、なんでも古代の遺物が見つかるらしいで…そこでやギブアンドテイクでどうや?」
柔遺は指を3つ立てた。
柔遺「俺が出す、3つの依頼を全部達成したら地下に行くための手続きとかそこら辺はやってやるわ…どうや?」
うーん…最高。
託亡「うぉい!」
柔遺「おお…変な返事」
プルプルプルと電話がかかってきた音が聞こえた。
柔遺「すまん、ちょっと席空けるわ…適当に休んでな」
はーい、と返事しといた。
ヌイ「はぁーなんかあっという間だねー」
そうか?
俺は窓から外を見る…死んだ前とは異なる世界を。
空は黒い膜に覆われ、遠くには水のようなものがキラキラと輝き、昼間なのに流れ星が見えた………。
こっちに向かってね?
デモ「ありゃ?」
ガミ「綺麗ですねー…………あら…」
隕石が地下に向かって落ちた。
ゴォンと音が鳴り、地震が…………あ……あ………あ………あ………ああ………あ………ああ……うう……うう………。
地震が大きくなる…体に衝撃が走ると魂が思い出す。
地下の近くのアパートで絶叫が轟いた。
それは聞いた者に精神的ストレスを与えるくらい辛いものだった。
託亡は今とんでもないストレスに見舞われた。
頭を床に打ちつけ…顔を引っ掻き回し、髪の毛を思いっきり引っ張る。
体の中で蠢く特殊な苦しみ。
死にたくなるほどのトラウマ。
ヌイ「…………」
デモ「お、おい…大丈夫かよ…」
ガミ「…」
バター「何が起きたんですか………」
柔遺「デカい地震やったなー………おい!どうした?!」
柔遺は医療班を呼んだ。
?「うーん…すいません、柔遺さん…これはおそらく精神によるものです……しかも重症です…」
柔遺「はぁ?何が原因なんや?」
?「分かりません…でもこれは相当です……とても一般的なものではない気がします…ここまで酷いのは……そもそも私は心を専門としていません…のでどうしようもないです…」
柔遺「……あんがとな…もう戻っていいで、寿留女」
寿留女「お役に立てず申し訳ない」
柔遺「気にせんでええ…」
寿留女が部屋から出る。
柔遺「どうしたもんかねぇ」
ヌイ「……」
デモ「おい……」
ガミ「…」
バター「これは……どうゆう……」
ん?
俺は……どうしたんだ?
寝てたのか…?
託亡「おはざーす……」
寝ぼけて、声がガラガラだった。
ヌイ「大丈夫…?」
は?
託亡「ん?何がだ?」
人間ってすごいよね。
思い出すだけで、命の危険があると忘れる。
忘れたとしても、記憶のどこかにはある。
人間って……、おもしろ!




