表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生した鼠小僧は義賊になる  作者: とんし
動乱編
112/122

#112 鼠小僧VSトーマン

次郎吉が廊下に進んで行くと今度はレーザーが網状に展開されると次郎吉に向かってきた。これに対して次郎吉はバックからボール型のソーサリーファクトを取り出し、スイッチを押して二つ天井、一つを右に投げた。その結果、次郎吉に直撃していた縦の二つのレーザーと横一列のレーザーが消滅して次郎吉だけまるで避けるかのような動きを見せた。


「わざわざ天井と壁にソーサリーファクトを移動されるためにレールを作るとはよく考えるな。というか直撃していたら俺っちはバラバラだったぞ」


「ふぉっふぉっふぉ! 光線を吸収する闇属性のソーサリーファクトか! センサーをすり抜けるならこれぐらいの芸当はするはずよのぅ。しかし儂の新作のソーサリーファクトを瞬時に理解し、正確に対処したのは見事じゃ。やはりこやつ魔道技師として儂レベルの強者じゃのぅ」


「情報によるとアーベルトの弟子らしいです」


「ほぅ。なるほど。それなら技術には納得が行くわい。それにアーベルトならこやつを弟子に取りそうではある。あ奴はソーサリーファクトでわくわくどきどきするのが大好きじゃったからな」


トーマンは合理主義なのでアーベルトとは相容れない。ただ共にソーサリーファクトを生み出した研修者同士だ。お互いに相手の性格は知り尽くしていた。


「トーマンさん」


「おっと。感傷に浸っとる場合ではなかったのぅ。元々本気で捕まえるつもりじゃったが余計に本気で行かせて貰うぞい!」


次郎吉が廊下を走っていると急に床が無くなり、落とし穴に落ちそうになるが次郎吉は腕からスライムを発射し、壁に吸着して逃げると壁がひっくり変えると壁一面の吹き矢が現れ、一斉反射される。


「ここは忍者屋敷かよ!」


文句を言う次郎吉だが電磁誘導で全ての針を横に逸らして難を逃れる。すると天井が今度はひっくり返り、次郎吉に暗殺者三人が襲い掛かった。


これに対して次郎吉は壁を蹴り、落とし穴に落ちない床に着地しつつ、剣の攻撃を躱す。しかし襲い掛かって来ていた暗殺者たちは風の魔法使いで飛行して次郎吉に襲い掛かる。そんな彼らに対して次郎吉は振り返った瞬間、暗殺者たちに悪寒が走る。


次の瞬間、暗殺者たちの身体がマイナスになると外された針が一斉に暗殺者たちに向かって飛来する。風の防御で一度は弾かれたが弾かれようが電磁誘導で引き合う針は止められない。結果、暗殺者たちに針が刺さり、痺れ毒で動けなくなった結果、落とし穴に落ち、落とし穴に設置された吸着ネットに引っ掛かり脱出不可能となった。


「つ、強い……」


「なんだ? あいつは? 本当に泥棒なのか?」


暗殺者たちからしたら悪夢である。何しろ自分たちは完全な不意打ちを成功されたのにも関わらず、次郎吉は一切動じることなくこちらが使った罠まで逆に利用し、鮮やかなカウンターを決められた。暗殺者からするとこんな屈辱はない。


一方で次郎吉は二階に気配を感じており、一度壁がひっくり返るのを見たことで天井も動くことが予想出来た。結果、来るなら来い状態で待てていたことが不幸中の幸いだった。


その後も次郎吉は屋敷内を走り回り、コーネを探していく。天井が崩れて、鉄球が落ちてくると次郎吉は床を蹴って、避ける。すると鉄球から毒ガスが出ると次郎吉が壁を爆破し、毒ガスを外に逃がす。


その後、鉄球が落ちた場所から二階に上がると暗殺者が次々襲い掛かって来た。しかし次郎吉も吹き矢を構えると応戦する。次郎吉が応戦してくる情報を持たない暗殺者たち虚を突かれて、まず一人が次郎吉の吹き矢の餌食となる。


しかし吹き矢は吹くことでしか針を発射出来ない。それさえ警戒すればいいと思ったが次郎吉はなんと吹き矢を手に持っただけの状態で突っ込んできた。


これに対して暗殺者たちは応戦するが次郎吉は飛び上がり、空中アクロバットを決めて、暗殺者たちを通り抜けた。これに対して暗殺者たちも振り返り、次郎吉の背後から襲い掛かろうとしたが意識がここで暗転する。


「「「「な、何……?」」」」


暗殺者たちは驚きの言葉だけ言い残して眠りに落ちた。次郎吉は吹き矢を一度たりとも吹いてはいない。次郎吉は吹き矢の筒を手に持った状態で吹き矢の針を飛ばして見せたのだ。方法は簡単。電磁誘導である。先ほどの針と同じことは次郎吉は自分の吹き矢の発射方法として使って見せたのだ。


この他にも風のソーサリーファクトを使えば吹き矢を口に付けずに発射することは出来る。次郎吉からすると最初に次郎吉が普通に吹いたことで固定概念に囚われさせたわけだが、違和感を感じ取る。


「雑魚いな……この様子なら俺っちの予感は当たりか?」


この世界の一流の暗殺者なら魔法とソーサリーファクトの理解度がまず高くないと話にならない。そんな暗殺者がこんな簡単なトリックに引っ掛かるはずがないのだ。つまり次郎吉はギルター宰相が手抜きをしていることをここではっきりと認識した。


その上で次郎吉はコーネを探し続けた。無数の蜘蛛型のソーサリーファクトに襲われるとソーサリーファクトを破壊するソーサリーファクトで全滅され、ソーサリーファクトの発動で突然鉄柵に囲まれても次郎吉は指輪のソーサリーファクトを発動させてウォーターカッターで鉄柵を切断し、脱出する。


更に三階では壁から瞬時に相手を凍らせる冷気噴射のソーサリーファクトが襲い掛かったがまたしても壁を爆破し、冷気を外に逃がした。ここで次郎吉がバックからソーサリーファクトを装備し直していると加速した暗殺者たちが襲い掛かって来る。


「「「「貰ったーーー! は? な、なんで止まらない!?」」」」


襲い掛かった暗殺者たちだったが次郎吉に攻撃を躱され、反転しようとしたが加速のソーサリーファクトが何故かスイッチを切ることが出来ずにそのまま加速し続けて壁に激突、外に出た後も加速し続けて彼らはどこかに飛んで行った。


「あの一瞬で魔力ラインを使ってソーサリーファクトに接続し、スイッチのオフ機能を破壊したようじゃのぅ」


「そんなことが可能なのか?」


「常人にはまず不可能じゃ。毎日魔力ラインを使い続けて、最新のソーサリーファクトを研究し続ける真の魔道技師なら出来るじゃろうな。何せ相手はどこにでもあるソーサリーファクトじゃ。あんなものはこやつに取って玩具じゃろう」


「……本当にこいつを捕まえることが出来るんだろうな?」


ギルター宰相が次郎吉の化け物っぷりをここで初めて肌で感じて不安に襲われる。一方でトーマンは余裕の様子で答えた。


「安心せい。儂が出向いた以上、こやつに勝機はない。さて、最後のお遊びじゃ。この防犯トラップをどうする? 鼠小僧よ」


次郎吉が四階に辿り着き、廊下を歩いていると壁を破壊して廊下一面を覆うほどの水流が次郎吉に襲い掛かると同時に次郎吉の背後の床が落とし穴となる。


「水流で強制的に落とし穴に落として捕まえる罠かよ! はぁぁー! くぅ!?」


次郎吉は息を大きく吸い込み、壁にスライムのソーサリーファクトで吸い付く。そして大量の水流が次郎吉に直撃する。


(頼む! 耐えてくれ! 俺っちたちのソーサリーファクト!)


次郎吉は流されずに済んだが、水流の流れは止まらない。このままだとはがされるのは時間の問題だし、そもそも息が続かず、意識を失うことになる。そうなる前に勝負を決めるしかない。


幸い廊下全てを埋め尽くす水流を生み出す巨大なソーサリーファクトは壁を破壊した際にその姿が視認出来るようになっている。ただ魔力ラインやハッキングでなんとか出来るソーサリーファクトではないと次郎吉は判断した。


明らかにこれは次郎吉が経験したことがないソーサリーファクトだった。当然簡単に突破させてはくれないだろう。電気で破壊しようにも水中でそれをすると感電が怖い。結果、次郎吉は取り替えた指輪のソーサリーファクトを電磁誘導で水流を生み出すソーサリーファクトに向けて飛ばす。


電磁誘導と水流のバトルは少しずつではあるが指輪が水流を生み出すソーサリーファクトに接近していく。


(まだ……まだまだ……急いでくれ! もう息もスライムのソーサリーファクトも持たない! っ!?)


ここで一度スライムのソーサリーファクトが外れて、次郎吉は流されたが再度床に張り付きなおして耐える。


(もう少し……あと少し……ごぼ!? ……まだまだ! 俺っちにはアーベルトの爺さんとの約束があるんだよ!)


次郎吉は息が続かず一瞬水を飲んでしまうがギリギリで耐えた。そして指輪が水流を生み出すソーサリーファクトに触れた瞬間、次郎吉はソーサリーファクトを起動させ、水流を生み出すソーサリーファクトを爆破した。


その瞬間に次郎吉のスライムのソーサリーファクトが外れて、次郎吉は水流と共に落とし穴に落ちる。


「はぁ……はぁ……俺っちの負けか」


『そうじゃのぅ。よく戦ったがお主の負けじゃ』


次郎吉は落とし穴の壁に張り付いて、落下は阻止していた。これだけ見たら勝ったのは次郎吉だが、既に二人の認識でこの勝負の勝敗はこの屋敷に次郎吉が入った段階で決していた。


屋敷全体が崩壊し、灼熱の炎の檻が出現した。


『ソーサリーファクト名ラットハウスじゃ。お主を捕まえるために儂が新たなに作り上げた最強の防犯ソーサリーファクトじゃよ』


「家自体をソーサリーファクトにするとは恐れ入る。しかも俺っちのソーサリーファクト破壊も対策済みで俺っちのソーサリーファクトでは突破出来ない炎属性を採用するとは随分俺っちのことを調べ上げたもんだな?」


『お主とはここ最近ずっとソーサリーファクトを介して戦ってきたからのぅ。しかし儂も老い先短み身じゃ。悪いが勝ち逃げさせて貰うぞい。アーベルトの愛弟子よ』


ギルター宰相が用意した本隊が到着し、次郎吉はバックとソーサリーファクトを全て奪われ、この世界で初めて捕まることになるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ