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自称悪役聖女は今度こそ生き延びます!  作者: りおん
3章 ジェインとシェリアの出会い編(おまけにナスタも)
19/37

今はまだこの距離で

喋ってからマルクに遭遇するまでの、ジェインsideです


100pt!ありがとうございます!!

ブクマも40件以上...こんな拙い物語を温かい目で見守ってくれる方が40人以上もいるんですね

世界は思っていたよりも優しかった...今後も頑張ります!

「お散歩に行きたいのだけど」




いつものように聖女は俺に話しかけてくる


返事はしないとわかっているからだろうか、それだけ告げて部屋の中へ戻っていく



(どうせ抜け出してしまうなら扉から出てもらった方がいい)


何をやったのか知らないが、目の前で消えることができるならもう何をやっても無駄だろう





「どうぞ」



そう言って扉から少し離れる





「...................へっ?」




アホみたいな声が聞こえた

更には「夢?」とか言っている



俺が喋るのがそんなに珍しいだろうか?

確かに人間を同じ生物として見れたことはほとんどないが、聖女とは出会って数日しか経っていない


そんなに驚くほどではないはずだが...



すると不意に、聖女は俺をペチペチと叩いてきた


夢じゃないか確認しようとしているのだろうか?

だが、そんなことに付き合ってやるほど俺はお人好しじゃない


扉から離れたのはその方が護衛が楽だからに他ならないのだ、無駄に戯れる気はない



俺が無視するからか、だんだん叩く力が強くなっている。と言っても俺にとっては大した違いもなく弱い


そのまま無視していると、不意に聖女が何かを呟いた



「『聖女の祈り』」



そして聖女に叩かれた俺は、気づいたら壁まで吹っ飛ばされていたのだった






「...............は?」





今度は俺がアホみたいな声を出してしまった



いや、しかし守りに特化しているはずの俺が、ただ軽く叩かれただけで壁まで吹っ飛んだ


そんなことがあるのか?

相手は刺客ですらない、護衛対象なのに?



そういえば、吹っ飛ばされる直前に呪文を唱えていた。

ということは、目の前で消えた時と同じ力を使ったのだろう


あの力は自分の身を守るためのものだと思っていたのだが

どうやらそういうわけでもないらしい





思考にふけっていると、不意に聖女が俺に向かって頭を下げた



「ごめんなさい、怒らないで〜!」



どうやら謝っているらしい



「怒ってません」



いつもなら無視するはずなのに、なぜだか返事をしてしまった



「悪気があって吹っ飛ばしたわけでは」



「怒ってません」



悪気の問題ではない。

俺を吹っ飛ばせる人間がいたことに驚いているだけで、別に怒っているわけではない



「ちょっと力加減g」



「怒ってません」



前言撤回。なんかムカついた

力加減?あれでも手を抜かれていたということなのか?

ふむ、余程人のプライドを傷つけるのが上手いと見える


ん?この前まで俺が聖女を人間扱いしてなかった?聞こえんな




埒があかないと判断したのか、聖女は言い訳をやめた



「何で急に話そうと?」



そしてどうやら話題を変えることにしたようだ


しかし、何でと言われても...

あなたが同じ生物に見えたから、と言ってもわからないだろう

というか、言いたくない。理由はわからない





「...気分です」



またしても、答えなくてもいい質問に答えてしまった

しかしそれを嫌だと思わない自分がいる。聖女を認識できるようになったからだろうか




聖女はそれに対して何か言いたそうにしていたが結局、外出が楽になるとだけ言って扉から部屋の外へ出た





そして俺は護衛として、いつものように一定の距離をあけて歩く

しかし何となく違和感を感じた



(少し、近いか?)



普段、別に意図して決まった距離感で歩いているわけではない

ただ、自分が不快ではないギリギリの位置に立っているだけだ


その距離が少し短くなった

いや、本当はもっと近づいても不快ではないのだろう

だが何となく、今はこのぐらいがちょうどいい気がしたのだ




(不思議な感覚だな)



くすぐったいような気持ちになりつつ、聖女の後を追った







部屋を出てすぐ聖女が見知らぬ男と嬉しそうに話していたのを見て、何となくイラついてしまったのは

きっと先ほど吹っ飛ばされたことを思い出したからだろう。




(あの男も吹っ飛ばされればいいのに)



だがその男が、吹っ飛ばされるよりも酷い醜態をさらしていたことは

残念ながらジェインには知る由もなかった

今回わかりづらいので補足


シェリアに初めて話しかけた時の心の声は、半分言い訳みたいなものですね。本人は気づいてないですけど


同じ生物に見えた、というのはジェインにとって恥ずかしいことのようです。恥ずかしいという感情をまだ知らないので理解できてないですが



ジェインとシェリアの出会い編のジェインsideはこれで終わりです

ちなみにナスタsideはありません。出番もほとんどないですし。今後増えていく予定ではあります


次回、マルクsideになります

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